バットマン ビギンズ | 映画-CAN

バットマン ビギンズ

アメコミヒーローの中で唯一、超人的な力を持たないバットマン。何故コウモリなのか、何故悪を憎むのか、バットスーツやモービルはどうやって造られたのか、その全てが明らかになる……

ゴッサムシティーに住む億万長者の息子、ブルース・ウェイン
幼い頃、彼は目の前で両親を殺害される。
ただ、殺害されたのではない。
オペラの観劇中、自分が出たいと言い出した為、殺されたのだ。
彼の心に芽生えたのは「悪を憎む心」「復讐心」そして「罪悪感」。
彼は「悪」に立ち向かう為、放浪の旅に出る。
そして「影の軍団」のリーダー、ラーズ・アル・グール(渡辺謙)、
その代理人、デュカード(リーアム・ニーソン)と出会うのだが…

監督は「メメント」「インソムニア」のクリストファー・ノーラン。
ワーナーからの熱いラブコールを受け、
新・バットマンの世界を繰り広げる。

今度のバットマンに感じるものは「リアルさ」。
実際に作られたゴッサムシティを本当に飛び回るバットマン。
この腐敗した街はかつてのシリーズの様にファンタジー的な世界観とは違い
未来のNYやシカゴを思い起させるような街である。

俳優不足。それは日本だけではない。
ブラッド・ピット、トム・クルーズ、キアヌ・リーブス、ジョニー・デップ。
彼らはいまだ頂点にいる。彼らを超える俳優は?その可能性があるのは?
そう考えたときあまり思い浮かばない。
人気で言えばオーランド・ブルームあたりか?
でもどうも演技面・存在感において少々心配である。

ここで次世代を担うであろう俳優として私はこの二人を挙げたい。

もちろん一人は主役のクリスチャン・ベール。
今回ノーラン監督は3つの顔を使い分けられる俳優を探した。
バットマンの時のブルース。素顔のブルース。そしてプレイボーイを装う
仮の姿のブルース。
そこで目をつけたのがクリスチャン・ベール。
「マシニスト」で不眠症の激ヤセ男を演じるため「これ以上痩せては危ない」
と医師に言わせたベール。

アミューズソフトエンタテインメント マシニスト

実際ベールは撮影前、痩せすぎて腕立て伏せが一度も出来なかった。
しかし映画を観てのお楽しみだが、どうやって戻したの?っていうか
倍増してる!!と驚くばかりの筋肉を披露。
この役者魂と複数の顔を演じられる俳優は必ずや映画界で
引っ張りだこになるはずである。

もう一人は悪役、キリアン・マーフィー。
「28日後」の主役をしていた彼は、ブルース役の最終にまで残った。
もしかしたらマーフィー版バットマンだったかもしれない役者だ。
ノーラン監督がどうしても彼にこだわり、この役に抜擢したと
いうだけあり、美しくも怪しい不気味な雰囲気を見事に出している。
存在感、役者にとって一番必要なもの。
彼はそれをもっている気がする。

復讐とは正義か?
「正義と自己満足のはざま」への問題提起にもとれる作品。
悪に悪でいいのか?それは今のアメリカへのメッセージでもあるかの様に。
ただのアメコミヒーローものではない新しい世界を一度のぞいて欲しい。


(2005年・アメリカ映画)

(芝田 佳織)