ユリョン
韓国映画のアカデミー賞にあたる「大鐘賞」6部門を受賞。 (1999年)
日活ユリョン
今年、日本でも「ローレライ」「亡国のイージス」など潜水艦映画が大ヒットした。
戦後60周年、平和ボケした日本人に問題を投げつけた2作。
しかしお隣、韓国で作られた潜水艦映画を観ると、本当に彼らと私たち日本人との
間における認識の違いを見せつけられる。
「祖国」「戦争」「歴史」……
彼らが叫ぶ言葉はスクリーン上の想像物ではない。
韓国初の原子力潜水艦。乗組員は全て戸籍上は死亡した者ばかり。
ゆえにその極秘任務は「ユリョン(幽霊)」と呼ばれている。
かつて上官を殺害した罪で死刑となったイ・チャンソクは「ユリョン」で
新たな生を受ける。
選択の余地などない。断れば死があるのみ……
そんな時、クーデータ―が勃発!
副艦長が艦長を殺害し核ミサイルの照準を日本へと定めた。
「傲慢なアメリカ人野郎や日本人野郎に5千年の歴史は渡さない!」
日米を巻き込む戦争が今、始まろうとしている。
イ・チャンソクは一人、彼らを止めるべき闘いを挑むが……
「戦争の始まりは唐突だ……さあ始めよう」
副艦長を演じるのはチェ・ミンス。
そして、イ・チャンソクを演じるのはチョン・ウソン。
「いつまで屈辱の時代を生きろと?」
「歴史を変えるのが生きている者の役目だ」
この二人の対立がこの映画のテーマである事は間違いない。
彼らの踏みにじられた歴史が言わせる台詞は、生きた言葉であり
そのメッセージ性の強さにしばし考えさせられた。
もちろん日本人のしてきた事もあるだろう。
だが、日本は唯一の被爆国。その歴史さえも今、風化しつつある・・・
忘れていいのか?日本人・・・
映像的には正直雑なところも多く、迫力満点!とまでは言いがたい。
が、6年前の映画としたら、今の韓国映画はものすごい勢いで
「大作力」がついてきたと思う。
ぺ・ヨンジュン主演の「四月の雪」のヒロイン、ソン・イェジン(「ラブストーリー」)。
彼女とチョン・ウソンが共演する「私の頭の中の消しゴム」がこの秋公開される。
ウソンを初めて観る方も増え、あまりの男前さにファンも増える事だろう。
そして、過去作品も観てみよう~とこの「ユリョン」を手に取ると多分驚く事になる。
超短髪の制服姿はもちろん素敵だが、多分期待している様な甘さはない。
でもウソンって実は恋愛ものが珍しくて「MUSA-武士-」にしても
男気溢れる役ばかり。
それが個人的にはとっても素敵で大好きなのだけど……
ワーナー・ホーム・ビデオMUSA -武士-
でも某日本の映画の様にわけのわからない女が潜水艦に乗ってたりしない
所がいいですわ?
余談だけれど「シルミド/SILMIDO」の主演ソル・ギョングがちょい役で出てるので是非探してみてね。
アミューズソフトエンタテインメントシルミド / SILMIDO
潜水艦イヤーとなった2005年。
韓国で大ヒットした潜水艦ものと比べるのもアリ、
ブレイク間違いなしのウソンの予習をするのもアリ。
本当は戦後60周年、真面目な気持ちで観て欲しい映画なのだけれど。
(1999年・韓国映画)
(芝田 佳織)