武道と格闘技は違う。

その違いをスタイルやルールの違いとか、

精神性とかにに見出している人も多いかと思います。

 

それはそれで正しいとは思いますが、

現存する人で合気道の最高段位を持つ多田師範の言葉に

合気道の稽古は生きる力を高めるための稽古だというのがあります。

 

つまり合気道の「目的」は「生きる力を高めること」

その「手段」として「武術の稽古」があり、

その「結果」として「強くなる」ことがあります。

 

着目すべきは、武道や格闘技を始める目的である強さが、

結果でしかなく、主目的ではないということです。

強くなりたいと思って稽古をしても続かないということです。

それは、目的とする強さは相対的な価値基準であり、

自分だけでは感じることが難しいからです。

強くなっている実感を持てないと継続はしんどい。

 

その点、生きる力を高めるというのは主体的です。

人と比べてどうのというのはない。

主体的というのは、自分自身で気づけることだということです。

実感が伴えば継続はしやすく、

継続の結果強さも手に入れることができます。

 

確かに40才を前にして合気道を始めたのですが、

別に強くなりたいとか思ってなかったですし。

それよりも自分の軸となるものが欲しいという気持ちがあり、

その意味では、生きる力を高めることができるというのは、

今となっては大変魅力的な目的です。

仕事でもなんでも生きる力が根本となるので。

 

他の武道でそういうことを実践しているのは少ないと思います。

言葉では似たようなことを言っていても、

試合があれば試合に勝つことを目的としますし、

段位に血道をあげる人もいるでしょう。

 

その点、合気道は試合もないし、

段位はありますが、取得技術がステップアップ式ではなく、

初心者から有段者まで大差がないので、

段位というのは自分の種熟度を測るものさしでしかありません。

段位が高ければ、その分生きる力が高い、

いや高くあるべきだというのが本当のところでしょうね。

 

そういう意味では目に見える強さを求めていた若い時よりも

年を重ねた今自分から、年を重ねていくこれからの方が

やりがいのある武道だといえます。