産経新聞がしっかりとした記事を書いてくれています。

来週は、世界経済のトップがスイスに集結するWEFダヴォス

会合が始まります。最近では、日本の政治家も「行くだけ」

パフォーマンスが増えてきました。

そんな世界のトップが群がるダヴォスにちなんで、燃料電池

開発のメッカならぬダヴォスになって欲しい山梨ハイパーFC

プロジェクトが本格始動です。


富士山を眺める湯村温泉で世界のエキスパートが集まり、

フランクな議論から地球を救う新たなイノベーションが創造

されることを願っています。


http://sankei.jp.msn.com/region/chubu/yamanashi/090117/ymn0901170238000-n1.htm

「燃料電池研究」が本格スタート 山梨大

2009.1.17 02:36

 水素と酸素を反応させる新エネルギー「燃料電池」の関連プロジェクトが、山梨大学(甲府市)でスタートした。7年間で事業費総額約70億円に上るプロジェクトは、8月に山梨県が無償提供した敷地に施設が完成し、本格的な研究が始まる。燃料電池自動車は現在、1台約1億円と高価なため、普及にはコスト削減が不可欠だ。プロジェクトの成果に国も注目する一方、経済の落ち込みに悩む県も“次世代自動車の開発拠点”を目指して走り始めた。(花岡文也)

 「国全体で新エネルギーを推進している中で、山梨大が取り組む材料研究は燃料電池の“キーテクノロジー”だ」

 経済産業省燃料電池推進室がそんな熱いまなざしを注ぐのは、同大が独立行政法人「新エネルギー・産業技術総合開発機構」(NEDO)から委託された「大型燃料電池関連プロジェクト」についてである。

 燃料電池は排出するのは水のみという“究極のクリーンエネルギー”。地球温暖化問題が指摘される中、同省も平成14年度から、燃料電池自動車に関する実証実験に取り組んできた。

 同省によると、国内にある燃料電池自動車は国内外メーカーを合わせ43台、バスが5台(平成19年度末時点)。水素を供給する水素ステーションも12カ所設けられ、同省は「国家プロジェクトの取り組み」としている。

 ただ、燃料電池自動車は「リースで月に1台80~100万円、購入なら約1億円」と同省。燃料電池の心臓部とされる電解質膜や、希少金属の白金を使う触媒などの耐久性を飛躍的に向上させ、価格を大幅に抑制しない限り、ガソリン車に代わって普及させるのは難しい。

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 NEDOは昨年3月、約30年前から燃料電池研究に取り組み、「基礎研究で世界最先端」と自負する山梨大を委託先に決めた。プロジェクトのリーダーには、同大の渡辺政広教授(65)が就任。燃料電池の世界的な権威だが、それでも「実用化に向けては材料のコストを10分の1にする必要がある」と指摘。国内大手企業や国外から約40人の研究者を招き、基礎研究に立ち返って研究にあたる方針だ。

 これに全面協力を申し出たのが山梨県。活用策を検討していた旧知事公舎などを無償提供し、部長公舎の9棟中7棟を取り壊し実験施設用地にあてるほか、知事公舎と残りの部長公舎は研究者の研究・分析スペースとして改修を始めた。

 4月以降に、県内産業界に県外大手自動車メーカーなども加わった会議の場を設ける予定で、「燃料電池産業の集積や普及に向け、社会基盤の整備などについて議論してもらう」(横内正明山梨県知事)としている。

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 山梨県のこうした必死な姿勢には理由がある。昨年11月の有効求人倍率は過去最低の0・70倍(全国平均0・76倍)などと経済環境が厳しい状況にあり、「県内産業の底上げが不可欠」(県担当者)なのだ。

 県機械電子工業会の風間善樹会長は「県内企業に装置開発などを発注してもらうよう山梨大に呼びかけを始めた」と打ち明けつつ、「将来的に、山梨県が燃料電池自動車の日本の拠点になれば」と期待を抱く。

 県内では、約10年後に海に面する静岡県と一直線につながる「中部横断自動車道」、平成37(2025)年には首都圏に15分、中京圏に30分で到着する「リニア中央新幹線」も開通するなど、将来的な交通インフラの整備が進む。燃料電池自動車プロジェクトを合わせ、「長期を見通すと山梨には明るい材料がたくさんある」(横内知事)のだ。

 この燃料電池自動車について、山梨大の渡辺教授は「プロジェクトの終了後も研究が続けられ、2020(平成32)年に本格的な普及開始、2030(同42)~2040(同52)年にはガソリン車を含む自動車全体の20%を占めるようになれば」と将来像を描く。

 東京に隣接しながらあまり目立たない山梨県で始まった、将来の自動車の姿を変える燃料電池プロジェクト。「研究成果に期待しつつ、成果を他県に持っていかれないように県内基盤を作らないと」(県担当者)との不安もある中で、国にとっても県にとっても重要な研究が始まる。