編集委員 高坂哲郎
 2014年は、世界を揺るがす悩ましいニュースが相次いだ1年だった。日米の安全保障当局者たちが、「不都合な真実」をストレートに語り始めてくれた。
■中国軍に与えられた「新たな任務」
 「中国軍は短期間かつ鋭利な戦いで日本の自衛隊を粉砕し、尖閣諸島または沖縄諸島南部を奪い取る新たな任務を与えられた、と我々はみている」今年2月、米海軍太平洋艦隊情報部長だったジェームズ・ファネル大佐が米サンディエゴで開催されたシンポジウムでこう語った。その後、大佐が情報部長のポストから異動になったことが今年11月初めに公になった。
 もう一つのストレート・トークは今年11月上旬にあった。ある日本政府幹部が都内での会合で「私は米軍のエア・シー・バトル構想に若干懐疑的だ。どう反転攻勢に移るのか米側に聞いてもはっきりした答えは返ってこない」と打ち明けた。
 中国軍は「飽和攻撃」が可能だ。ASB構想は「日本人見殺し」を前提にしているとの声が出始めている。
■「安保のプロたち」に欠ける精神
 日本では、いつしか「米国との良い関係の維持」が自己目的化し、米政府や米軍幹部に不都合なことについては黙り込んだり、思考停止したりする悪しき慣行が日本の政官産学各界に広がってしまった。
 日本の安保当局者OBの中には、ひとりでも多くの国民を守ろう、せめて子供たちだけでも確実に守れる体制を築こうという「最善を尽くす」精神がほとんど感じられない。
 国民が「安保のプロたち」に丸投げしているうちに、気がつけば日本人の安全は根元から浸食されている。