New World Order

Labor, Capital, and Ideas in the Power Law Economy

http://www.foreignaffairs.com/articles/141531/erik-brynjolfsson-andrew-mcafee-and-michael-spence/new-world-order


ノーベル経済学賞のマイケル・スペンス教授、ブリニョルフソンMIT教授らがフォーリン・アフェアーズ7/8月号に書いています。


抜粋仮訳

・テクノロジーの発達とグローバリゼーションの進展で、労働・資本の市場は。国境の垣根を越えグローバルに統一されてきたが、人工知能やロボットの発達がこのトレンドに重大な変化を及ぼしている。デジタル技術は、従来型の労働・資本をコモディティに変える。

LABOR PAINS(労働者の痛み)人工知能、ロボット、3Dプリンタなどオートメーションの「大きな物語」が動き出している。最も優れた「労働要素」は、今や「低賃金の労働者」ではなく「知的で柔軟な機械」だ。中国の工場での単調作業は、ロボットに適しており、ロボットの価格性能比が向上すると、従来型単純労働は無用となり、生産工程は最終消費地に引き寄せられる。

CAPITAL PUNISHMENT(資本への刑)「デジタル資本」の重要性が増している。ソフトウェアは、増加コストがほぼゼロで、複製・分配される。デジタル資本は、全産業で重要性が高まっている。プロセスがコード化・デジタル化されると、安価・容易に複製可能になる。生産プロセスが資本集約的になっても資本家の報酬は増え続けない。デジタル技術が資本を代替すれば、資本家全てが報酬を得られるわけでない。むしろ、どの生産要素が最も希少かが鍵となる。

TECHCRUNCH DISRUPT(技術衝突の破壊)デジタル情報の複製費用は実質ゼロで、世界中に瞬時に転送可能で、オリジナルを忠実に再現できる(コストほぼゼロ、瞬時ユビキタス、忠実再現)ことが新たな経済学を生む。そこでは、新たなアイディアとイノベーションを創造できる人々が鍵だ。これまでなら、自らのアイディアへの報酬を、労働・資本と分け合わねばなかった。しかし、デジタル技術は既存の労働・資本をコモディティ化し、創作・イノベーション主体や起業家に報酬が帰属する。最も希少な生産要素は、労働・資本ではなく、「アイディア」をもつ人々、「スーパースター」となる。クリエーティブな人々への所得分配は「べき乗則」(The Power Law)に従う。素晴らしいアイディアを提供できる少数が莫大な報酬を獲得し、残りはロングテールに沈む。「スーパースター」に基盤を置く第3の技術革新かがグローバル経済を塗り替えるネットワーク効果もthe winner-takes-allを加速する。スーパースターの所得は増加するが、二番手や出遅れた者は苦労する。最高経営幹部はロックスター並みの報酬を稼ぐ。ちなみに、米国のCEOの平均報酬は1990年には他の労働者の70倍だったが、2005年には300倍に拡大した。

PREPARING FOR THE PERMANENT REVOLUTION(恒久的革命への備え)「設計」分野のリードを保つには、米国をイノベーション最強国にしたダイナミズムと創造性を保つ必要がある。それには、高い教育水準の労働力と起業家文化が必要となるが、数十年の米国の教育の低迷が懸念される。幸いにも、デジタル革命は教育改革の助けになる。