昨日まで、お台場で科学技術コミュニケーションのための

イベントサイエンスアゴラが開かれていましたが、そのメイ

ンイベントのひとつを傍聴してきました。


http://scienceagora.org/scienceagora/agora2009/cstpsympo.html


●総合科学技術会議主催シンポジウム

「わたしたちの未来を拓くサイエンス」




 

・餌取(科学ジャーナリスト:基調講演) 人類は科学技術で発展してきた。ジャーナリストとして、高名な科学者たち直接話を聞いた。40年代・50年代は科学発展の時代だった。46年コンピュータ、48年トランジスタ、51年原子力発電、53年DNA、58年宇宙開発。60年代には、重厚長大・大量生産・大量消費=消費は美徳で、科学は未来を拓く魔法の扉とされた。70年代、公害とエネルギーショック。90年代には、環境問題の顕在化。IPCCの設立。

第3期基本計画。3つの理念と大目標。成果は、資料にまとめたが、代表的なものだけ紹介する。iPS・脳科学、地球と宇宙の探査観測、XFEL・放射光、蓄電・リサイクル、動脈硬化・がん治療、感染症・自然災害。個々の開発でも面白いものがある。一般の方に分かりやすいようにネーミングも工夫した。鉄が名乗りを上げた、エネルギーは空から。月の起源と進化に迫る。音を追い越す静かな飛行機、ゲリラ豪雨をいち早く。国の研究開発の3%を広報に充てる方針は正しい。昔は1%以下だっただろう。しかし、使い方には制限もある。人財を育てているかどうか。科学との深い連携も課題。

    日本人の科学観について。技術は神か悪魔かという質問をすると、欧米は2:1、日本は1:1。日本では懐疑的。技術は、国家や大企業など作る側の論理。頻繁なモデルチェンジを押しつける。互換性を失っていった。例えば、携帯電話の電池。分かりにくいのが高級な技術とされてしまっている。スパゲッティ技術。携帯電話の価格の不自然さ。100円はおかしい。技術者、利用者の双方に問題がある。昔なら壊れても徹底して直して使ったが、今では、壊れたら捨てる。新しい技術観を醸成することが大事。日本が世界から尊敬されるには、科学技術しかない。(政治×、軍事×、経済?)技術立国、科学立国を目指す。


相澤 第3期基本計画では、一般国民に科学技術が受け入れられるかが重要なポイントだった。地球・くらし・いのちという三つのキーワードで議論したい。

北澤(JST) 基礎研究のうち大学を支援している。JSTは課題解決型なので、ミッションは時代とともに変わる。第一に、低炭素への努力を30年、50年やっていく。加速するのが使命だ。基礎研究面で振興する。エネルギーをもちかえる昆虫、光合成メカニズムなど。一つでもブレークスルーを出せたらよい。第二に、日本の多様な国際貢献を科学技術で行う。2年前から科学技術外交が始まり、日本の顔が見えてきたという意見を欧州で聞いた。EUとの共同研究も始めた。第三に、地域の科学技術振興。八ヶ岳型で人を集める。第四に、サイエンスコミュニーケーション。トップと草の根。天才発掘と家庭レベルでの普及が大切。

辻(朝日新聞) 科学者の社会的責任について述べたい。社会に発信、発言、提言する責任がある。内外で変革の時代だが、科学技術が鍵を握る。地球規模では低炭素社会。国内では、日本の社会システムの変革の時期にある。アカデミアとして提言していく必要がある。政治主導で官僚の言うことは聞かないということなので、アカデミアから発信、発言することが必要になる。金澤CSTP議員は「期待しない方が間違っている」と書いておられた。科学技術コミュニティの提言力が問われている。Policy for Science, Science for Policy. 学術会議とCSTPが両輪になるべき。

大和(女子医大) 異分野連携は必須。製薬企業の日本トップは世界17位、医療機器も10位前後。再生医療は新しいので期待がかかる。対症療法ではなく、根本から根治を目指すのが再生医療。医療は、年10%の成長産業。角膜、心筋症、粘膜再生、いずれも実用化までに10年かかっている。TWInsでは二大学が一緒に研究している。

