話は約半年前に遡ります。
前回紹介したゲームのロゴを制作するにあたって、
デザイナーが集められリーダーから説明を受け、それぞれがデザイン案を持ち寄ることに。

ボクはこの仕事である試みを試そうとしていました。
それは、いかに限られた時間を上手に使うかという試み。
その方法として、ロゴのラフを色や加工を施さず、シルエットのみで提出することにしたのです。

これには理由がありました。
皆が持ち寄った案はまずは社内コンペで振るいにかけられます。
似たようなデザインをはじくためです。

何時間もかけた案がただ似ているという理由でボツになるなら、
あまり時間をかけずに多くの案を出して、
その後調整するのがスマートなやり方だとボクは考えました。

著名な本の装丁デザイナーが、「ロゴはシルエットで判断するのが一番」と
あるテレビ番組で言っていたことにも影響を受けています。

この試みは見事にあたり、ボクは毎日無駄に残業することもなく、
人の倍以上のラフを提出することができました。
他の人が一つのラフに3時間かけて加工してる間にシルエットだと4つ5つはできますので。

その後、他のラフを見て刺激を受けたり、色や方向性がかぶらないように調整して、
再度ブラッシュ案を提出することにしました。

この試みで一つ失敗だったのは、ボクのことをよく思わなかった人間がいたということでした。
悪いことにそれが、この案件のリーダーだった人物だったのです。

この件が終わってしばらくは何も起きませんでした。
しかし、ある日、呼ばれてミィーテング部屋に行くと、
そこには3人の上司が神妙な面持ちで座っていました。

いわく、どうもボクの仕事態度が気に食わないと。

その一つにこのロゴの件があがりました。
残業もせずに帰ってると思ったら、手を抜いた仕事をしやがってと。

ボク的には”きたー!”って感じでしたね。
そりゃシルエットだけだもん、手抜きに見えるわな。でも、あえてやったことなんですけどねー。

一応、試みについては説明しましたが、残念なことに聞く耳を持ってもらえませんでした。
今後、ちゃんと皆と同じように残業して頑張るか、違う道を選ぶか・・・
言下に選択を求められたボクは、「違う道を選びます」と離脱宣言をしてしまったのです。

計画よりも数ヶ月早い離脱宣言でした。

とまあ、一連のドタバタの裏側にこのロゴの存在があったわけです。
ボクとしては、手抜きではなく、計画して作ったロゴがちゃんとお客にも認められ、
数ある他の案を押しのけ、採用されたことは意義があると思っています。