日曜は町内会のどんと焼きでした。
町内会理事なので、8:30から準備作業でした。
こんな年中行事でも色々と気付きがあったのは、不思議な感じです。
■工程カイゼン
「どんと焼き」はご存じだと思いますが、松飾りを燃やして廃棄物
を減量処分する「行事」です。巨大たき火で、餅を焼いて食べると
病気しないという「言い伝え」です。その餅を焼くための竹串を
1300本造るというのが作業内容です。
みんなで手分けしてやる(工程分業)訳ですが、作業間の調整が
できてないので、部分最適でボトルネックがあっても容易には
解消されません。先を尖らせる部分の作業が手間がかかるので
その前に未完成品の山ができてきます。小生のテーブルでは、
事前準備の方が人が多くて、尖らすのは小生だけ(苦笑)
そうはいっても、本数をこなすうちに段取りがよくなり、カイゼンを
していくことで、生産性(作業効率)が上がってきます。最初は、
右手で小刀を動かし削っていましたが、段々疲れるようになって
これは苦しいと思い出すと、右手は刃物を固定して、左手の竹
枝を動かして切ると作業効率が上がるということを「発見」した
りします。
トヨタシステムというよりも外国の自動車工場をイメージして
しまいます。何故かというと、前工程から流れてくるものには、
不良品も多いのです。最初は、こちらで処理して最終製品の
品質確保をしていましたが、前がみんな無責任工程なので、
こちらも呆れて、品質管理精度が落ちてしまいました。
ああ、NUMMIの工場は以前は、こんな感じだったのかもし
れないなぁと勝手に想像していました。
ところが、真向かいに新たにヘルプに入ってくれた人は、小刀で
はなくハサミでチョッキンするので作業の手間・工数が少なく、
生産性は10倍にもなります。実際に、小生が1つ造る間に彼は
10本こなしていました。見る見る、山は減ってきました。
最終製品の仕上がりはというと、ハサミでチョッキンですから、
バリもとってないし、尖り方も単線的で餅の刺さりにくい形状で
すが、そんなことはお構いなしです。
これなどは、インドの28万円カーです。品質が悪くても安ければ
いいみたいなことなのですが、結局のところ、最終ユーザーが
餅が焼ければ良いので、きっちり仕上げようが、チョッキンでも
同じなのかもしれません。
真面目な日本のものづくりが、摺り合わせで時間かけてじっくり
良い物を造る間に、取り敢えず新兵器(この場合はハサミですが
一般にはNCマシンなど)で、高生産性・低価格戦略でシェアを
奪ってしまうという構図そのものだとも言えます。
しかも、このにいちゃん、後工程(熱湯消毒)も無視して、完成品
に入れてしまって、流石にこれは咎められていましたが、これも
インチキ工場ではありがちな光景かもしれません。
最終製品では、子供が目を刺さないように先端は丸く削ってなと
という注意が出ていたのも、昨今のご時世を現しているのかもし
れません。文句言ってくる親がいるし、町内会の責任にされたら
たまらない、というリスク回避型行動とも言えます。
どんと焼きで目を刺す馬鹿は来るなと言えば済む話しですが、
そうでもないのでしょう。
■中国問題
去年までは、日本製の竹を使っていたのだそうですが、今回は
「中国産」で、一工程が増えました。
その前に、どんと焼きに相応しい竹の小枝が日本国内では調達
できなくなったというのにまず驚き。東京周辺の竹藪が切り拓か
れて住宅地になったので、竹の小枝が手に入らないということの
ようなのです。目に見えない環境破壊が進んでいるということで
しょうか?
で中国産になると何が起こるのかというと、熱湯消毒をするんだ
そうです。
理由は、何が入っているかどうか分からないから、だそうです。
特に農薬などです。竹に農薬というのは不思議ですが、真顔で
やっています。それに虫なども怖いと言います。
日本産の竹の小枝のときにはやりもしないのに、 中国産には
慎重になるのです。
これは中国にとって重要なポイントでしょう。日本の消費者の
市民感覚は、これだけ中国産に神経質です。世界の消費者も
最近そうなりました。
したがって、中国の農産物を世界に輸出するためには、世界の
消費者の信頼を確保することが重要でしょう。竹の小枝ですら
危ないと思われていては、他のものでは尚更です。
かつ、対日憎悪教育を続けていると、対日輸出品に何か細工を
してやれという不心得者がでてきかねないわけですし、日本の
消費者もそういうことに敏感ですから、消費回避行動をするよう
になります。アメリカも同様でしょう。これは潜在的に危険です。
憎悪を国民に募らせる教育は、長い目で見て、双方にとって
大きなリスクになります。それは、覇道であって、王道ではない
と言えるでしょう。
「熱湯消毒」というのも、好き勝手なことを言う保護者たちへの
言い訳として用意しているような側面もあります。餅に刺した
竹からばい菌が入って病気になったという苦情は、来るとは思って
いないけれども、ありうるので用意しようという自己矛盾。
では、昨年までは日本の竹のときには何もしなくて良かったの?
