今頃気づいてもね・・・


2010/11/24 GMの「分解修理」は金融ゲームだった
(ウォール・ストリート・ジャーナル)
 米自動車最大手ゼネラル・モーターズ(GM)が前週、ニューヨーク証券取引所などに再
上場を果たした。昨年6月に連邦破産法11条の適用申請をして、経営破綻してから、わ
ずか1年半というスピード復帰だ。
 なぜ、こんなにも立て直しが速く進んだのかを物語る本が、再上場に合わせてタイミン
グよく出版された。自動車産業再生のためのオバマ大統領タスクフォース(対策委員会)
を率いていたスティーブ・ラトナー氏が書いた「Overhaul(オーバーホール)」だ。
 ラトナー氏は、モルガン・スタンレー、サーベラスなどでキャリアを築いてきたウォー
ル街の金融資本家。昨年2月から、20代後半-30代前半の約20人の「チーム・オート」
を率いて、GMとクライスラーの「分解修理」を行ったという回想記だ。
 書評を載せた「ニューヨーカー」誌によると、ラトナー氏は、自動車産業の立て直しに
ついて、はっきりこう語っている。 「この仕事は経営云々というものではない。これは、
リストラと、プライベートエクイティをしろという任務だ」。
 日本のメディアでは、GM経営破綻→再生→再上場で復帰、という企業経営と再生の図式
で報道されがちだが、「企業を立て直して、株式を公開させ、利益を得る」というラトナ
ー氏の解釈に、米メディアは呼応した。
 GM再上場の日、ニューヨーク・マンハッタンにあるシボレーとキャディラックのディー
ラーを訪ねた。入り口から奥まで、筆者がよじ上らないと乗車できないようなフルサイズ
SUVがそそり立っていた。この日、再上場を祝うアカーソンCEOがニューヨーク証券取引
所前に乗り付けたシボレー・カマロの新モデルも、マンハッタンの通りに出るとかなり大
型にみえるスポーツカーだ。
 再上場を果たしたことを「ウォール街」流に再建の完了とみるのではなく、「車が変わ
らないことには、再生したといえない」と痛感する。再上場までに使ったエネルギーを今
度は、製品に振り向けるときだろう。
 これに失敗すれば、また旧GMと同じ道を歩むことになる。そのときに、リストラとプ
ライベートエクイティという大きな「賭け」で、周辺産業も合わせて100万人以上という
雇用を守ったオバマ政権とラトナー氏が再登場するとはいえない。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20101124-00000011-wsj-bus_all