本場アメリカのスマートグリッドはリアルタイム料金
に連動する本格的なものです。日本の形だけのスマー
トグリッドとは根本が違います。送配電の技術屋だけ
でなく、企画や業務も入らないとやばいかもしれませ
ん。
メリーランド州ガス・電気供給事業者によるスマートグリッド・プログラム
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メリーランド州のガス及び電気供給事業者であるボルチモア・ガス&電気公
社(Baltimore Gas and Electric Company; BGE)の上級副社長マーク・ケー
ス氏に同社が進めているスマートグリッド・プログラムの内容などについて
話を聞いた。
- BGEは、メリーランド州の公益事業委員会に対し、4年間で5億ドルの予
算規模のスマートグリッド・プログラムの申請をしている。このプログラムは
二つの要素からなっている。一つは、デジタル・コミュニケーション・ネット
ワークを通じて使用する200万台の最新スマート・メータを設置するものであ
り、もう一つの要素は、ピーク時にエネルギー消費を抑えた需要家に対して金
銭的なメリットが出るようなスマート・エネルギー価格システムを導入するも
のである。以前、スマートグリッドに関する小規模なパイロット・プロジェク
トを無作為に抽出した1,000名の需要家を対象に実施した経験があり、その際、
4ヶ月間で平均22~37%のエネルギーの削減と平均100ドル以上のメリットを需
要家が得た。
- スマートグリッド・プロジェクトの最大の利点は、各需要家がBGE管内
のエネルギー消費のピーク時を認識し、ピーク時でのエネルギー使用を控える
ような料金体系を導入することによって、需要家は金銭的なメリットを受け、
電力会社もピーク時対応を円滑に行えること、また、BGEは、漏電、停電など
の情報が瞬時に把握できるなど、グリッドの信頼性が高まることが挙げられる。
さらに、当然、環境にも良い。需要家は自らのエネルギー消費に伴うコストを
理解することによって、エネルギーの使用を抑制する。
- 今回の5億ドルのプロジェクトでは、需要家に対して26億ドル近いコス
ト削減が期待できる。需要量が下がることによって、BGEは系統運用機関(PJ
M Interconnection)から利益を得ることができる。今回のプロジェクトでは
ジグビー(ZIGBEE)カードを使うが、これは家庭の中でスマートメータと各家
電機器とが無線でつながるものであり、スマートメータからの価格情報をキャ
ッチして価格が安いときに家電を作動させるようなことも可能となる。
- BGEの技術的課題は、200万個のスマートメータから得られるデータと系
統制御とをどう統合させていくか、将来的には、発電量が大きく振れる様々な
再生可能エネルギーを系統に連結させる際、どのように系統を安定的に運営さ
せるかということである。
- スマートグリッドの実施は米国全体の最重要課題であり、経済刺激策で
は40億ドルの予算が用意されている。BGE同様、全米のすべての公益事業社が
8月9日の締切までに経済刺激策の申請をしたと言われ、エネルギー省(DOE)
は10月9日に結果を発表すると言っている。スマートグリッドの開発は大変活
発になっており、研究開発、標準、セキュリティー、互換性など様々な議論や
活動がなされている。