シベリアの夜長を古代史に夢を馳せて〜その394〜 |  アンドロゴス生涯学習研究所

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今回は、ホツマツタヱ7アヤの解説、そのPart4をやりたいと思います。

まず本文です。

●一行訳7

7-33 そさのヲハ いわおけちらし ソサノヲハ イワオケチラシ 【ソ、曽・サ、南・ノ・ヲ〔雄〕ハ、(一方的に批難された)ソサノヲは】、【イ、言・ワ(分詞)・オ・ケ、蹴・チ、散・ラ(分詞)・シ(態)、言葉を荒げて】、
7-33 なおいかる きみおそれまし ナオイカル キミオソレマシ 【ナオ、尚・イ、怒・カ(分詞)・ル(不完)、尚怒りました】。【キミ、君・オソ、恐・レ・マ、坐・シ(態)、キミは(自分の判断ミスに気づき)その剣幕に恐れて】、
7-33 いわむろに いりてとさせバ イワムロニ イリテトサセバ 【イ、言・ワ(分詞)・ムロ、室・ニ、祈祷室に】、【イ、入・リ(分詞)・テ(態)・ト、戸・サ、差・セ(敬語)・バ(状態)、入って戸を閉められたので(ツキヨミ事件同様の職場放棄)】、
7-33 アめがした かがもアやなし アメガシタ カガモアヤナシ 【ア〔天〕メ・ガ・シタ、下、天下に】、【カ、清・ガ、濁・モ・アヤ、綾・ナ、無・シ(分詞)、(キミが裁きを下すことから逃げたので)無法になりました】。
7-34 やすがわの やみにおどろく ヤスガワノ ヤミニオドロク 【ヤ、野・ス、洲・ガワ、側・ノ・野洲川の辺りは】、【ヤミ、闇・ニ・オド、驚・ロ(分詞)・ク(再帰)、(夜のことなので闇に)、大事件に驚きました】。
7-34 おもいかね たビまつにハせ オモイカネ タビマツニハセ 【オモイ、思・カ、兼・ネ(分詞)、オモイカネは】、【タ、手・ビ〔灯〕、灯・マツ、松・ニ・ハ〔衣〕、馳・セ(分詞)、松明を手にしてタカマに馳せ参じ】、
7-34 こにとひて たかまにはかり コニトヒテ タカマニハカリ 【「コ、此・ニ・ト、問・ヒ(分詞)・テ、ここに伺って】、【タカ、高・マ、間・ニ・ハカ、諮・リ(分詞)、タカマに諮る(一大事です)】、
7-34 ゐのらんや つハものぬしが ヰノランヤ ツハモノヌシガ 【ヰ、威・ノ、宣・ラ(分詞)・ン(意思)・ヤ(反語婉曲強要)、稜威を示してください」と】、【ツハ、強・モノ、兵・ヌシ、主・ガ、強将軍(ここではオモイカネ)が(宣りました)】。
7-35 まさかきの かんゑハにたま マサカキノ カンヱハニタマ 【マ、間・サカ、栄・キ、木・ノ(枕)、真榊の】、【カン、上・ヱ、笑・ハ・ニ、瓊・タマ、珠、御上の笑みは太陽なのです】。
7-35 なかつゑに まふつのかがみ ナカツヱニ マフツノカガミ 【ナカ、中・ツ・ヱ、会・ニ、中央の会には】、【マ、間・フツ、総・ノ・カガ、鏡・ミ(分詞)、マフツノカガミを置きました(御上が居ればそこがタカマです)】。
7-35 しもにきて かけゐのらんと シモニキテ カケヰノラント 【シモ、下・ニ・キ、来・テ(状況)、(準備はできています、)ここに伏して】、【カケ、陰・ヰ、威・ノラ、宣・ン(意思)・ト(要求)、僭越ながら、キミの御稜威の言を乞います】。
7-35 うすめらに ヒかげおたすき ウスメラニ ヒカゲオタスキ 【ウス、若・メ、女・ラ、等・ニ、若い姫達の】、【ヒ〔日〕・カゲ、陰・オ・タス、助・キ、日陰のミヤビ(キミへの想い)を顧み】、
7-36 ちまきほこ おけらおにハビ チマキホコ オケラオニハビ 【チ、地・マ、幕・キ(分詞)・ホコ、戈、近衛として護る物部】、【オ、置・ケ(分詞)・ラ、等・オニ、鬼・ハ、払・ビ〔灯〕、衛士と鬼払いの篝火に至るまで、(キミがいなければ無力です)】。
7-36 さゝゆはな かんくらのとの ササユハナ カンクラノトノ 【ササ、支・ユ(分詞)ハナ、華、(それらを)支える華である】、【カン、上・クラ、座・ノ・トノ、殿(呼びかけ)、御上座の殿、アマテル様」】!
7-36 かんかがり ふかくはかりて カンカガリ フカクハカリテ 【カン、上・カガ、考・リ(分詞)、御上の・考えを】、【フカ、深・ク(状態)・ハカ、量・リ(分詞)・テ(態)、深く量った】、
7-36 おもいかね とこよのおとり オモイカネ トコヨノオトリ 【オモ、思・イ(分詞)・カ、兼・ネ(分詞)、オモイカネが】、【トコ、常・ヨ、世・ノ・オト、躍・リ(分詞)、常世の節で】、
7-37 ながさきや わざおきうたふ ナガサキヤ ワザオキウタフ 【ナ、名・ガ・サキ、幸・ヤ、「ナガサキヤ」を】、【ワザ、技・オ、置・キ・ウ、歌・タ(分詞)・フ(完了)、とても上手に歌いました】。
7-37 かぐのき  かれてもにほゆ カグノキ カレテモニホユ 【「カ、夏・グ、具・ノ・キ、木、「(夏から持参した)カグノ木は】、【カ、枯・レ(分詞)・テ(状態)モ(逆接)ニホ、匂・ユ(継続)、枯れても匂い続ける】、
7-37 しほれてもよや アがつま シホレテモヨヤ アガツマ 【シホ、萎・レ(分詞)・テモ(逆接)ヨ、良・ヤ(強調)、しおれても(それでもなお)良いのだ】。【ア〔敬〕、吾・ガ・ツマ、妻、(私は)吾が妻に】、
7-37 アわ アがつまアわや しほ アワ アガツマアワヤ シホ 【ア〔敬〕ワ、相、会いたい】。【ア〔敬〕、吾・ガ・ツマ、妻・ア〔敬〕ワ、相・ヤ(願望)・ シホ、萎、吾が妻に会いたい。しほ】ー
7-38 れてもよや アがつま アわ レテモヨヤ アガツマ アワ 【レ、萎・テモ(逆接)・ヨ、良・ヤ(強調)、(しお)れていても良いのだ】。【ア〔敬〕、吾・ガ・ツマ・ア〔敬〕ワ、相、吾が妻に会いたい」】。


