あれは昭和60年頃だったろうか…

時代の変わり目を感じていた。


その日は、同僚と家で呑んだ。

朝起きた時、彼はびっしり凍りついて、真っ白になっているサッシ窓に驚いていた。

そんなことはさておいて仕事に行かねばならぬ。

で、車に乗り富山に向かった。


途中、脱輪している車があった。

長年、そうしてきたように、私はブレーキを踏んだ。

「ひとりじゃ、どうしようもない。手伝うか…」と


隣りに座っていた同僚が言った。

「遅刻するよ。保険に入ってないのが悪いのだ。」


それで、車の周りでウロウロしている人を残し、走り去った。


いつもとは違う行動を採った自分。

だからか、いつまでも頭に残った。


それは、2024年1月24日午前の衆院予算委員会であった。

被災地にあたる石川3区が地盤の近藤和也(立憲)両議員が質問に立ち、復興に向けた要望を岸田文雄首相に伝えた。(中略)

「被災した世帯への支給額を、現行の最大300万円から600万円に倍増させるのが柱。近藤氏は「従来のお金では全然足りない」と、改正案の趣旨を説明。さらに、最大100万円の「基礎支援金」を200万円に引き上げる理由として、生活手段としての車の重要性を訴えた。」

   これに対し、岸田氏は

「住宅を再建される被災者への経済的支援のあり方について、能登の実情に合わせて追加的な方策を検討いたします、ということを申し上げた次第です。その際に、やはり災害が多い地域において、保険とか共済といった制度への加入も重要であるという観点、さらには、被災者生活再建支援金は、災害による財産の損失を補填するというものではなく、被災者を側面的に支援するという性格のお金であるということ。さらには、過去の災害とのバランスや公平性の観点から、どういう方策を用意するべきなのか今検討しているところです」

と答えた上で、災害復興住宅融資や税制上の特例対応といった制度と組み合わせることで住宅や車などの支援を考えることは重要だとした。



この岸田首相の答弁を聞いて、昔の同僚の言葉を思い出した。


保険に入っていなかったのだから、仕方がない。

悪いのは自分だとよく、考えろ。

可愛そうだからお前には特別に、お金は貸してやる。

(ありがたいと想え)


私にはそう聞こえてしまう。


保険?

税金の中には、それ入ってないの?


江戸時代なら年貢を出しているので、藩から「おたすけ米」が出たり、村に何某かの救援をしてくれた。

今は、やっぱり「自己責任」というやつ?


そんな言葉からはこんな風にも思えてくる。

税金って俺達、選挙に勝った者のものだ。

負けた者は、グダグダ抜かすな。

自己責任だ!

保険でも共済でも入っていない奴が悪いのだ。


フト橋下の言葉が浮かんできた。

窮状を訴える高校生に対し、

「政治家になってから言え。」と。

つまり、選挙の勝者のみ、意見を述べることができると。


大阪万博にしろ、オリンピックにしろ、防衛費倍増にしろ、いったん税金として納めたら、勝者のものとなるようだ。


納めた者たちは、収めた瞬間から「あんな者達」にされる。


考えてみてもNHKの変節は、お願いにより納めていた受信料が、義務化されたことと符合してくる。私達の気持ちで支えられていた頃は、NHKは私達を向いていた。しかし、義務となった途端に、そうしてくれた政府を向くようになった。


先に案内した記事にはこう続く…

SNS上では、特に近藤氏の質問が被災者に寄り添った内容だったと称賛する声が上がっている。被災者生活再建支援金の引き上げに関して答弁した岸田氏に対し、近藤氏が「酷な言葉ですよ」などと訴える場面もあった。


 


そもそも税金の中には、本来、社会保険も医療費保険も失業保険も年金も含まれているんじゃない。バラバラにして独立採算みたいに見せかけて、自分のものをただ確保したいのんと違う?と思えてくる。


まぁ、それでもいいけど…

それ、確実に亡国の道、まっしぐらだよ。

過去がそうだったのに……


バカは死ななきゃを繰り返すんだね…




昭和60年頃には、もはやその道を歩きだしていたことになる。

なんかなぁ〜
村山総理の頃、菅直人総理の頃、
この混乱を治めるのが、総理の真価だとばかりの雰囲気を感じたところがあったが、今は「迷惑かけて…(やがって…)」の雰囲気が伝わってくる。
自己責任の時代ってこうなんだと…