というのは率直な疑問でしょう。だいたい、参加者は中国製か
日本製かの区別もつかないでしょう。内部事情を知っている
人からのリークの伝搬を恐れているということでしょうか?
何とも不自然ですね。
しかし、熱湯消毒しなければいけないようなものをみんなで扱っ
ているのに、小生を含め作業者たちは、何の安全衛生対策も
なしです。まあ、ボランティアですからそんなものかもしれませ
んが、農薬や害虫やバクテリアが怖いなら、竹を切って、中の
綿をほじって、先端を尖らせる作業では、「熱湯消毒」すべき
竹材の粉塵を思う存分吸ってしまいます。
これって一体何なんだろう・・・と思ってしまいました。
■日本の古層
なぜ、町内会がどんと焼きをするのか?これは日本の土建屋
政治や公共工事とも相通じるものがあります。
正月に注連飾りを売って儲けるのは、土建屋系の人々です。
それを回収して、どんと焼きをするときに櫓を組んだり、テント
を出したりするのに作業が発生しますが、それは町内会費か
ら一部補填されます。そして、町内会幹部は、こうした土建屋
そのものであったり、その関係者だったりするのです。
どんと焼きに必要な、備品やちょっとしたお弁当も「顔の利く」
ところに発注されます。すべてが利権構造なのです。
小生の地域の町内会は、まだ、健全な感じですが、要は、
(土建屋や公共事業関係者である)自分たちに都合のよい
ように公的組織(町内会)を自由に操り、お手盛りができるとい
う構造です。
自治会財政は、年会費に加えて、自治体からの補助が来ます。
広報紙普及のお手伝やゴミ減量のお手伝いとかで、かれこれ
30~40%くらいの補助がでるでしょうか?
しかし、その使途は、結構無駄が多いですね。地方財政改革と
いうなら、こういう住民ボスを慰撫するための、バラマキ金など
はしっかり削減していかないといけないのではないでしょうか?
また無責任体制も入っていて、自治会は強制ではなく自主的
なものという建前もあって、フリーライダーも増えています。
そして、どんと焼きでの振舞酒は、顔役や近隣の自治体関係
施設からの提供品だったりします。そうか、最近、公設民営な
ので、これでも許されるのかと気付きますが、小学校などは、
民営ではなかったような・・・
そして、自治会からは、「手伝ってくれた」地元の組合関係者
と消防署に「御礼」の酒が逆提供されます。人情にはかなって
いますが、そもそも注連縄等で利益を上げ、減量処理で利益
の出る組合が「お手伝い」ということなのか疑問ですし、また
消防署がこのご時世で公務の見返りに酒の提供を受けてよい
のかというのも疑問点ですが、そんな野暮なことは口に出して
はいけないのでしょうねぇ。。。。
みんな仲間内で楽しんでるんですから、野暮は言いっこなしよ(苦笑)
これって日本の政治の縮図、あるいは根源のような気がしますね。
自治会という利権構造が変わらないと、日本の構造改革といっても
何も変わらないのかもしれません。こういう構造や意識が残っている
のに真面目に地方財政改革とか言っても始まらないような気がします
ねぇ・・・
■リサイクルとサーマル
燃やして良いの?という合い言葉がリサイクル愛好家にありま
すが、昔ながらの「行事」も、環境負荷の観点からは、よーく
考えないといけなくなってきたのかもしれません。
上質紙で注連縄を造って、松竹梅で門松を造って、一週間で
飾って捨ててしまう・・・だから松の内のお正月行事が済むと
どんと焼きで減量処理する・・・という訳です。
おいちょっと待てよ。。。3Rで考えたらどうなんでしょう。
そもそも無駄な飾り付けは省く(リデュース)
1週間で使い捨てにせずに、何年も飾り付けを使う(リユース)
貴重なバイオマス資源としてリサイクルに回す(リサイクル)
その次ぎに、サーマル、つまり燃料としての利用がくる訳です。
しかも今時だったら、少なくともゴミ発電で、熱電回収はして
欲しいところです。
お餅を焼いて、無病息災を願うという最低限の熱利用・熱回収
は行われている訳ですが、もっと高度な3Rができそうです。
せっかくのどんと焼きもあれこれ考えると、何かなぁという感じに
なって野暮ですねぇ。
長文、ご無礼しました。