質疑応答から秘密部分を除いて御紹介します。

凄い会社ですね。


司会:アームは知財ビジネス、インテルはものづくりが基盤。ぶつかるのか組むのか興味深い。イギリスのケンブリッジ発ということだが、こだわりとか頑なさはどうか。

西嶋:ミニクーパーやロールスロイスと同じでマニアック。どこまでプロセッサを小さくできるか、トランジスタ数を減らせるかという探求を続けた。

司会:他人との違いを尊重する?

西嶋:アメリカとは違うということを大事にする。

司会:プロセッサの低消費電力化はどうなるのか。

西嶋:インテルvsTSMCvsIBM+サムスンの三軸の争い。インテルが凌駕すれば、競争力は高まる。

司会:米の特許法改正の影響は?

西嶋:当社はパテント中心ではなく、コピーライト中心。ライセンスの中で、パテントも含む。したがって、直接影響はない。

質問:3点質問がある。①エンフォースメントはどうしているのか。②競争力の維持・強化はどうしているのか。技術ロードマップも使うのか。③創業以降の成長のファイナンスはどうしたのか。

西嶋:米・中で違法コピー製品が出ている。しかし、ユーザーとしてはバグが怖いので、当社製品との「完全互換」が必須となる。チップメーカーがセットメーカーに売る際には、口でこそ言わないが「アーム互換」ということを売り口上にしている。他社や新規参入者が手を出せない「エコシステム」になっている。今のところ、当社を脅かすライバルはいない。エンフォースでは、様々なノウハウがあるが、これは創業以来身につけてきたもの。

   技術ロードマップは作っている。NDAベースで潜在顧客や既存顧客に見せている。これを見せられると、アーム以外に乗り換える勇気のあるユーザーは出てこない。生産量が10万個、100万個では太刀打ちできない。他方で、ロイヤリティを高くできるかというと必ずしもそうではない。5億円を10億円にはできない。我々はユーザーが生きてこその商売である。ユーザーが生き残れないと、我々も生きられない。

   創業後はアップルと組んだ。次に、日本のPDAで育ててもらった。漸進的に成長した。ファンドやVCの資金は使っていない。堅実経営である。自分が参加した経緯は、昔から知っていた会社だった。TVやDRAMや自動車などで、日本は世界一になったが、ソフトの世界では無理と思われていた。特に、MPUはそう。技術者として世界一を目指したかった。あるとき、誘われたが、最初は踏ん切りがつかなかった。そのうちに、当社の凄さが理解できたので、入社した。