このレポートに書かれていない大事なことが二つあります。


一つは、初代会長 イ・ビョンチョルの「東京構想」です。

初代会長は、いつも正月になると東京に潜伏して、色んな

日本人と会って話を聞いたそうです。それで、次のトレンド

がどちらを向いているのかを測ったといいます。

ものまね大国の日本の首都は、「次がどちらか」には大変

敏感ですから、そこからヒントを得るのは重要な発想法で

しょう。


もう一つは、技術移転裏話です。


日本企業との提携で「女工」さんたちを送り込んだという

話しがさらっと書いてあります。


しかし、これが凄いんです。お金のかかる国 日本に女工

さんまで派遣して、ラインで研修させる訳ですが、もちろん

提携先は秘密を盗まれるのを恐れて、女工達には工場の

全容は教えません。その作業部分に必要な最低知識だけ

を教えます。


ですから、そのままでは、非常に分断された知識しか得ら

れません。


そこで、どうしたのかというと、派遣されていた女工サンた

ちは、勤務時間が終わって寮に戻って食事をしてから

夜中に集まって、「自分はこんなことを学んだ」「私は

こんなことをしている」ということを。それぞれ別の担当

部分について披露しあいます。それで、工場ラインの

全体像を、細切れのジグゾーパズルをつなぎ合わせるよ

うに浮かび上がらせてきたそうです。そうして得た、工場

管理の「暗黙知」は当然自国工場に反映されます。


サムスンは徹底して日本に学んだのですが、その努力

は並大抵のものではありませんでした。この女工さん

たちの努力も並大抵ではありません。しかし、脇の甘い

日本企業は、こうした努力に対してあまりに無邪気で

無防備だったと言えますが、それはまあ日本人の良い

特性なのかもしれません。(ただし、中国ではタダで

教える情報は価値がないから日本企業が教えるんだ

、もらって当たり前という感覚があるそうです。)








https://secure.gbrc.jp/kaiin_signon.asp?f=AMR4-10-3.pdf