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●連続訳7
一方的に批難されたソサノヲは、言葉を荒げて、尚怒りました。
キミは、自分の判断ミスに気づき、その剣幕に恐れて、祈祷室に入って戸を閉められたので(ツキヨミ事件同様の職場放棄)、天下に、キミが裁きを下すことから逃げたので、無法になりました。
野洲川の辺りは、夜のことなので闇のなか、大事件に驚きました。
オモイカネは、松明を手にしてタカマに馳せ参じ、「ここに伺って、タカマに諮る一大事です、稜威を示してください」と、強将軍、ここではオモイカネが宣りました。
「真榊の(枕)、御上の笑みは太陽なのです。
中央の会には、マフツノカガミを置きました、御上が居ればそこがタカマです。
準備はできています、ここに伏して、僭越ながら、キミの御稜威の言を乞います。
若い姫達の、日陰のミヤビ(キミへの想い)を顧み、近衛として護る物部、衛士と鬼払いの篝火に至るまで、キミがいなければ無力です。
それらを支える華である、御上座の殿、アマテル様」!
御上の考えを、深く量った、オモイカネが、常世の節で、「ナガサキヤ」を、とても上手に歌いました。
「夏から持参した、カグの木は、枯れても匂い続ける、しおれても、それでもなお、良いのだ。
私は吾が妻に、会いたい。
吾が妻に会いたい。
しおれていても良いのだ。
吾が妻に会いたい」。

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●解説7
ここは、「その剣幕に恐れて」としましたが、キミが謙虚にその立場を評価したなら、「畏れまし」だろうと思ったからで、アマテルは、「ソサノヲが間違っていなかったとしたら・・・」で、思考停止しているように見えたからです。

さて、ここは何か非常に大きな事件が起こっているように見えます。
つまり、アマテルの祝門隠れ(岩戸隠れ)というのはソサノヲと無関係に起きたのではないか、という疑問です。
西洋の暦のキリスト紀元元年±50くらいの頃に琵琶湖大地震というのがあり、沿岸の集落は壊滅状態になった、ということが、地質的にしられておりますが、野洲川流域にも広大な伊勢遺跡(いせいせき)が、もぬけの殻状態で発掘されていることは識られていますが、このインシデントがこのときに起きたのではないか、ということなのです。

