Feed-in Tariffs: Accelerating the Deployment of Renewable Energy (2007)


migeru

こういう本にも原発屋はかみついています。あの人達は自分勝手な論理を振りかざしますので、口あんぐりです。人を悪く言って蹴落とそうとするのはいい加減止めたらと思いますが、習性はとまらないのでしょうね。


1. 概要

再生可能エネルギー普及の障害要因は、化石燃料及び原子力への膨大な政府助成、競争に耐えられない電力会社の反対、大規模・集中電源を好む政府、再生可能エネルギーに関する行政経験の不足、法規・組織上の問題などがある。

再生可能エネルギーを低コストで普及させる最善の方法はフィード・イン・タリフ(FIT)である。電力会社から再生可能エネルギー生産者に支払われる法定料金を定め、再生可能エネルギーの投資家に十分な利益を提供する仕組みである。料金支払が保証される「固定期間」が設定される。

再生可能エネルギーは部分的な供給しか出来ないとの神話があるが、化石燃料と原子力が明日無くなったなら、再生可能エネルギーが急速に我々のエネルギー需要を満たすだろう。人類にとって、再生可能エネルギーと省エネが我々に残された唯一の長期オプションであることは明白。

2.ドイツの例

FITを歴史的に見れば、原型が導入されたのは米国の「1978年公共電力規制政策法(PURPA)」で、カリフォルニア州では固定料金による10年間買取保証が実施され、州税の一部免除もあって150KWの風力発電建設に寄与した。

本格導入が試みられたのはドイツで、2000年に「再生可能エネルギー法」(EEG)が成立した。2010年までに再生可能エネルギーを倍増するとしている。対象は水力、バイオマス、地熱、風力、太陽光で、その種類、規模、サイトごとに料金が定められ、固定価格、固定期間による買取が保証された。技術開発促進のため、買取価格の漸次低減も盛り込まれた。

電力グリッドへの接続費用は発電者が負担し、グリッドの拡張・改善費用は送配電業者が負担する。生産者にインセンティブを与えることが主眼で、2006年買取価格は、風力発電が8.4ユーロ・セント/kWh(13.4円@160/ユーロ)、太陽光発電が40.6-56.8ユーロ・セント/kWh(65.0-90.1)


ドイツ政府は、発電に占める再生可能エネルギーの割合を、2010年までに12.5%2020年までに20%2050年までに50%とする目標を立てている。このため、2020年までに850kmの送電グリッド新設と、400kmの改良が必要と試算されている。


FITの成果として、2006年の割合は11.8%に増大した。雇用は214,000人に達し、原子力と石炭を併せた数よりも大きい。2020年には50万人に達する。ドイツの平均3人家族の電力料金は52ユーロ/月であるが、このうち再生可能エネルギーによる上昇分は1.50ユーロに過ぎない。

3.欧州各国の導入状況

EU-25ヶ国はほとんどがフィード・イン・タリフ(FIT)制度を採り入れている。ドイツ、スペイン、デンマークで再生可能エネルギーの割合が増えており、他にも、中国、インド、韓国の一部や米国のカリフォルニア州、ワシントン州などを含めると、2006年末現在で41の国や地域でFITが採用されている。下記は代表的なEU諸国の電源別買取価格と買取期間。

EU代表国のFIT買取価格と買取期間(2006年現在)

国名 陸上風力     太陽光     地熱

ドイツ 13.4円(20年) 65.090.1円(20年) 

スペイン 11.0円(無期限) 36.870.4円(無期限) 11.0円(無期限)

デンマーク  11.5(20年)  12.8円(20年)    11.0円(20年)

オランダ 12.3(10年)  15.5円(10年)   

フランス  13.1円(15年) 48.088.0円(20年) 19.224円(15年)

イタリー   71.278.4(20年)

注)kWh当り、1ユーロ=160