前の記事で、異業種交流が産業革命の基礎を創ったという

話をしましたが、異分野の知識の出会いが火花を散らして、

その激しいスパークで、融合し、まったく新しいものが創造

される・・・・それが「新結合」の本質ですが、現代において

は知識創造そのものの価値(バリュー)が極めて重要にな

っています。


堺屋太一の『知価革命』は、1985年時点で知識創造の

重要性を指摘していますが、中国の優駿、MITの周 牧之

客員教授が『中国経済論』で興味深い指摘をしています。


少し引用します(232p)

「情報社会における大都市の役割は薄まるどころか、強まる

 一方である。知識経済に突入した昨今は、産業と人口が

 地方へと拡散するどころか逆に東京一極集中が強まって

 いる。」

接触の経済性

「知識経済の根本は、人間という情報キャリアにある。情報

 キャリアである人間が情報交換や議論の中で知の生産と

 情報の判断を行うことが情報経済の本質である。その意味

 では効率的な情報交換と議論は情報経済の生産性の決め

 手となる。」

「工業経済では『規模の経済性』原理が働くのに対して、

 知識経済では『接触の経済性』原理が働く。知識経済の生

 産性において、接触の多様性、意外性、スピードは非常に

 重要である。情報の均一性を重んじる工業経済とは対照的

 に、知の生産においては同質の情報しか持たない人間同士

 の接触より、異質の情報キャリア間の接触のほうが重要

 なる。知識経済はまさに交流の経済である。」


と喝破しています。


(同質社会、同質で群れ均一情報を共有する)日本経済の行

き詰まり感の根本的原因を、鋭く指摘されたような感じですね。


でも日本には古くから、「呑みにケーション」を含む異業種交流

の活動があります。中小企業分野で5000とも10000とも言

われます。これは、知識創造(ナレッジ・クリエーション)、価値

創造(バリュー・クリエーション)こそが重要な現代においては、

日本の宝とも言えるでしょう。そういえば、シリコンバレーも異質

な人間が織りなす「生態系」(ハビタット)が知識創造&価値創造

の源泉であって、それが、インベストとキャピタルゲインという形

で具象化されているとも言えますね。


異業種交流、恐るべし(笑)


やはり、「3人寄れば文殊の知恵」という昔からの智慧は大事

な教えですね。確かに、まったく同質な3人だったらダメでしょ

うけど、異質な3人が集まれば色々できます。ジュールベルヌ

の『神秘の島』も異質な5人が更に新たな仲間を迎えて困難

を切り抜けていましたね。


☆ ☆

蛇足ですが、「もんじゅ」というと高速増殖炉という時代遅れの

新型原発を思い出します。ある関係者が言ってましたが、

フランス語で、「オー!マイ・ゴッド」に相当する言葉が、

「もんぢゅ」だそうで、そうならないようにしないと・・・とふと

呟いたのが記憶に残っています。



周 牧之
中国経済論―高度成長のメカニズムと課題

秀逸本ですよ。