SHINOBI | 映画-CAN

SHINOBI

伊賀と甲賀。代々敵対し、憎しみあう「忍」の2大勢力。
その跡取りである朧(おぼろ)と弦之介は互いの立場を知らず、
導かれる様に恋に落ちた。

時は家康末期。「忍」の力を恐れる幕府の陰謀が動き出す。
2つの村、互いに選ばれた5組10名を闘わせ、どちらが生き残るかによって
次期将軍を決めるという指令が下される。
その頭領として選ばれる朧と弦之介。
愛する人が今、最大の敵となる。2人の運命、愛の結末は……

時代劇版「ロミオとジュリエット」の様な因縁絡みの悲恋。
VFXを駆使した現代だからこそ実現した「忍」の世界。

面白い要素は多々ある。なのに世間の評判はイマイチ良くない。
ゆえに正直、全く期待していなかった。
だからかも知れないが、言うほど悪くはない。
でもやはり「期待せずに観たら面白いよ」という感じだ。

最大の原因はやはり仲間由紀恵がどうみても「忍」に見えない事だろうか。
彼女はすごく好きな女優だ。演技もうまいし美しい。
しかし、しかし残念ながら「忍」ではない。
この「朧」という忍びの武器は「瞳」。瞳で人を殺す術を持つ。
だから確かに俊敏でなくてもいいのだが、それでもやはりある程度の
「構え」や「着こなし」は必要。それが足りない。

そして10人の「忍びキャラ」を出す難しさ。
「10人の精鋭」と言う事だが正直、どこが精鋭なのかわからないキャラが複数。
「弱っ!」「それだけ?」「どこが?」
人並み外れた「妖術」を披露しきれていない。
また主演の仲間由紀恵とオダギリジョー、椎名桔平、黒谷友香が
アクション俳優じゃないため、どうしても前半の脇の闘いの方が
迫力がある。やはりクライマックスにかけて闘いの精度も上がってこなくちゃ?

その中で目を引くのは、甲賀方「筑摩小四郎」役を演じる虎牙光揮(こがみつき)と
伊賀方「夜叉丸」役を演じる坂口拓の闘い。

虎牙光揮はロス・タイで空手・ボクシング・ムエタイの修行を積みNIKEの
CMでデビューした俳優。
そして坂口拓は八極拳・少林寺拳法などあらゆる格闘技に精通し、
ボクシングはプロライセンスを持つという凄腕。
この2人の闘いは迫力・スピード共に見ごたえあり。
これが正直一番すごかったかも……

「我らは武器。使うものなければ何の役にも立たぬ」
「人を殺す事でしか生きられない。だから泰平の世が来る事が恐い」

人智を超えた不思議な能力を持つ「忍」。
うやらましい様に聞こえるけれど、彼らは殺人兵器。
「人」として生きる事が許されない。
自分は何故「生きる」のか。その苦悩・葛藤……
その悲しき「運命」のテーマは伝わってくる。
ハッピーエンドか悲劇か……「二人の愛の結末」についても
私はこれで良かったのではないかと思う。

ま、昔の千葉真一・真田広之・志穂美悦子なんかが出ていた時代物と比べ
迫力にかけるのは確か。VFXに頼りすぎか?
香港映画などもVFXがすごいが、彼らはもともと拳法経験者などであり、
基礎が違うからね……格好・構えも全然違うのよ。

とはいえハリウッドで「リメイク」が決まったというこの作品。
またまたとんでもない「ニッポン」が披露される事であろう……
そちらがとても楽しみである??

(2005年・日本映画)

(芝田 佳織)