昨日のシンポジウムはおもろかった。

日本を代表する人々が結構マジで語ってましたね。


燃料電池ワールド(PEM-DREAM)も翌日には速報を出してました。


詳しくは下記ご参照くだされ。


http://blog.mag2.com/m/log/0000065319


 13本の講演と8名のパネルディスカッションが、朝9時から夕方6時までびっし
り行われた。途中で帰る人はほとんどいなかった。面白かったからだろう。何しろ聞
いたことがない話題、失敗談が多かった。いつもなら「ここまで成果を上げました」
という話ばかりなのに、この日は「実は、まだ分かっていないのです」というような
話だったからだ。聞いている方々は皆、第1線の技術者なので、共感することが多い
らしくて場内は一体感があった。

・これは他社と違う考えですが・・・。
・我が社はこう考えている。
・背後にはいっぱい失敗した例があって、この例は・・・。
・十分な知見はまだ得られていないのが現状。
・従来あまり発表してこなかった知見を発表する。
・何が分かったか、分からなかったか。

 これらは皆、東芝燃料電池システム、三菱重工業、大阪ガス、豊田中央研究所、旭
化成ケミカルズ、同志社大学の方々から発せられた言葉だ。発表後の質疑も活発だっ
た。この日の話からすると、現状の燃料電池技術を使って、とにかく成果を出すもの
を作ってきたが、先の見通しは難しくて、ブレイクスルーをもたらすには基礎に戻っ
て問題点を一つ一つつぶしていくことが必要であり、それをデータを持ち寄って共通
の土俵で行おうということだった。家庭用の講演者からは、「自動車の講演(日産と
トヨタ)はデータが出てきていない」と注文する一幕もあった。

 稲葉稔氏(同志社大学)は、「家庭用コージェネへの応用を狙った単セル連続運転
試験では、2万時間までの運転は4つの重大な劣化現象が認められた」として、
 1.カソード触媒の反応面積の減少
 2.カソードの濡れ
 3.アノード触媒の耐CO被毒性の低下
 4.電解質膜劣化
を挙げた。他の講演もこれらの問題を中心に報告された。具体的な内容を書く力は私
には無いが、いずれも実験によって問題を把握して、その原因を考えるのだが、解決
を見いだしつつあるものもあれば、なぜそうなるのかが分からないことも多く、上記
の言葉の如く手探りの現状がオープンに話されたのである。

 私が一番びっくりしたのは技術の話ではなく、小久見善八氏(京都大学)が講演の
最後に掲げた画面だった。それは、左に人間の解剖図が、右に燃料電池システムの機
器が並べられて、例えば心臓と燃料電池スタックというように、人体の臓器と燃料電
池システムの各機器がそれぞれ結びつけられて説明されたものだった。そして、一番
感動したのは、確か柴田恒雄氏(松下電機産業)だったと思うが、「燃料電池は一度
入ったら抜けられない世界だ」と発言して、会場が大爆笑したことだ。

(注・この発言は光田さんでした。燃料電池のサムライ 柴田さんは↓です。)

柴田さん

 抜けられない人が増えているのは、PEM-DREAMの市民講座でも感じている
所だ。8月27日は、番場健司氏(グリーン・エナジー・アドベンチャー代表)の
『燃料電池ビークルによるアイスランド1周の旅』がテーマだった。ドイツ製の3輪
自転車に燃料電池を積んで改造し、アイスランドでナンバーを取って、島(=国)を
周回して、1577キロを走破した体験談を聞いた。ただ走っただけではなく、日本
とアイスランドの小学校同士のテレビ会議など、いろいろなことを試みている。
※番場氏のレポートは、http;//g-e-a.net