宿題になっていました異業種交流についてご報告しましょう。


イノベーション理論の大家ヨーゼフ・シュンペーターは、

イノベーションでは「新結合」(neuen kombinationen)が重要だ

と説いていますが、異分野の異なる発想や技術を、当該分野

にうまく「融合」させると、まったく新しいイノベーションが生じる

というわけです。


で、日本でも心ある中小企業経営者の間で、異業種交流活動

が密かに盛んになっていました。1984年には第一回の技術

交流プラザが開催されていますが、その起源は74年に遡る

そうです。


ちょうどニクソンショックやオイルショックの直後ですが、中小企

業も厳しい局面に晒され始めます。護送船団型で、同業種組合

を作って、大型の近代化設備で合理化を図ろうとしたのが、日本

の中小企業基本法(63年)の骨子でしたが、この頃から既に

「他人と同じことをしていては生き残れない」という流れが出てき

ていたのです。で、経営革新を図るにはどうすればよいのか?


「遠くの同業種と近くの異業種」という言葉があります。「遠くの

親戚より・・・」とは、ちょっと違いますが、要は、自分の中小企業

の経営革新をしようとする際には、商圏が異なる遠くの同業種を

参考にするか、直接ライバルにはならない近くの異業種から

ヒントを得ようとする訳です。


で、74年の成功事例はというと、埼玉のお団子屋さんだそうで

す。


工程自動化をしたいのだけれども、お団子に串を刺す工程が

できない。で、あれこれ異業種の人に相談したら、元新潟鐵工

の方が、カンタンだよ。団子に串を刺すのではなく、串に団子

を刺せばいい! というコロンブスの卵的(笑)解決策を示して

開発が成功したのだそうです。で、この機械は、日本全国にか

なり売れたそうです。


実は、異業種交流の起源は古くて、世界的には、ジェームズ

ワットの複式蒸気機関の開発にまで遡れるそうです。

ロンドンのRoyal Societyの向こうをはったバーミンガムの

Lunar Societyには、異業種の有名人たちが多数参加してい

て、こうした仲間が、ブレークスルーに悩んでいたワットを

手助けしてくれたそうです。ボールトンの他に、ウエッジウッド、

ウイルキンソンなど良く耳にする名前が連なっています。

(ちなみにダーウィンのお爺さまもメンバーだったそうです。)


で、満月に近い月曜日に集まったメンバーによって、まさに

世界を変えるイノベーションである複式蒸気機関が産業革命

の中核となって近代化への大きな動力源となった訳ですね。

満月


☆ ★ ☆


日本の異業種交流でも色んな成果があります。

殺虫剤メーカーとビニールシートメーカーが手を組んで、

虫を寄せ付けない、特殊シートを開発して年商10億円の

商品を生んだり、あるいは、東京の無線機屋さんがタグホイ

ヤーと組んで、スキーの高速計時時計を開発したり(シェア

7割)、とか色々あります。最近のスイカ、パスモの技術にも

異業種交流の成果が生きています。


日本の異業種交流の四天王を上げろといわれると

中西幹育さん、坂本光司さん、芝 忠さん、竹内利明さん

でしょうか。独断と偏見ですが(笑)


長くなりましたが、日本の異業種交流活動の成果について

まとめたものがありますのでご紹介させていただきます。



新たな発展期を迎える異業種交流活動

「異業種交流グループの活動実態と今後の支援の方向性に関する調査研究」

http://www.ari.co.jp/igyousyu/index.htm