HINOKIO ヒノキオ | 映画-CAN

HINOKIO ヒノキオ

代理登校ロボット第1号。
それがヒノキオ。
引きこもりの少年サトルの遠隔操作により、サトルに成り代わって学校に通う事になった、ちょっと変わったお友達。
そんなヒノキオに、悪ガキ3人組が目を付ける。

この3人、ヒノキオを落とし穴に嵌めたり、やってる事は一見イジメっぽい。
でも、転入生にちょっかい出すなんて、子供の世界じゃ、よく有る事。
ただ好奇の目を向けるだけのクラスメート達とは違って、一番フツウに接しているような気がして、何だか微笑ましかった。

やがて、塾に通う子、ゲームにハマる子が集まらなくなり、リーダー格のジュンとヒノキオの、1人と1体で行動する事が多くなる。
幼い心に傷を持つ者同士、友情と呼べるような感情が芽生えるが、サトルは相変わらずヒノキオを通してしか話そうとしない。
外での行動をヒノキオまかせにしているサトルの毎日は、彼が夢中になっているゲームの世界と何ら変わらないものだった。

本来の子供の在るべき姿として、フィルムの中で息づいているジュンが、サトルの「感じたい」と思う気持ちを呼び起こすのは、ごく自然な流れだ。
釣りの経験を訊かれて、ゲームでやったと答えるサトルに、ジュンは言い放つ。
「そんなの、やったうちに入らないんだよ」

どんなに科学が進歩しようと、人は人と触れ合わなければ、きっとダメになってしまう。
ヒノキオをぶってしまったジュンの手に、走る痛み。
だけど、それ以上に、殴ったジュン、殴られたサトルの心が、強く痛みを感じていただろう。
本気でぶったから、心がへこむし、本気でぶったから、痛みの分だけ気持ちが伝わるのだ。
そう、伝える事が大切!

ヒノキオのランドセル姿や、無表情なのに段々表情豊かに見えてくる顔は、もっともっと見ていたいと思わせるほどのキュートさ。
思わず、一家に一台!と言いたくなるけど、ヒノキオに頼らない自分でなくては、ネ。


(2004年・日本映画)

(川口 桂)