「エネルギー自立・安全保障法」の概要
「エネルギー自立・安全保障法(Energy Independence and Security Act)」が2007年12月19日に成立。新法の主要条項は下記。
第1章 自動車燃費向上によるエネルギー安全保障
乗用車及び軽トラックの企業平均燃費(CAFE)基準を2020年までに35マイルまで引上げ、その後2030年までは達成可能な最大限の引上げを行う。運輸長官は。車両の属性に基づき、乗用車と非乗用車(non-passenger vehicle)に個別の平均燃費基準を規定。
運輸長官は、CAFE基準を上回る成果を挙げたメーカーが燃費クレジットを取得し、基準未達のメーカーに当該クレジットを売却することを認める燃費クレジット取引制度を創設。
次世代自動車の開発・生産を奨励するため、プラグイン・ハイブリッド自動車推進計画、次世代電池製造施設の建設債務保証計画、次世代自動車製造優遇措置を提供。
第2章 バイオ燃料増産によるエネルギー安全保障
再生可能燃料使用基準(Renewable Fuel Standard = RFS)を下記の通り定める。
(単位:億ガロン)
RFS RFSに占める先進バイオ燃料(うちセロールス系)
2006年 40.0 -
2007年 47.0 -
2008年 90.0 -
2009年 111.0 6.0(0.0)
2010年 129.5 9.5(1.0)
2011年 139.5 13.5(2.5)
2012年 152.0 20.0(5.0)
2013年 165.6 27.5(10.0)
2014年 181.5 37.5(17.5)
2015年 205.0 55.0(30.0)
2016年 222.5 72.5(42.5)
2017年 240.0 90.0(55.0)
2018年 260.0 110.0(70.0)
2019年 280.0 130.0(85.0)
2020年 300.0 150.0(105)
2021年 330.0 180.0(135)
2022年 360.0 210.0(160)
バイオ燃料生産の研究開発グラント、セルロース系エタノールとバイオ燃料研究グラント等に予算を認可。
第3章 電化製品及び照明器具の効率改善による省エネルギー
家庭用ボイラー、洗濯機、皿洗機、除湿器、電気モーターの効率基準を改定。
業務用の冷蔵・冷凍室向けの効率基準を設定。
エネルギー長官が、暖炉、エアコン及びヒートポンプ向けに地域別基準を設定することを許可。
2014年までに白熱電球を段階的に廃止。
一般調達局(General Services Administration = GSA)が新築し、改装し、又は調達する公共建物に、最大限可能な範囲でエネルギー効率の良い照明器具や電球を装備。
連邦取引委員会(FTC)は、パーソナルコンピュータ、モニター、テレビ、デジタル・ビデオ・レコーダー等のエネルギー消費に関するラベリングその他の情報開示の要件を規定。
第4章 ビルディング及び産業界における省エネルギー
住宅の耐候化支援制度(Weatherization Assistant Program)を再認可し、2008年度に7.5億ドル、2009年度に9億ドル、2010年度に10.5億ドル、2011年度に12億ドル、2012年度に14億ドルの予算を認可。
エネルギー長官は、①高性能グリーン商用建物部の新設;②Zeroエネルギー商業建物イニシアチブと呼ばれる新たな制度の創設等を行う管理職を新設し、指名。
国家省エネルギー政策法が定める連邦政府所有建物の省エネ目標を、2010年までに15%減、2015年までに30%減と変更。
連邦政府所有の新設及び新装建物における化石燃料利用電力の消費量を2010年までに55%、2030年までに100%削減する連邦政府省エネ効率基準を設定。
一般調達局長は、①高性能グリーン連邦建物部の新設;②連邦政府グリーン建物諮問委員会の創設;③連邦政府高性能グリーン建物基準の策定;④革新的グリーン建物技術や実証機会の確認等を行う管理職を新設し、指名。
産業界における廃熱利用発電を奨励する先導助成計画を新設。同助成制度に2008年度予算として1億ドル、2009年度から2012年度まで毎年2億ドルの配分を認可。