中村(日立) 小平浪平・日立創業者「制作機械は自分で創る」と言っていた。日本は先端ものづくり国家でなければならない。科学技術はイノベーションにつながるだろうか。新しい国富の源泉として、オールジャパンの垂直統合モデルが必要。ガラパゴス化しないように留意も要る。人財育成では、教育の複線化、知財・標準化人財の育成などが必要。

奥村 人にかかっている。GDPも生活にかかわる。世論調査では、科学技術への期待は高い。体系化された知を若手に継承しなければならない。(基礎知識・素養)×(専門性)のバランスが重要であり、この二つが、トレードオフにならないようにする。変化への対応力も重要。

白石 餌取氏の指摘は正しい。中国は世界第二の経済大国となる。政権交代は、ちょうど節目。科学技術は鍵を握る。オランダミッションから、「日本はイノベーティブなのに経済成長はダメなのか」と言われた。やはりイノベーションが重要。3点指摘したい。第一に、人財育成。日本の大学、国の独法を世界に開かれたものにする。外国人はそれぞれ3%、6%しかいない。オープンにできるはず。世界トップの人を持ってくるのは課題。第二に、医工融合の話もあったが、アメリカのトップクラスのビジネススクールでは、工学・医学の経験者が入ってきている。文理融合を、ポイントを絞って行う。第三、東アジアとの連携。

北澤 中村氏のイノベーションにつながらないとの指摘だが、JSTでは成果が出てきている。むしろ、海外企業が興味を示す。何故、日本企業が、国内で興味を示さないのか。

中村 よく聞かれる質問。70年代、80年代の成功体験がマイナスになっているのではないか。若かった頃は、海外に出かけて勉強した。奢りがある点は反省すべき。大学・独法も、もう半歩産業側に近づいて欲しい。海外との協力は進めて欲しい。レベルアップにつながるだろう。

相澤 サイエンスへの期待が寄せられている。第3期では、成果が出ている。これから、「地球・くらし・いのち」に関して、科学が果たすべきことに期待が大きい。まず、会場から期待を挙げて欲しい。不十分な点も出してもらってよい。

男性(SE) 日本の大会社、官庁のトップは文系出身者なのか。理系が社長になるケースは稀ではないか。

中村 日本でも総理・副総理が理系となった。期待したい。日立は歴代工学部出身の社長。理系でも、世の中の仕組み、歴史観を広げる努力が必要。教育も大事だ。

相澤 分野融合、分野を超えた教育。理系人財も広い視野で進んでいかなければならない。

白石 私は理系で入学した。その後、国際政治を志した。米大学では入学時に理系・文系の区別がない。入ってから自分のキャリアパスを考え、組み立てていく。大学の組織を考える時代に来ている。

池田(無職) 食糧問題が出てこなかったが、科学やイノベーションとは関係ないのか。

奥村 農業は重要テーマ。一次産業の問題は、生産者が値決めできないこと。生産者に利益が落ちる構造が重要。遺伝子組換のコンセンサスも重要。

森(三菱化工機) 付加価値を高める環境をどう作るのか。飛行機などでは、欧米で100人乗りが進んでいる。

北澤 プライオリティが重要。JSTの経験では、得意分野は伸びる。不得意分野では投資効果は低い。勝てるならやる。農業も同じ。

吉祥(研究技術学会?) 基本計画には女性研究者は入っているが、女性技術者がない。是非、基本計画に入れて欲しい。

辻  大賛成。第3期で女性研究者の登用について書かれているが、必ずしも進んでいない。女性研究者の育成がミッションであるということが認識されていない。高位のポジションでは、差別・壁がある。意識改革が必要。

黒田(大日本印刷) 計測現場のパワーアップの観点から発言したい。科学と技術の関係。日本は、技術の感性が強い。ものづくり感性がある。柿右衛門は、17世紀に、ナノパーティクルを整えて、綺麗な朱を出した。日本の財産を活かすために科学を使うという視点がないのではないか。

