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凄い状況です。報告書の骨子は下記です。


○再生可能エネルギー(RE)による電力は、2014年に過去最大の年間導入量(130GW)となり、純増量では世界の発電設備増加量の45 以上を占めた。REは、中期的に発電部門で最も伸びるエネルギー源と期待され、全発電量でのシェアは、2013年の22%から2020年に26%に拡大し、その大きさは、今日の中国、インド及びブラジルの電力需要合計より大きい。

○増加量をみると、陸上風力発電はREの設備容量と発電量それぞれ1/3以上を占める。太陽光発電は設備容量の1/3で、水力発電は、設備容量の1/5、発電量の1/4以上を占める。他のREは、容量の増加は低調だが、伸び率は大きい。洋上風力は、2020年までに3倍以上に拡大する。

OECD加盟国では、火力発電と原子力発電の廃止を考慮すると、REが発電部門の全設備容量の正味の増加分を占める。

○中国、インド、ブラジルその他の途上国は2020年までのRE導入量の2/3を占める。中国のRE設備容量増加は、単独で世界の40%で、現在の英国の総発電設備容量の3倍となる。

RE設備への年間新規投資予測は、2020年まで平均約2,300USD/年と、2014年の約2,700USDより下がる。

REの発電コストは、引き続き低下する。20102015年に新規陸上風力発電の発電コストは平均30%低下し、新規太陽光発電(大型発電所)は1/3に低下した。20152020年の6年間で、更に、新規陸上風力発電は約10%、新規太陽光発電(大型発電所)は1/4低下し、高水準のインセンティブは不要となる。経済性は、むしろ規制枠組と電力市場設計に引き続き強く依存する。他のRE(洋上風力、太陽熱発電、バイオエネルギー)は、継続的支援策を必要とする。

○近年発表の長期契約価格をみると、新規陸上風力発電は、多くの場合6080USD/MWh、最良ケース(ブラジル、エジプト、南アフリカ及び米国)で約50USD/MWhである。太陽光発電(大型発電所)では、80100USD/MWhで、最良ケース(アラブ首長国連邦、ヨルダン、南アフリカ、米国)で60USD/MWhである。陸上風力発電と太陽光発電は、化石燃料に対して完全な競争力を持つには至っていないが、ベンチマーク価格帯(6080USD/MWh)では、最近の燃料価格低下の状況下でも、ガス火力発電と互角の競争力を持つ。水力発電、地熱発電、バイオエネルギーは、化石燃料と比べると大きな競争力を持つが、ファイナンス、プロジェクト開発及び社会受容性のリスクがある。

https://www.iea.org/bookshop/708-Medium-Term_Renewable_Energy_Market_Report_2015