南極日誌
「南極到達不能点」
地球上で最も自然条件が過酷で、南極のどの海岸線からも遠く、
到達する事が最も困難とされる点。最低気温、マイナス80度。
1952年、ソ連の探検隊が一度だけ踏破……
構想から7年。スケールが巨大すぎた事から何度も暗礁にのりあげた。
製作会社の変更は3回、関わったプロデューサーは7人にのぼる。
長い月日をかけ、やっと完成した超大作だ。
舞台が南極でスケールが大きい映画、と聞くと「アドベンチャー物」を
想像される方も多いだろう。
もしくは大ヒット中の「皇帝ペンギン」などが出てくる動物もの?
(南極物語もそうだったし)
しかしそんな映画を想像していくと大変なことになる。
この映画は極限の状態で起こる「人間の強さと弱さ(個人的には汚さの気もするが)」
を描いているのだ。
南極到達不能点を目指す6人の隊員。ブリザードが吹き荒れる厳しい気象条件。
一年の半年は昼が続き、もう半年は夜が続く。
闇の世界になる前に目的地に着かなければならない。
ある日、彼らは80年前に遭難したイギリス探検隊の日誌を見つける。
やがてその日誌に導かれる様に不思議な出来事が起こり始める。
一人消え、また一人……
それでも進むべきか?そこまでする理由は?
強引に目的地を目指す隊長、その異常さに疑心暗鬼になっていく隊員。
無限に広がる真っ白な世界で彼らが見たものは?
隊長を演じるのは韓国を代表する俳優、ソン・ガンホ。
「シュリ」「JSA」「殺人の追憶」……
(個人的にはすごく太ったのでもう少し痩せて欲しい!)
隊員の一人として相手役をこなすのは、「オールド・ボーイ」のユ・ジテ。
監督はこの作品が長編初メガホンとなる イム・ピルソン。
アミューズソフトエンタテインメントシュリ
アミューズソフトエンタテインメントJSA
アミューズソフトエンタテインメント殺人の追憶
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昔「生きてこそ」という映画で、雪山で食料がなくなった時
「死んだ人の肉を食べる」という究極のシーンが登場した。
そのシーンを見て「食べるか」「食べないか」という議論をした事がある。
私は「絶対食べたくない!……けれど食べるかもしれない」と言った。
それほど「極限」は人を変えてしまうからだ。
そう、人間は極限まで追いつめられた時、
理性や良心でおさえていた奥の奥の心が顔をだす……
パラマウント・ホーム・エンタテインメント・ジャパン生きてこそ スペシャル・コレクターズ・エディション
そんなことを考えさせられる映画は正直大好きである。
「人間」は元来「弱さ」や「汚さ」を持ち合わせているのが常だから。
しかし、今回はそこまで「人間」について考える事が出来なかった。
どちらかというと「ホラー」に近い気がした。
せっかくの設定がいかしきれてないのではないか?
そして、やたらとアップの映像が多い。
「顔」とかよりも更に細かく「目」「口」「髭」など……
確かに「目」とかすごく狂気や恐れが出るので
いいと思うが、たまに出るから効果的なわけで。。
しょっちゅう出てくるとイマイチ効果減。
なんとなく映像的に単調な気がしてしまった。
(プロではないので実はすごく技ありならば許して欲しい)
しかしここまでの映像を撮ったスタッフと俳優陣の努力には敬意を表したい。
やはりソン・ガンホは存在感があってうまい。
「ユ・ジテ」ファンには申し訳ないけれど、少し格が違うな…と思った。
「何故そこまでして、危険をおかすのか?死にたいのか?」という問いに隊長は答える。
「生きたいからだ」と……
彼の生き方に貴方は共感できるか?
残暑厳しいこの季節、必ず涼しくなれる映画である事は間違いない。
映像的にもそして、「恐怖」でも……
(2005年・韓国映画)
(芝田 佳織)