『おばぁちゃ~ん、お釣り忘れとる~。』

大きな声が店の中から聞こえ、店員さんが走って出てくる。腰の曲がったおばあちゃんが自分の軽四に戻りつつあった。

『(持ってったのは)レシートだけだよ』、とお姉さんはおばあちゃんにお金を渡していた。


ここは栃尾の小さなスーパー。


疲れが溜まってきたのか、背中がどうにもならない日が多くなった。で今日、栃尾温泉荒神の湯と平湯民俗館平湯の湯に行ってきた。


荒神の湯は3度入り当初は45.7℃から、入る度に下がっていった。多くの人が入るにつれ、うめられていく。三度目に入ったときは、水ホースが湯船に突っ込まれたまま、放置してあった。


平湯の湯は44.7℃スタートで2回入る。まぁ、ここはうめられることはなかった。立て続けだったからだろう。


1荒神→2平湯→3平湯→4荒神→5荒神

の順で5回の入浴だ。

水ホースの入れっぱなしは、5荒神の時だった。


ガンガンに固まった背中が少しは緩くなったように感じるのだが…、少しは楽になる。


冒頭に戻ろう。飲み物を買いに栃尾に一軒あるスーパーに行ったときの話だ。


店員さんの『おばぁちゃん!』の言葉に、土地にとっての「おばぁちゃん」なんだと感じた。


よく、「あなたに『おばあちゃん』と言われる筋合いはない!」と怒られる人が増えている気がする。

「おかあさん」や「おばさん」も同じこと。


あんたの〈おかあさん〉でもなきゃ、〈おばあさん〉でもない。血のつながっていないあなたから、家族呼称で呼ばれる必要はないと言うことだろう。


それはそれで話は通るので、そうなのか~、呼びかけには気をつけようと、なるべく『あなた』とかにしようと想ってきたが、今日のやりとりを見ていて、気が付いた。


〈地〉の関係と〈血〉の関係の違いなのだ!


栃尾のスーパーの人は、その土地の上に棲む(家族のような)関係に則り、呼びかけている。おばあちゃんもその土地に棲む構成員と言う(有る意味)家族なのだ。血の関係にこだわってはいない。


〈筋合いはない〉とお怒りの方は、血縁の関係しか認めていないのだ。


たぶん、上流階級の人なんだろう。共に生きること、助けることなんて知らないのだろう。(他者に色々)させてきた人たちなのかもしれない。


僕は、栃尾のスーパーの人たちの方が、仲間のように感じた。あまり、血にこだわる人には近づきたくないなぁ~、と。


今日の平湯民俗館平湯の湯舟↓


荒神の湯は人がいて撮れなかった。

これは駐車場から足湯横を上ると右手に見えてくる高山市文化財『旧豊坂家』。
この家を見ると昔(高校時代まで)住んでいた家を思い出す。(僕の家は傾いていて、太い柱でつっかえ棒を何本も入れてたけど。)

お風呂の前にある『旧高桑家』は風呂と風呂の間にいつも休ませてもらっている。
平湯の皆様にはホントに感謝です。


背中を熱い温泉で溶かしたいのだ。

このゴチゴチになってる背中を。


感謝です。