同じ月を見ている
「窪塚洋介の復帰映画を作る」という企画から生まれた作品だ。
土田 世紀同じ月を見ている 1 (1)
10歳の時に出会った熊川鉄矢、水代元(ドン)、杉山エミ。
3人はいつも一緒だった。7年前のあの日までは……
鉄矢は心臓病を患うエミを救うため医者になった。
エミは鉄矢の気持ちを受け入れようと結婚を決意する。
そんな時、ドンが刑務所から脱走したという知らせが届く。
ドンは7年前、エミの父親の命を奪った山火事の犯人として服役していたのだった……
鉄矢を演じるのは2年ぶりの主演作となる窪塚洋介。
ドンを演じるのは香港の若手俳優、名実共にNo.1のエディソン・チャン。
(「インファナル・アフェア」「ベルベット・レイン」)
エミを演じるのは黒木メイサ。
監督は深作健太。(「バトル・ロワイアルⅡ~鎮魂歌(レクイエム)~」)
ポニーキャニオンインファナル・アフェア II 無間序曲
東映ビデオバトル・ロワイアル II 鎮魂歌(レクイエム) 通常版
もともと、窪塚洋介は「ドン」の役をすることになっていた。
「ドン」は「念力=予知能力」と、誰よりもピュアな心を持つ人物だ。
この物語の大きく重いテーマの要といってもいいだろう。
逆に「ドン」を見せるためには別に自分が「ドン」をやらなくても
いいのではないか?という窪塚自身の意見もあり、窪塚は鉄矢を演じることになる。
そのためコミックでの主役・ドンから鉄矢目線のシナリオに変更され
鉄矢の心の陰を映し出す。
また、「ドン」にはアジアの俳優を!という企画があがり、
アジア俳優の中から一番ピュアな雰囲気をもっているエディソン・チャンが
選ばれた。
エディソンは「坊主頭・日本語の台詞」という条件にも快諾した。
(エディソンはカナダ生まれであり英語と広東語を話せるが、
日本語と中国語を猛勉強中だったのだ)
正直……
窪塚洋介よりもエディソン・チャン&山本太郎が光っていた。
誰よりも美しい心を持つがゆえの苦悩を抱え、激しさを内に秘めるドン。
もともと口数の少ないキャラクターだが、言葉に頼らないエディソンの
見事な演技が光った。
坊主にランニングで絵の天才、というキャラは「裸の大将」とかぶる所も
あるのだが?やはり美しい顔立ちと目力により独自の「ドン」像を作り上げている。
山本太郎……私の大好きな俳優の一人なのだが、今回も主演を食ってたよ。
彼が演じるのは金子というチンピラ。ドンに命を助けられた事から虫けら生活に
ピリオドを打ち、本当の自分を取り戻そうとする役だ。
迫力もあるし、台詞の間もうまい。彼は本当にいい役者になったね。
窪塚洋介、前半は正直もうちょっと……と言う感じ。
後半はまだ、頑張ってたけれど。
確かに鉄矢という役は共感しにくい所もあり、主人公としては
難しい役どころだろうが・・・
漫画原作だけあり、ちょっと非現実的な設定とキャラに違和感を感じなくもない。
それに久しぶりにあんな「ベタ」なクライマックスを観たよ~
と言いたくなる演出である。
(と言いながら泣いたところも数ヶ所あるんだけども……)
でも良いところは、「人」の心の正と悪について描いているところではないか。
愛・友情・信頼・嫉妬・嘘・憎しみ・裏切り……
綺麗な心を持っている人ほど汚される……
傷つける人間、傷つけられる人間がいる。
誰かを傷つけるなら、自分が傷つけばいい……
誰もが見上げる「月」。
心に闇があれば「月」を見上げる事もできない。
逆に「月」はそんな心の闇も全て見つめているのかもしれない。
「月」だけが知っている。その全てを……
私の一押し、エディソン&山本太郎をぜひ観て欲しい作品である。
(窪塚は??黒木メイサは??深作監督は??)
(2005年・日本映画)
(芝田 佳織)
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