現地の新聞に出ていたようです。


2007/1/5 ナシオン14

(仮訳)

パタゴニアに水力発電所を作りたいと考えている

日本のプロジェクトで、水素生産を目的とするもの。

パタゴニアの広大な高原を吹く強風が、200台の風力タービン(発電能力600MW)を動かし、その電力でクリーン燃料である水素が製造される状況を想像ありたい。

日本政府から派遣された科学者・経営者グループは、こうした様子を頭に描いて、昨日から当国に滞在している。今回が3回目の訪問であり、エネルギー庁や州政府の関係者との会合を予定している。チュブット州南部とサンタ・クルス州北部の風景を変えることになるかもしれない計画の実現を目指している。それは、日本の技術と地元の風を結合して、巨大な風力発電所を作るというものである。

この協力関係によって、アルゼンチンは、中期的には、新たな輸出財を生産することになるかもしれない。それは水素である。

ミッションの団長を務めるオオタ・ケンイチロウ博士(化学)は、昨日、その構想について説明した。「日本の水素学会は1973年に設立された。恐らく世界で一番歴史のある水素学会ではないかと思われる。大学や産業界に属する会員が集まり、こうした技術を、日本国内を中心としつつも海外でも促進することを目指している。我々はパタゴニア地方の強風に関心をもっており、アルゼンチンと日本の充実した協力関係を構築したいと考えている。」

炭素クレジット

京都議定書により、日本は2008年以降、温室効果ガス排出を年間1.5億トン削減せねばならず、そのため、排出権取引を行わなければならない。現在、1トン20ドルの価格がついているので、30億ドルの投資が必要になることになる。オオタ氏は、基本的には、パタゴニアはこうしたビジネスの実施には理想的な場所だと考えている。

「日本は水素を基盤にした経済に移行しつつある。まだ、不明瞭な点が多く残っているが、日本政府としては2020年か2030年を見据えている。最終目標は2100年に置かれている。我々はインフラをどのように開発していくか議論しているところだ。不運にも日本には一次エネルギー源がなく、それが問題だ。だから我々はここに来ているのだ。アルゼンチン(南部)には非常に強い風が吹くので、ポテンシャルが大きいというのが我々の評価だ。将来的にはパタゴニアから水素を輸入したいと考えている。」

オオタ氏によると、水力発電所は最終的には「巨大な」ものになるであろうが、最初は小規模に始めるとのこと。「我々には風力技術も水素技術もあるので、近い将来にこの二つを統合させたいと考えている。パタゴニア全体を考慮に入れているが、ピコ・トゥルンカド地域が始点になるだろう。しかし、道路、港湾、連結を良くすることなど、インフラ整備が必要だ。」

トヨタ、ホンダ、日産といった日本企業は水素自動車を設計しており、日本としては、こうした乗用車の燃料〔としての水素〕を必要としている。現在、水素を供給するスタンドはすでに13軒あるが、まだ原料には化石燃料が使われている。専門家らは、これを風力などの再生可能エネルギー源に代替したいと考えている。オオタ氏一行は、排出権取引ビジネスを利用する考えならパタゴニアの計画は早急に始めなければならないが、現状ではまだ情報が足りないとしている。「風が強いということは分かっているが、(詳しい)データが必要だ。計測しなければならない。」とのこと。

また、運送の問題も未解決である。日本は遠く、水素はマイナス250度で貯蔵されなければならない。しかし、パイオニアである彼らは、それであきらめるわけではない。「専用の輸送船を設計する考えだ」とオオタ氏は述べた。彼にとっては20年や100年といった歳月は、大した問題ではない。