新しいラボを創ろうとすると様々な「制度的障害」にぶつかります。
・独立法人は建物は持てない。
・独立法人の建物に名前をペンキで書いてはいけない。
・研究交流のためのスペースは持ってはいけない。
しかし、この「いけない」という根拠は、どこにあるのかまったく不明
なのです。
三番目のものなどは、まったくイノベーションの理論と実践の本質
が分かっていない形式主義に起因します。
「研究交流のためのスペース」というと何かもっともらしいのですが、
サロンを置くということです。国内外の一流誌や注目論文、ラボの
成果などが置いてあって、ゆったりと腰掛けられるcogyなソファー
とコーヒーセットが置いてあるというサロンです。
これは、直接の研究開発の場ではないので設置は認められない
と会計検査院が言うであろうから、そういうリスクのあることは認め
られないということが起きます(一般論ですよ、あくまで)
しかし、これはまったくイノベーションの本質を理解していないの
です。
優れた研究者は、もちろん根を詰めた研究現場で新発見をする
こともありますが、そうではなくて、ちょっとリラックスして、異分野
の優れた研究者と「雑談」をする中で、偉大な新発見のヒントに
ぶちあたることがあるのです。
サンタフェ研のような自由な空間が尊重されるのも同趣旨になり
ます。
研究所においては、こうした「サロン」は、個室研究、たこつぼ研究
に陥りがちなイノベーションプロセスに横串を通し、また、日常的な
「刺激」を与える重要な「研究開発の場」そのものなのです。刺激
こそがイノベーションへの火花となります。
研究開発の効率を高めようとするなら、さろんこそ積極的に置かな
ければならないのです。
ちなみにRIETIには小さくとも重要なサロンがあります。1125室が
それです。そうした場での研究者の雑談が、あるいは一流誌から
の刺激、誇らしく飾られた同僚の成果物からの刺激、同じように飾
られた自分の成果物から得られる達成感と「次」へのモチベーション
・・・・・こうした複合体こそが、サロンの意義であり、そうした自由な
雰囲気を確保できるか否かが、研究の質を高められるか否かに直結
するのです。
研究開発を支援しようとする者であれば、こうした点に十分配慮を
しなければなりません。
戒めとして書き残させていただきます。
(個別事例ではかなり関係者のご奮闘がありますが・・・むしろ、
そうしたことが正々堂々と議論されて、多くの関係者が正しいもの
として共有することが重要でしょう。)