税務署はヤクザでも調査する!
会社員のあなた、専業主婦のあなた。
やくざな人と話をしたこと、ありますか?
できれば、いや、絶対に、自分は関わりたくないと思っているでしょ。
でも、いざ税務調査となれば、仕事ですからやらないわけにはいきません。
誰彼身分を問わず仕事を全うするのが国家公務員としての使命ですから。
警察には「マル暴担当」なんて部署が専門にありますけど、税務署にはそんなもんありません。
ただただ度胸一発で突撃あるのみ。
調査経験10年くらいのベテランになれば、誰もが通る道なのです。
運よく一度も経験したことのない職員もいるようですが。
やくざ屋さん宅にお伺いする場合には、事前に警察へ連絡し、何かトラブルがあった場合にはすぐ現場まで急行してもらうよう要請を出しておく場合もあります。
自分もやくざな人の調査をやったこと、ありますよ。
しかも警察には何も連絡なしに。
その人はある「組」からも破門されたチンピラでした。
普通に話なんか聞いてくれやしません。
会うなりいきなり殴りかかってきましたからねぇ。
なんとか落ち着かせて話を聞いてみると、なんでも昔、税務署の調査官にひどい目に遭わされたんだ、とか。
そんなん知らんわ!
オレじゃないだろうがよ!
そう言うと彼は私の顔をじっと見るなり「ん、ん、そうだな。違うな。わるかった。」
いきなりこんなペースで始まるからこっちもホント疲れる。
だけど仕事だからと説得し、いろいろ話を聞いてゆくうちに彼の性格もわかってくる。
組長が破門したのも、うん、なんとなくわかる。
言葉遣いや言動に粗暴さはある。
やくざもん、って感じ。
でも何度か会って話を聞くうちに、そんな悪いヤツじゃない、とわかってくる。
彼も生きるのに精一杯なんだと感じる。
最後にはお互いタメ口で話をしていた。
簡単に書いているけど、途中いろいろ苦労はあったよ。
相手の心を読み、相手に応じて話術も応対も変えながら自分の知りたい情報を聞き出す。
おだてたりなだめたり、押したり引いたり、角度を変えてみたり、間を置いてみたりしながら。
相当現場で場数を踏まなきゃ誰にでもできることじゃない。
プロ意識と鍛錬が必要だ。
私が調査を担当したやくざ屋さんは彼ひとりだったが、同僚の女性調査官は組の親分さんのところへ調査に行った。
もちろん会うまでは怖い。
会ってからも怖いけど。
そんなの当たり前!誰だってそう。
だけど「仕事だから」やらないわけにはいかんのよ。
親分さんは鉄砲玉(部下の組構成員のこと)と違って世間の道理を理解している。
理屈が通ればすぐ納得してもらえるので、調査も早々に終わったようだった。
税務調査に例外なし!
稼いでいるやつがいる限り、どこへでも行く。
暴力団だろうと、半グレだろうと、相手が反社であろうが関係ない!
それが税務署のお仕事なのだよ。