中国総局・阿部哲也

 事前に用意していたとしか思えない「補足説明」だった。

■「日本の12社に違反の疑い」

 「目下、米クライスラーと独アウディに対し、調査を進めている。2社の独占禁止法違反は明らかで、近く相応の処罰を言い渡す。(中略)重ねてみなさんにもう一つ、報告したい。我々は日本の12社にも、補修部品とベアリング(軸受け)価格に関する独占禁止法違反の疑いがあるとみて調査を実施した。法に従って処罰することになるだろう」

 中国のマクロ経済政策などを取り仕切る国家発展改革委員会(発改委)が6日、北京市で開いた定例記者会見。テーマは「サービス業の生産性向上と産業構造の調整について」だったが、途中で内容ががらりと変わった。

 「皆が関心を持つ海外自動車メーカーに対する独禁法調査について教えて欲しい」。記者団から飛び出した会見の題目と全く関係のない質問に対し、資料を手にした発改委の李朴民秘書長が冷静に応じた。「私も今朝、インターネットで報道を知った。いくつか調査状況を紹介しましょう」。それが冒頭の「補足説明」だった。これが、トヨタ自動車やホンダなど日本車大手も巻き込んだ「独禁法狂騒曲」の始まりだった。

 独アウディ、米クライスラー、独メルセデス・ベンツ、トヨタ、ホンダ、日産自動車、米ゼネラル・モーターズ(GM)……。

続く