20代、学習塾で働いていた時のこと。
仕事に向かう途中
パチンコ店の前を通りかかった時に
中から出てきた男が
頭の先からつま先まで なめるように
私の事を見た気がして
そちらを見ないように早足で
先にある塾のビルに入り
なんなの？あれ。と思いながら
エレベーターに乗ってドアの方を向いたら
さっきの男がこっちに向かって来てるのが
目に入って
素早く閉ボタンを押したんだけど
ガッ
と無理やり乗り込んできた
塾の入っているビルは
ワンフロア１店舗の小さく古～いビルで
エレベーターは4人乗り、狭い
どうしよう、どうしよう、と
頭の中グルグル
心臓は早鐘を打ち始めたけど
男が階のボタンを押すまで
私は絶対に押しませんでした！
（この時間とても長く感じた～
）
観念したように男が②を押したので
私が④を押し（最上階）
エレベーターが動き出しました。
狭いエレベーターなので近い
私は男の少し後ろめに下がりました。
「ここ、住んでるんですか？」
話しかけて来た
「…いえ」
「あ、そ～なんスか」
で、
着いた、２階。
↑大黒
…２階は夜営業なので、この時間（13時）には誰もいないのだ。
（この男はここで降りてどうするのだろう）
エレベーターを降りたら真ん前にドアがある。
２歩でドアノブに手を掛けられちゃう
３階は空き。
４階に着いても塾長はいないから
私が鍵を開けて入る。
つまり
今このビルには私とこの男以外誰もいない
あいつが降りたら
このボロエレベーターのドアを
絶対に閉めなければ
また乗ってきてしまう
ノロりとエレベーターのドアが開いて
男は２歩で真正面のドアに到達
ガチャガチャガチャとドアノブを回す音を立てるやすぐ！
くるりとこっちを向き
「いねーや」と言いながら
再びエレベーターに乗ろうと
する！！
カチカチカチカチ
カチカチカチカチカチカチ
こちらは全力で閉ボタンを
連打！！！！！
ドアは無事、閉ってくれました！
４階で降りて震える手で事務室の鍵を開け
施錠を確認してから塾長に電話しました。
その間
「ピンポーン」「ガチャガチャガチャ」
やられましたが
ほどなく居なくなりました。
この事自体は
割とすぐ、忘れちゃったのに
数か月後
今までにない”感じ”が始まりました。
なにもないのに急にドキドキし始めて
手にあぶら汗を次々とかき出したり
すごい不安感に襲われて気分が悪くなったり
居ても立っても居られないような気がしてきて手足が震えたり
前触れなく始まってウソのように治るんです。長くても30分ほどで
仕事中、運転中とくに夜、トンネル、人の車に乗せて貰ってる時…
それがいつ来るかわからないから
いつも不安になり
「パニック障害」だったんだな、と後々思い至りました。
この頃は、世間一般そんな病気があるなんて
知られていなかったので
自分でも訳が分かりませんでした。