ディパーテッド
大好きな香港映画「インファナル・アフェア」をハリウッドがリメイク!
そう聞いた時、あれほど出来上がってしまっている作品を、
リメイクしようと考えるなんて余程の天才か、身のほど知らずなバカだ。。。
と思った。その張本人、マーティン・スコセッシは……やはり天才だった!
サントラ, ロジャー・ウォーターズ, ヴァン・モリソン, ザ・バンド, ビーチ・ボーイズ, ザ・ローリング・ストーンズ, ロイ・ブキャナン, ジ・オールマン・ブラザーズ・バンド, バッドフィンガーディパーテッド
主演はレオナルド・ディカプリオにマット・デイモン。
脇にジャック・ニコルソンにマーク・ウォールバーグ。
主演級の俳優がずらりと名を連ねる豪華キャストが魅力。
若手は名優ジャック・ニコルソンなどの影響で
自分が持つ以上の力が引き出されているのではないかと感じるほど
それぞれのキャラクターを見事に演じ切っている。
本年度アカデミー賞の作品賞ノミネートが頷ける
隙のない作品に仕上がった。
ボストンを舞台に描かれる「ディパーテッド(=死者)」は
マフィアに潜入する警察官と警察に潜入するマフィアの物語。
「インファナル・アフェア」の着想はそのままに
アイルランド系マフィアの歴史的背景を取り入れるなど
オリジナルの色も濃い。
ビリー・コスティガン(レオナルド・ディカプリオ)は犯罪一家に生まれた。
その生い立ちと決別するため、警察官を目指すが、
彼に命じられた任務は「ギャングの組織に潜入する」事だった。
一方、ボストン南部を牛耳るギャングのボス、コステロ(ジャック・ニコルソン)
に腹心の弟子として幼い頃より育てられたコリン・サリバン(マット・デイモン)は
コステロの「内通者」となるべく警察に潜入する。
同じ警察学校を優秀な成績で卒業した二人は、互いを知らぬまま
それぞれの道を歩き出す。
危険と隣り合わせでいつしか自分を見失っていくビリー。
署内でエリートの道を歩き始めるコリン。
運命はイタズラに彼らを引き寄せる。
ビリーは上司であるコステロから、コリンもまた上司から
「ねずみ(内通者)」を探し出せという使命を受ける。
それはまさに「自分」。身分を知られる事は「死」を意味する。
二人の男の運命をかけたスリリングな死闘が始まった……
とにかくオープニングからテンポが良く、見事に引き込まれる。
ジャック・ニコルソンの存在感には改めて感嘆し、
珍しく「嫌な刑事」役を演じるマーク・ウォールバーグはとても新鮮だ。
さすがスコセッシというべき、ギャング映画としての魅せ場も満載。
ただ、この作品のラストは、賛否両論だろう。
否と感じられる方はオリジナル作品「インファナル・アフェア」3部作を観れば
その意味が少しはわかるかも?
3部作をぎゅっと二時間に押し込めた事が「テンポがよく面白い点」でもあり
少し詰め込みすぎた事が「ラストでの説明不足」をもたらす弱点でもある。
しかし作品の出来は非常に高い。ぜひ観て欲しい!
★★★個人的に「インファナル・アフェア」比較(ネタバレかも?)★★★
ポニーキャニオンインファナル・アフェア トリロジーBOX
個人的に思ったことなので、違っていることもあるかもしれないが
あしからず??
・ディグナム(マーク・ウォールバーグ)の存在はどうよ?
この役はオリジナルでは登場しない役。ビリーが潜入警察官であるという事実を
知るたった二人の人物のうちの一人だ。
ラストにこのディグナムの存在が効いて来るわけだが、オリジナルでは
その事実を知っていたのはたった一人の警部だった。
この「たった一人」が重要で、その警部の死を目の前で見たヤン(トニー・レオン)の
あの表情だけの演技が素晴らしかっただけに、
今回クイーナン警部の死を見つめるビリーにそれほどの感情を抱けないのは私だけ?
・同じ女性でいいのか?
オリジナル作品ではヤン(レオ役)とラウ(デイモン役)の恋人は別人だ。
出世街道を歩くラウの恋人は、ベストセラー作家、ヤンはこの作品と同じく
精神科医だけに心を開き癒されていく……
今回は互いに精神科医と関係をもつ。「鏡」的要素を強調したかったようだが
正直、ビリー(レオ)のマフィアという外見ではなく内面を見抜ける女性が、
コリン(デイモン)のような男性に惹かれるだろうか……と少し思わなくもない。
もちろん彼らはとても似ている面があるのだけれど・・・
でもどうも女性からしてこの女医にあんまり感情移入出来ないんだな~
・封筒やギブスの使い方はオリジナルのほうが上
オリジナル作品を観た時、封筒の使い方がとても印象的だった。
もちろん今回もそこはうまく利用されているのだが、
例えばビリー(レオ)がコリン(デイモン)を追うシーン。
もちろんハラハラドキドキするのだが、オリジナルでは
ラウ(デイモン役)の封筒をもち歩く時の癖までいかされていた。
ただ封筒を使うだけでなく、性格が出る癖も併用した点は見事だ。
また原作と同様に登場するビリー(レオ)の手にはめられたギブス。
これもまたオリジナルでは通信手段という驚くべき利用方法で使用される。
だが今回はあまり意味がない。
なんだ~とちょっと残念な気が・・・ま、そのままってのも能がないのだけれど。
と、色々思う事はあるが、どちらの作品も面白いことに変わりはない。
世界を魅了した脚本をアメリカンスパイスを加え見事に料理した
これまた美味な作品なのだ。
(2006年・アメリカ映画)
(芝田 佳織)
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