能登地震で大々的に被害を受けた「珠洲」なのだが、「スズ」とは不思議な地名である。調べてみた。

珠洲市の公式サイトではこのように…
鈴や真珠に由来を求めている。美しさを演出し人を呼び込みたい市としては、このように記載するのも無理からぬことだ。市とすれば美しいイメージを売らなくては…はじまらない。

それで満足するわけにもいかず…
縄文遺跡が多い能登なのでアイヌ語からも考えてみた。
「スズ」と言う音はどうやら『水(清水)』を意味するようだ。あちこちにスズ由来の地名が広がっている。

こんなサイトもある。
地元にある「須須神社」に由来を求めている。

じゃぁ、この「美穂須須見命(ミホススミノミコト)」って誰?って疑問が湧く。こんなサイトがあった。
これがまた、おもしろい。


なんと、オオクニヌシとヌナカワヒメの子なのだ。
出雲国と高志国の産んだ子供がここに居たのだ。

詳しくはあとでリンクを貼るので見ていただきたいが…
出雲国風土記では『ツツ』と呼んでいる。
国引きのイメージ図↓

このサイトはここで満足せずに分布を調べる。
この神は、富山や新潟、長野さらに群馬、埼玉に広がっている。
<どこで祭られてるの?> 
各県神社庁が把握している現在の祭神でみると、島根県に1社(美保関)、石川県に1社(珠洲市)、富山県に1社(氷見市)、新潟県に13社(出雲崎町に2社、長岡市に11社)。このほか長野県に5社(中野・上田・千曲市に各1社、佐久市に2社)、群馬県に8社(中之条、東吾妻に各1社、渋川に2社、前橋に4社)、埼玉県に1社(岩槻)あります。

詳しくは直接サイトにあたられたい。珠洲で作られていた珠洲焼の販路?、分布と結びつけている。つまりは、ここに産業があった証でもある。

いずれの神も「水」の神として、祀られている。
ということは、アイヌ語に戻ってしまう。
「水」を表す言葉は、やがて出雲の国に絡み取られ、影響を与えながらも、新潟・長野を経由し関東まで、一大文化圏を広げていたのだ。それが「スズ」という地名が繋いでいてくれた。

こんな図が紹介されている。
今の陸上交通とは違う海上交通を考えれば、さもありなんなのだ。能登は辺鄙とは、あくまで陸上交通を主体にした世界観と言えよう。

 今回、地震で陸上交通網がやられた。だから、今の世界観からすると面倒をかける地域と見えてしまう。
はて、さて…
たったひとつの見え方だけで、「二次避難」(早くそこから逃げろ)だと、決めつけて良いものだろうか…


アイヌ語地名の紹介↓


 珠洲市のサイト↓


神社名からと教えてくれたサイト↓


 その神社の祭神を紹介するサイト↓