中村 貴重な点。科学・技術は二者択一ではない。相互にスパイラル的に向上する。日本は技術、技能でいくべき。

奥村 日本は両方強い珍しい国。ただし、学術成果と産業技術は、単純には結びつかない。工夫が必要。

男性(超電導関係) 工学博士が日本、哲学博士・科学博士は欧米。私は、8年間、MITで教えた。誰が素材からエンジニアリングに持っていくのか。誰が投資するのか。超電導では、材料ないから研究できない、重要がないから投資できない、という「鶏と卵」状態になっている。

北澤 世界の人に聞くと、最大の金持ち国は日本。黒字を貯めたのも日本。しかし、日本人には悲観論が強い。日本の技術でもサムスンが買いにくる。日本は、貿易で儲けるのか、貸金で儲けるのか。新しい時代になり、日本の科学技術行政、輸出入行政のあり方が問われる。日本企業は新しい技術を求めず、むしろ古い技術で海外と思っているのではないか。

オダ(NEC) 悲観論。基礎で成果を求められる。サイエンスは、成果がでない。成果にこだわりすぎると、何もでてこないのではないか。

北澤 運営費交付金は毎年1%削られる。研究費を10%減らしているところもある。地域の大学の疲弊が起きている。競争的研究資金を10年増やしてきた。CSTPでは、競争資金の方が、成果があがると考えてきた。陳情ではなく、競争的資金でということで増えてきている。しかし、競争的資金は、アメリカの1/10。日本の研究開発費は、民間が多く、公的資金は少ない。基礎的なものは、公費で育成されていた。200万円~300万円。次が科研費で、更に戦略創造事業。必ずしも成果ということを強く言っているつもりはないが、研究者の側で勝手に思い込んでいるのではないか。戦略創造は5年間。iPSでも5年目に成果が出た。

相澤 基礎研究には2種類ある。期間・目標が自由なものと、設定されているもの。期間は設けた方がいいだろうが、弊害もある。次のステップに継続できるかということと、若手が大きなチャレンジをしなくなっているのではないかということ。形式評価に走っている。このため、大挑戦研究枠も設けている。制度設計に苦労している。

田中(弁護士) 第一に、鳩山国連演説に対するCSTP議員の評価を聞きたい。産業界は反対した。経産省が実行なのかもしれないが、CSTPでは、どんな議論が行われているのか。実現できると思っているのか。第二に、大和教授が問題と思っている点はどこか。私は遠隔医療にかかわっている。

相澤 京都STSフォーラムで菅副総理が出席し、挨拶された。25%には二つの前提がある。先進諸国が関与することと途上国支援。総合的に25%削減する。CSTPとして如何にチャレンジするか。来年度に向けて、グリーン・イノベーションを方向付けた。各省から政策が出てくる。また、緩和策・適応策のロードマップはほぼできている。

大和 世界の製薬業界再編のときに日本企業は入れてもらえなかった。遠隔医療は島国では大事だが、ドイツなど海外は、中核病院は高度医療に専念するように医療システムが全体としてよく設計されている。日本では中病院が乱立して、風邪からガンまで見るので、大忙しになっている。全体設計が重要だろう。

遠藤(属性不明) 税制の問題が議論されていない。インフラが今の税制では育まれない。

男性(属性不明) もの、システム、サービスでは、事業規模は1:10:100。システムを中心に持ってきてほしい。

男性(東芝) 大学の学生が関心、モチベーションを高めること。シラバス。こうしたものに取り組んで欲しい。

ハヤマ(チェルト?) 初中等教育では、やることを決めて、やらせる仕組みがいる。詰め込みではない教育。勉強の目的は何かを明らかにする教育が重要。

男性(非常勤講師・コンサル) 勝てる、世界貢献、国民意識を喚起してほしい。

尾崎(早大) イノベーション特区を創ってほしい。 

相澤 ご意見は、第4期に反映していきたい。



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