近況報告です。
バレンシアでは、南に2時間ばかり下ったJumillia
という町のはずれの丘のてっぺんに23MWという
現時点で稼働中の世界最大級のメガソーラーパーク
があります。
広大な敷地を200区画にわけ、投資家に分譲して、
25年間をかけて投資回収をする(12年でブレー
クイーブンの予定)という仕組みはビジネスモデル
自体が秀逸です。
5万枚近いパネルは世界の5社から調達したとのこ
とですが、3社が中国企業です。日本のパネル企業
からの調達はゼロです。中国企業にした最大の理由
は、品質の差でもなんでもなく、短期間の工期の間
に確実にバレンシアまで納入できるという点です。
スペインのALTESAというパネルメーカーが全体統
括して品質と納入を保証するという役目を負ってい
るからこそできることです。
周辺機器(インバータや変圧器など)を含め、日本
企業の影は全くありません。訪問中にもSuntechと
いう今年シャープを生産量で追い抜くといわれてい
る中国企業の技術者が数人訪問して技術的な打ち合
わせをしていました。
PVSECの展示でもこのような投資意欲旺盛な新参
の中国企業に対してフルターンキー型の製造装置を
売り込むドイツや欧州の製造装置メーカーの展示が
目立ちました。もちろん、中国の企業には次世代の
PVの研究能力などありませんが、いまやPVパネル
市場は、急速にコモディティ化が進んでおり、
大規模な投資さえすれば研究能力の有無にかかわら
ず、そこそこの品質のパネルは誰でも作ることがで
きます。
平面ディスプレイテレビなどにも見られるように、
日本企業はその品質やわずかな効率の違いなどに血
道をあげて、熾烈な戦いを国内でしており、PVパネ
ルにおいても同様の傾向が見られます。ところが、
世界で最も伸びている市場のうちの一つである欧州
において最も伸びている(現時点で世界で規模トッ
プ10のメガソーラーパークのうちの半分以上がス
ペインにあります)スペインにおいては、少なくと
も日本企業がこだわる品質の違いは顧客にとってよ
り高い要望である納期を上回る魅力とはなっていま
せん。
スペインのパネルメーカーのAltesaはライバルであ
る中国企業からの調達を含めて、トータルなシステ
ム提供の技術的責任を負って儲けています。つまり、
パネルシステムのソリューションビジネスを志向し
パネル製造は下請的に中国を使ってバリューを取っ
ているわけでして、日本の企業にもそのような発想
でビジネスを展開しないと、将来はないものと思わ
れました。日本のS社内部にもそのような声は営業
サイドであるようですが、実際の行動には移せてい
ないようです。いつまでも内向きの独り相撲を取り、
ビジネスモデルでの発想の転換が遅れる日本のPV産
業、IT産業のいつか来た道になりはしないかと行く
末が案じられます。