http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20080126-OYT1T00491.htm?from=main1


07年2月、東京都板橋区の東武東上線ときわ台駅で、線路内に入った女性を助けようとして殉職した警視庁板橋署常盤台交番の宮本邦彦警部(当時53歳)の勇気ある行為が、「伏(ふ)してぞ止(や)まん ぼく、宮本警部です」という題の絵本になった。  福岡市で偉人伝の語り聞かせなどをしている会社「寺子屋モデル」社長の山口秀範さん(59)が「今の日本人がお手本とすべき人物」と遺族らを訪ねて書き上げた。2月2日に都内で営まれる一周忌法要で霊前にささげる。  山口さんは元ゼネコン社員。長い海外勤務から戻った時、日本の子どもたちの元気のなさにショックを受けた。退職し、10年前から江戸時代の寺子屋をモデルにして、子どもや母親、企業人に偉人伝の語り聞かせ、古典の暗唱などをしている。  事故を知って「宮本さんこそ語り継ぐべき人」と直感。警視庁の協力も得て、遺族や警察学校の同期生らを東京、札幌に訪ねた。  宮本警部は札幌生まれ。運動は苦手だったが、大学卒業まで、新聞配達を続けた。警察官に必須の剣道資格は深夜まで猛げいこをして合格した。同期の多くが刑事や科学捜査官など花形の職務を目指す中、「僕の希望は駐在所勤務」と安全な地域づくりに使命感を持っていた。  落とし物を届けた子どもの母親に「しっかり褒めてやってください」と電話していたことなど、誠実な人柄を表すエピソードを交え、本人が語る形式で紹介する。  タイトルの「伏してぞ止まん」は、亡くなった父親が不器用な宮本少年を励ます時に繰り返した言葉だという。「精いっぱい努力し、前向きに倒れるまでやめるな」という教え。山口さんは「これこそ宮本家の家訓だと思い、使わせていただいた」と語る。  A4変型判、32ページ。全文読み仮名付き。1260円。問い合わせは高木書房(03・5850・5810)へ。