前掲のThe Economistの記事は、面白い論点を
あぶり出しています。
シリコンバレー型でイノベーションを起こすベンチ
ャーキャピタルと、従来型エネルギー大企業とで
はどちらが勝るかという論点を指摘し、流石に
保守派経済学の論者は、規模の経済に勝る大企
業(ここではGE)が勝利するだろうという結論を
性急に導いています。
はたしてそうでしょうか?
カルノーサイクルの制約がある熱機関では
一般的に「大きいことは良いことだ」が当てはまり
ます。ネットワーク建設投資は、重複すると、社会的
損失になる場合もあり(ケータイなんかは違います
ね:笑)、法規制で重複排除が行われます。
だから、従来は、エネルギーセクターでは、基本は
大きいことは良いことだ、でかつ、法律に守られた
縦割り型、安穏型経営で十分でした。
しかし、技術の変化がこうした状況を次第に変えて
きています。
経済学で、電力業界の規模の経済性が、発電分野
で否定され始めたのは80年代初頭のことです。
そう、コジェネ、つまり分散型電源が本格的に登場
し始めた頃です。
ここで、アーキテクチャの議論に戻ります。
分散型なら、モジュール型、ベンチャー型が強み
を発揮します。中央の統制に従わない自由な発想
が柔軟なイノベーションを創造します。だから、規模
の経済の制約から解き放たれた分野で、知識創造の
圧倒的スピード感によりベンチャー経済は等比級数的
に増殖しました。それが膨大なキャピタルゲインの
源泉でもありました。
しかし、
規模の経済が制約要因となって中央集権型なら、
統合型組織、寄らば大企業が主役の座を守り続け
ます。
一見すると、エネルギーベンチャーが発明した新技術
は、統合型エネルギー大企業の掌中で踊らなければ
ならず、いわば「虜」状態に置かれます。
しかし、それは自明ではありません。
統合型コンピュータが、次第にモジュラーに転化した
ように技術革新が、モジュラー有利、分散型有利に
する可能性は十分にあります。
エネルギー分野でベンチャーが強いか、既存大企業
が強いか、これからの戦いが楽しみではありますね
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