RENT/レント | 映画-CAN

RENT/レント

52万5600分の貴重な瞬間。一年を計る基準は何?
愛ではどうだろう。愛の四季が巡る……

舞台と同じ「Seasons of Love」から始まるオープニング。
有名スターなんかいなくても、歌唱力と曲の素晴らしさに誰もがひきつけられるだろう。
そしてその歌詞に「明るいミュージカル」を想像するかもしれない。
だがすぐにそうではないと気付く。
このミュージカルの主人公達は「レント=家賃」も払えないNY・イーストビレッジに
住む若き芸術家達。
1989年、エイズという病気が広く知られるようになった時代である。

メインキャスト8人のうち4人がHIV プラス。
貧困、同性愛、HIV……
格差社会到来か?と言われる日本とはいえ、彼らが生きた世界はまだ
遠い世界であり、入れこめない、よくわからないと言った意見も聞こえてくる。

でももし今、何かに迷っているならば必ず彼らの叫びが届くだろう。
「後悔していると人生を逃がしてしまう。あるのは自分だけ。
ほかに道はない。あるのは今日という、この瞬間だけ……」
その歌に胸が熱くなる。今、自分は貴重な瞬間をちゃんと生きているだろうか?

そしてもう一つ。このミュージカルには素晴らしい「愛」の歌が
たくさん登場する。
「愛はお金で買えない。毛布みたいに温めてあげる。何が起きてもあなたの味方」……
人を愛する気持ちには人種も性別もお金も関係ない。
「死」が隣り合わせの彼らには「過去」も「未来」もなく「今」が全て……
他のミュージカル映画と比べ派手さはない。
ただ「今」の大切さを知る事が出来るのはこの「RENT」だけではないだろうか。


1996年、2月にオフ・ブロードウェイから始まり、今もなおブロードウェイで
ロングランを続ける伝説のミュージカルをクリス・コロンバス監督(「ミセス・ダウト」
「ハリー・ポッターと賢者の石」)が映画化。
脚本・作詞・作曲を手掛けたジョナサン・ラーソンは1996年「プレビュー」の
前夜に35歳で急逝。
だがその想いは彼が創りあげた役達の歌にのりうつり、
トニー賞のみならずピューリッツアー賞にまで輝く伝説のミュージカルとなったのだ。


映画では監督がキャストにこだわり、初演をつとめた6人を集結。
日本において有名な役者は皆無に等しいが、本国ではこの「レント」で認められ
いまや映画や舞台にはかかせない実力者ばかり。
特に「ミミ」役のロザリオ・ドーソンは「シン・シティ2」など
新作が目白押しの注目女優。要チェックである。


楽しさを求めるなら「プロデューサーズ」をオススメする。
暗い話は観たくない、自分の世界とは関係ないと思う人も。
だがもし今、自分のやりたい事と現実、愛について迷いがあるなら
「レント」はきっとあなたの背中を押してくれる1本になるのではないだろうか。
後悔して人生を逃がしてしまわないように……


(2005年・アメリカ映画)


(芝田 佳織)


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