http://www.toyokeizai.net/business/industrial/detail/AC/de5d430338893a51f7d55f829f636ee3/
産業・業界産業・業界一覧へ![]()
太陽電池バブル崩壊、日本勢に復権の好機か - 08/12/12 | 12:30
太陽電池産業でいま異変が起きている。
「台湾や中国では、太陽電池市場への新規参入の中止が多発している」
そう語るのは、日本の太陽電池製造装置メーカー役員。「半導体や液晶関連が不振なだけに、台湾や中国の企業は一斉に太陽電池へ参入するはずだったが……」と続ける。
参入意欲が減退
台湾では、半導体産業が深刻な不況に直面している。DRAM価格は11月からわずか1カ月間で半分に下落。需要回復を見込み、各社が増設した液晶パネルも計画の半分程度しか売れていない。「いま台湾企業には資金がない。金融機関も危機的状況のため、資金調達もできない」(台湾首位のDRAMメーカー、力晶半導体の黄崇仁会長)。深刻な資金不足が、台湾では成長期待のある太陽電池市場への参入意欲を冷え込ませている。
一方の中国では、太陽電池の材料産業が危機に瀕している。中国は太陽電池の原料である珪石の産地。近年は金属シリコン、多結晶シリコンといった材料企業が急増している。主要材料である多結晶シリコンでは、稼働済みを含め40もの新規生産計画がある。
だが、多結晶シリコンのスポット価格は11月に半分に急落した。そもそも秋冬は、太陽電池材料の不需要期。さらに太陽電池の一大市場であるスペインで、政府が太陽光発電の高値買い取り(フィード・イン・タリフ)制度を改定したことも影響した。同国は、9月29日以降の設置・稼働分の電力会社の買い取り価格を従来比25~30%引き下げ、太陽電池需要に先行き不安を抱かせた。
中国では供給過剰の懸念も高まっている。SEMI(国際半導体製造装置材料協会)は、早ければ2009年に、遅くとも10年には供給過剰になると予測。SEMIチャイナのリリー・フェン氏も「回復の見通しは立たない」と嘆く。「大手はともかく、中小の多結晶シリコン企業は厳しい状況となる」(同氏)。太陽電池需要の先行き不安に加え、材料メーカー淘汰による安定調達への懸念……。セルメーカーにとって二つの不透明感が重なり、中国でも太陽電池への新規参入中止が相次いでいる。
こうした台湾や中国の“ソーラー・バブル崩壊”をよそに、捲土重来を期すのが日の丸ソーラー勢だ。もともと太陽電池は日本のお家芸。海外の新興企業にシェアを奪われたが、「本当の勝負はこれから」(濱野稔重・シャープ副社長)。シャープは10年3月までに大阪・堺工場を、さらに10年中ごろにはイタリアの電力会社エネル等との合弁工場を稼働させる。台湾勢、中国勢の失速が、日本勢復権の好機となるか。
http://www.toyokeizai.net/business/strategy/detail/AC/d6ac073b08f0b69d96fc5f4782b98d10/
巨大新工場に逆風、揺れる液晶シャープ(1) - 08/11/17 | 12:30
10月中旬、米流通最大手ウォルマートの店頭で、シャープの32インチ液晶テレビが498ドルの激安価格で売られ始めた。同じ棚に並ぶソニーの液晶テレビは638ドル、薄型テレビ最大手の韓国サムスン電子のいちばん安い機種でも600ドル近くし、円換算で5万円を切るシャープの価格は中国メーカーや無名ブランドの商品と大差ない。「うちはあくまで利益重視。海外でも安売りで目先のシェアを追うようなまねはしない」。そう言い続けてきたはずのシャープに、何が起きたのか。
巨大工場の稼働を前に液晶テレビ市場が激変
その背景にあるのは、2009年度中の稼働を予定する新工場の存在だ。大阪府堺市で建設中の同工場は、3800億円もの巨費を投じるテレビ用大型液晶パネルの最新鋭工場。世界初となる畳5枚分の巨大ガラス基板をラインに流し、一度に大量のパネルを切り出す。シャープが大型液晶パネルで韓国・台湾勢から主導権を奪い返す戦略工場だ。
当然、巨額投資には大きなリスクが伴う。新工場の生産能力は、大型の40インチ換算で年間1200万台分超。一方、シャープの07年度の液晶テレビ販売実績は825万台で、目先は既存の三重県・亀山工場の設備能力で間に合う。あんな巨大な新工場のキャパをどうやって埋めるのか――。昨年夏に建設計画が発表されると、周囲から不安の声も相次いだ。
すると今年2月、シャープは薄型テレビ世界2位のソニーを自陣に引き入れ、業界を驚かせた。両社は新工場を合弁会社(出資比率はシャープ66%、ソニー34%を予定)とし、出資比率に応じて双方がパネルを引き取ることで基本合意。「強いパートナーとタッグが組めた。これで新工場は短期間で操業度が上がり、圧倒的なコスト競争力が手に入る」。記者会見でシャープの片山幹雄社長は、報道陣に満面の笑顔を見せた。
しかし、ソニーとの電撃的な提携発表から8カ月が経過した今、状況は大きく変わりつつある。堺新工場で作るパネルの3分の1はソニーが買い取るとしても、シャープは残る3分の2、40インチ換算で年間800万台分ものパネルを新たに消化する必要がある。同社は他のテレビメーカーへの外販と自社の液晶テレビ販売拡大で吸収する計画だが、そのシナリオ実現が怪しくなってきたのだ。
前年同期比35%の営業減益となったシャープの9月中間決算。大幅減益の直接の引き金は携帯電話事業の不振だが、屋台骨を支える液晶関連事業にも「異変」が見て取れる。2ケタ成長が常識だった同社の液晶テレビ売上高は前年対比で1%減と、初めて前年割れに陥った。ソニーなどの世界有力メーカーが上期に販売台数を5割以上伸ばす中、シャープの台数伸び率は3割弱で、単価下落も目立った。また、9月末の在庫は3月末に比べて14%(金額で610億円)増え、増加分の7割以上を液晶テレビとパネルが占めている。