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NEDOの燃料電池プロジェクトリーダー、渡辺政広さん /山梨

 ◇燃料電池の実用化を--NEDOの燃料電池プロジェクトリーダー山梨大教授・渡辺政広さん(64)

 燃料電池とは

 ◆水の電気分解の逆の反応を利用します。つまり、水を電気分解すると水素と酸素になりますが、燃料電池では水素と酸素を反応させて電気を作り出します。そのため、燃料電池は無公害で非常にクリーンなエネルギーということがいえます。燃料電池を使用する利点はクリーンな点のほか、燃やして発電するのではなく直接発電するので効率が良いことです。

 水は生命の源になっているので、私たちの体にも自然界にも存在します。水素といっても水を電気分解で作るのではなく、天然ガスや化石燃料、工業用の副生成物として水素を得て利用します。

 実用化に向けた課題は

 ◆最大の課題はコストです。普及させるにはさらに、耐久性や性能を高め、信頼性を高める必要があります。

 米国などでバイオディーゼルを使った車が登場しましたが、農作物向けの耕地をつぶしてバイオマスエネルギーに充てたため、食料が足りなくなるという問題が起きています。

 化石燃料が枯渇することは明らかですから、徐々にほかのものに変えていかなければならない。ただ、地球上のすべての食料を集めても、全人口にぎりぎり均等に供給できるかどうかという状況だけに、バイオマスの動きには疑問を感じます。

 課題を解決しなければ燃料電池の普及は難しいでしょうが、将来的には家電製品のほか、自動車の3分の1が使うように変えたいですね。

 今後の目標や抱負は

 ◆燃料電池について研究し始めて約30年経ちました。「研究テーマは10年ぐらいで変えるものだ」「いつまでも同じことをやっているのはバカだ」と言われたこともありました。しかし、常に新しい発見の連続だったので、ここまで研究を続けることができました。

 08年1月に新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の燃料電池プロジェクトのプロジェクトリーダーに選任されました。燃料電池をなんとか実用化したいとの思いで研究してきましたので、それに貢献できるチャンスをもらったことをうれしく思うとともに、責任の重さを実感しています。【聞き手・沢田勇】

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 ■人物略歴

 ◇わたなべ・まさひろ

 八代町(現笛吹市)出身。山梨大大学院修士課程修了。同大教授兼山梨大クリーンエネルギー研究センター長として、燃料電池に関する研究で国内外で高い評価を得ている。05年度には電気化学会賞や触媒学会賞を受賞し、07年には「水素経済のための国際パートナーシップ」で技術功績賞を受賞。