ちゅーDOE長官は、11月24日、09年米国再生・再投資法(景気対策法ARRA)に基づくスマートグリッド計画の一環として、スマートグリッド及びエネルギー貯蔵実証プロジェクト32件を発表。プロジェクト総額は16億ドルで、DOEが6.2億ドル補助し、民間が残りの10億ドルを負担する。
採択プロジェクトは、先進スマートグリッド技術や総合システムを実証するもので、メリットや費用対効果に関する貴重なデータを提供する。
今回の補助は、①スマートグリッド地域実証、②エネルギー貯蔵実証の2分野のリスト
が発表されている。①の16件への補助総額は約4億3,500万ドルで、1件あたり72万ドルから8,882万ドル。②の16件への補助総額は約1億8,500万ドルで、1件あたり176万ドルから2,956万ドルと、助成割合は7%から50%までと大きな幅がある。
両分野の補助金トップ3は下記の通り:
① スマートグリッド地域実証
A) バッテル・メモリアル研究所太平洋北西支部(ワシントン州)… ワシントン・オレゴン・モンタナ・アイダホ・ワイオミングの5州で6万軒のユーザーを対象に、双方向の情報伝達装置の設置、関連装置等の規格の相互運用性やサイバー・セキュリティの向上など新たなスマートグリッド技術の実証、費用対効果を定量化する「太平洋北西部スマート・グリッド実証プロジェクト」に8,820万ドルを給付。
· コロンバス・サザン・パワー社(オハイオ州) …オハイオ州の約半分で、11万軒のユーザーを対象に、スマート・メーター、蓄電装置、再生可能エネルギー利用発電などを設置したり、プラグイン・ハイブシッド車の配電網への接続など13の異なる技術を導入する安全で相互運用可能な総合スマートグリッドインフラを実証する「AEPオハイオ・グリッドスマート実証プロジェクト」に7,516万ドルを給付。
· ロサンゼルス市庁水資源・電力局(LADWP) … ロサンゼルス市で、パートナーとなる地元研究機関にスマートグリッドシステムを配備し、消費者のエネルギー使用データ収集や次世代サイバーセキュリティ技術のテスト及びプラグインハイブリッド車の送電系統への統合等を調査するプロジェクトに6,028万ドルを給付。
② エネルギー貯蔵実証
· ニューヨーク州電力・ガス会社(New York State Electric & Gas) … ニューヨーク州Watkins Glenで既存の岩塩空洞を使用し、150MW級の圧縮空気エネルギー貯蔵(CAES)発電所を実証する「エネルギー・イースト先進的CAES(圧縮空気エネルギー貯蔵)実証プラント」に2,956万ドルを給付。CAESは太陽光発電や風力発電などの電力を利用し、地下空間内で空気を圧縮し、必要な時にその圧縮空気を用いてタービンを回すエネルギー貯蔵システムである。これにより、天候などに左右される不安定な発電エネルギーを安定した電源として利用できる。
· PG&E社 … カリフォルニア州Bakersfield近郊にある塩性多孔岩層(saline porous rock formation)を使用し、300MW級の先進圧縮空気エネルギー貯蔵(CAES)地下発電所を建設し、設計、性能及び信頼性を実証するプロジェクトに2,500万ドルを給付。
· 南カリフォルニア・エジソン社 … カリフォルニア州テハチャピで、送電系統への風力発電の統合を促し、送電系統パフォーマンスを向上させるために、8MWのリチウム電池を配備し、評価するプロジェクトに2,498万ドルを給付。
そのほか、フライホイール蓄電池(電力を回転円板の回転運動にして蓄電する装置)やフロー電池(イオンの酸化還元反応を循環ポンプを用いて促進し、充電や放電を行う装置)など多様なエネルギー貯蔵技術が対象となっている。
※今回の採択プロジェクトの一覧は次の通り。
http://www.energy.gov/news2009/documents2009/SG_Demo_Project_List_11.24.09.pdf