七人の弔(とむらい) | 映画-CAN

七人の弔(とむらい)

田舎のキャンプ場に集まる7組の親子。
異常に優しい親たち。しかし何故か子供の目は怯えと疑問に溢れている。

この7組の親子にはある「共通点」があった。それは「虐待」。
そして、それだけでは物足りないもう一つの企み。「臓器売買」。
うっとおしい子供達を追い払い、お金が入るなんて素晴らしい?
でもこのキャンプの間に健康面での問題が発覚すれば報酬は得られない。
だから「頑張るのよ?怪我なんかしないでよ?」そんな親のエゴが渦巻く。

しかし子供達もこのキャンプの不自然さに気付き始める。
そして彼らが迎えるとんでもない運命とは?

ダンカン・初監督作品。
自らキャンプの怪しい指導員としてストーリーテラー的役割を果たす。

ダンカンの多才ぶりには驚かされる。
もともとお笑いが出来るという事はかなり頭がいいのだろうが、
今回は脚本も担当。何かできる人は何でも出来る人が多いよね。

やはり目線が面白い。現代的な問題を鋭く切る。

どうして自分が生んだ子供を傷つける事が出来るのだろうか……
自分が虐待されていたのかもしれない。裏切られた嫁に似ているから?
でも子供には何の責任もない。ただ愛されたいだけなのに。

そして「臓器売買」。売る人もどうかと思うが買う人がいるからダメなんだ。
ヨボヨボの爺さんが子供の臓器を狙っている。
「まだ生きたいのか~?」
金さえあれば永遠の命でも買える時代になるのだろうか……

身勝手な親たちを演じるのは
渡辺いっけい、高橋ひとみ、いしのようこ、温水洋一、保積ぺぺなど。

いしのようこが演じるお水系で金の亡者の母親。
すごく似合っていた。いしのようこ、意外と年をとってからの方が(失礼?)
いい女優になった気がする。

切り口はすごく良かった。
でも私の期待が大きすぎたのかな。(ダンカンはすごい人だと思うので)
もう一声!って感じなのだ。
それは多分大きすぎる2つのテーマのせいか。
「虐待」「臓器売買」やはりこの2つをまとめるには2時間では難しい。
臓器売買が最後、ちょっとほったらかされた感がある。
でもこの題材を書こうとする視点だけでもやはり只者ではない。

ラストは結構、衝撃的。
普通の映画によく出てくる「子供を愛さない親なんていないよ」って
台詞を真っ向から否定される作品。
これが現実、これが現代?
多分あなたの「常識」が崩れる映画だと思うよ。

(2004年・日本映画)

(芝田 佳織)