2007年エネルギー法の水資源条項、セルロース系燃料への移行を加速する可能性
ブッシュ大統領が署名し、先月成立したエネルギー法には、水質への影響を理由に特定燃料の使用を禁止又は制限できる権限を環境保護庁(EPA)に付与する条項が含まれている。
これは、燃料業界がトウモロコシ原料エタノールから、水資源への負担の少ないセルロース系エタノールやその他先進燃料へと移行することを加速する可能性がある。
同法成立前には、特定の燃料又は燃料添加剤の製造や販売を禁止又は制限することを検討する際には、EPAは大気清浄法に基づいて大気汚染への影響を考慮するに留まっていたが、新法によってEPAでは今後、燃料や燃料添加剤に関する規制策定に際して大気汚染の他に水質汚染も検討することになる。
この文言が含まれたのは、現在数州で使用禁止となっているガソリン添加剤MTBEが引き起こした水質汚染に関する過去の大論争が原因であるという。
今日のバイオ燃料業界では、トウモロコシ原料のエタノール生産を更に拡大し続けると、水の供給や汚染及び土壌の問題をもたらし、それが業界のサステイナビリティの妨げになり得るという認識が次第に深まっている。
専門家は、米国の再生可能燃料供給がいずれはトウモロシ原料のエタノールを離れ、水や肥料や農薬ニーズの少ないセルロース系エタノール等の先進代替燃料へと移行せざるを得なくなると指摘している。
2007年エネルギー法に盛り込まれた再生可能燃料使用基準(Renewable Fuel Standard)は、再生可能燃料総生産量を2006年の40億ガロンから2022年までに360億ガロンまで拡大し、この360億ガロンの内の210億ガロンを非トウモロコシ系の先進バイオ燃料で賄うことを義務付けることにより、この移行を奨励しようとしている。
バイオ燃料の分野はトウモロコシを離れ、新しい原料開発へと進んでいるが、エネルギー法のRFS条項は、こうした動きを認識してのことである。研究者等が有望な原料として実験している植物には、比較的乾燥した土壌に生育するインド原産の植物ジャトロファや、低温でも発育し、水や肥料がほとんどいらないカメリナ(亜麻に似た植物)などがある。(Inside EPA, January 11, 2008)