スプーン1杯の水でOK! 水素のバッテリーチャージャー(WIRED.jp)


3R・燃料電池・新エネ、モジュール化・ベンチャー・イノベーション-h2gen

 完全にエコロジーでリサイクル可能な燃料電池カートリッジを使うことで、何
時間分もの電力を得られる水素のバッテリーチャージャー。これでコンセントがなくても、
ガジェットを長い時間利用することができるだろう。
 SiGNaは、家電製品の電力供給の状況を変えるかもしれない企業だ。わたした
ちが日々使っているモバイル機器にも、新しいエネルギー源を使い始めるときが来たと彼
らは確信していて、ひとつの解決策をもっている。
 それは燃料電池だ。可燃性のバッテリーで、 例えば水からつくり出すことが
できる水素のように、自然の中に豊富にあるものから電力を生み出すことができる。
 燃料電池は、通常の電池の6倍から10倍の駆動時間と非常に短い充電時間を保
証してくれる。SiGNaは、最初に完全なかたちで運用されるのは、家電製品の方が自動
車のような分野よりも先だろうと見込んでいる。後者では、水素がすでに以前からエネル
ギー革新の工程表に入っているにもかかわらずだ。
 「自動車の分野における未来は、電気自動車と燃料自動車のハイブリッド化で、
バッテリーを充電する燃料電池を備えるものになるでしょう。これに対し家電製品にお
いては、燃料電池が大きな成功を収めると確信しています。なぜなら、ガソリンと違って、
この分野では現行のバッテリーはパフォーマンスがよくないからです」と、レフェンフ
ェルドは説明した。
 すでに数年前から、SiGNaの燃料電池で電力供給されるPedagoの電動自転車が
存在している。これは、水素ガスをつくり出して200Wの電気に変えて、自転車に96kmの電
力走行を可能にする。そして水素が生み出すのは水蒸気の放出だけだ。
 このSiGNaによる未来の技術を最先端で実現したもののひとつが、スウェーデ
ンの燃料電池メーカーmyFCが開発したPowerTrekkだ。家電製品用のサーヴィスで水素を用
いているもののなかでは、いまのところ最も優れている充電装置と言えよう。
 機能は非常にシンプルだ。装置の中にわずかスプーン1杯の水を注げばいい。
例えば山を登っているとしても、コンセントを見つけるよりはずっと簡単だ。水が
PowerPukkのカートリッジと接触すると、カートリッジは水素をつくり、これが電気となる。それから? 
簡単だ。USBケーブルを充電するデヴァイスにつなげるだけだ。
 カートリッジの秘密の構成要素は、ナトリウムシリサイドだ。水と接触すると
水素をつくり出す。言ってみれば、子ども用化学実験キットを携帯電話用にしたようなも
のだ。
 ともかく、道筋は記されている。すぐに(レフェンフェルドによれば18~20カ
月で)機器の内部に直接組み込める燃料電池もできるだろう。あなたのノートパソコン
が、 現行のウルトラブックよりも10倍長く駆動していられるとしたら、と想像してみて
ほしい。
ミラノとニューヨークを往復できる時間だ。それだけあれば、SiGNaの本社に行
って、自動販売機で水のボトルを買えるだろう。もちろん、携帯電話を充電するためだ。
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20120907-00000302-wired-sci