読売新聞より
対向車より先に右折の「松本走り」、県民も危惧
松本市によると、交差点などで対向車が左折するのとほぼ同時に右折したり、直進してくる対向車よりも先に右折したりする行為を「松本走り」と呼ぶ。こうした運転について、市交通安全・都市交通課の近藤潔課長は「松本は城下町で道が狭く、右折レーンのない道も多いからではないか」と推測する。
市は今年3月号の広報誌で「危険 知っていますか? 松本走り」と題した特集を掲載した。「特に県外者から『マナーが悪い』と指摘されている」などと紹介し、道交法違反であることを呼びかけた。市交通安全協会などでつくる「市交通安全市民運動推進会議」も昨年度、松本走りの危険性を訴える啓発用チラシを作成。交通安全のイベントなどで配布している。
市によると、全てが松本走りとは限らないものの、昨年1年間に右折時に起きた交通事故は78件。「JAFメディアワークス」(東京)が運営する動画投稿サイト「ドラドラ動画」には、松本走りの様子を収めたドライブレコーダーの映像が複数投稿されている。反対車線から来た乗用車が強引に右折したため、直進車が急ブレーキをかける様子などが分かる。
県政などについて意見を受け付ける「県民ホットライン」にも、「松本走りを取り締まることはできないのか」といった声が寄せられている。
菅谷昭市長は13日の定例記者会見で、市民へ向けて「余裕を持ちルール通りのマナーのいい運転をしてほしいと強く思う」と述べた。