アマテルは経験の無いインシデントに呆然自失状態と思われ、オモイカネが上手に誘導して、権威を保ちつつ、問題解決に向かうのです。

ここで、「名が幸や」は御家の幸せという、ステロタイプを歌ったものだったと考えられますが、音声を保存する手段も無く、ここでは、字面をながめるだけなので、残念なことです。
それでも、なんか、「糟糠の妻」みたいな感じで、すごく良いよね。
カナサキ(当代はオモイカネ)の、妻といえば、ワカヒメで、「貴人の華」といわれたほどで、糟糠の妻からは程遠いけど、他にも沢山いたのでしょう、モノガミイ(単婚)ならば、糟糠の妻にはなんとか報いてやりたい、とか思うのかもしれないけど、当時はポリガミイ(複婚)が普通だったようで、「ふふん、やはり野にに置けレンゲソウ」とかなんとか、思うんだろな−。
あー嫁が欲しい、嫁さえいればどんなに家事がきつくても、苦にならないのに、なー。

ト おじいちゃん、嫁ならさっき食べたばかりでしょ、ボケちゃって、もう。

根 ん、そうじゃったかのぉ、じゃ、猫はどうじゃ、通いの猫でもいいぞ。

さて、この時、アマテルはどこにいたのでしょうか。


これは御上神社(みかみじんじゃ)、アマテルの男系の分家でしょうか。

御上神社(みかみじんじゃ)
滋賀県野洲市三上838
35.050000,136.027361

祭神
天之御影命

標高 105m
利用河川 野洲川

アメミカゲはアマテルの孫ですが、この時期にはまだ、生まれていなかったと思われますので、このミヤは、アマツヒコネ(タタキネ)のミヤだったのでしょうか。
アマツヒコネは、アマテルがハヤアキツヒメ(アキコ)に生ませた子ですから、この子もまだやっと生まれたばかりだったかもしれません。
つまり、このミヤはアマテルが、男系の後見として、アキコに与えたミヤということになります。
残念ながら、そんな機微は、神社の社伝には現れていないようです。
男児が生まれた祝にここに投宿していたのでしょうか。

いっぽう、オモイカネはどこに居たのでしょうか。


これは行事神社(ぎょうじじんじゃ)、「ぎょうじ」では無く、「なめこと」なのでしょう。
つまり、物部の専門である流通を管理するミヤだったのですね。
まだ、開いたばかりの中山道に面しています。
そして、ツハモノヌシの公邸でもあったのです。

行事神社(ぎょうじじんじゃ)
滋賀県野洲市行畑388
35.063962,136.020602

祭神
金山毘古神(かなやまひこのおおかみ)

標高 99m
利用河川 野洲川

カナヤマヒコというのは「夏名山彦」つまりソサノヲのことです。

話が後手にまわりましたが、大地震と思われるインシデントに、オモイカネはキミの安否も気になりますが、こういうときこそ、キミに頑張ってもらう必要があるので、とりあえず、ミコトノリを期待して、松明を手にキミの居る御上神社に駆けつけたのです。
行事神社から御上神社までは直線で1.6kmしかありませんので、20分ほどで行き着くでしょう。
これも、両地点で同一のインシデントに出会った、つまり広域災害だったという傍証になります。
混乱の中で伝令が来て、慌てて向かったのでは、折り返しの時間がかかってしまうので、そうではなかった、ということになります。

●一行訳8

7-38 もろかみハ いハとのまえに モロカミハ イハトノマエニ 【モロ、諸・カミ、守・ハ、諸守は】、【イハ、祝・ト、戸・ノ・マエ、前・ニ、祝戸の前に】、
7-38 かしまどり これぞとこよの カシマドリ コレゾトコヨノ 【カ、畏・シマ、島・ド、取・リ(分詞)、畏しこんで陣取り】、【コレ、此・ゾ(強調)・トコ、常・ヨ、世・ノ、これこそが常世の】、
7-38 なかさきや きみゑみほそく ナカサキヤ キミヱミホソク 【ナ、名・ガ・サキ、幸・ヤ、御家の幸せだ、(と寿ぎました)】。【キミ、君・ヱ、笑・ミ・ホソ、細・ク(状態)、君は笑み・細く(戸を開けて)】、
7-39 うかゝえハ いハとおなぐる ウカカエハ イハトオナグル 【ウカ、窺・カ(分詞)・エ(継続)、ハ(結果)、覗えば】、【イハ、祝・ト、戸・オ・ナ、投・グ(分詞)・ル(完了)、(イワムロの戸を)投げる(ように一気に開けました)】。
7-39 たちからヲ みてとりいだし タチカラヲ ミテトリイダシ 【タ、手・チカラ、力・ヲ〔雄〕、タチカラヲ(甥のタケミカツチ)は】、【ミ(寧)テ、手・ト、取・リ(分詞)イ(継)ダ、出・シ、(キミの)御手を取り、(イワムロから導き)出し】、
7-39 たてまつる つハものぬしが タテマツル ツハモノヌシガ 【タテマツ、奉・ル、奉りました】。【ツハ、強・モノ、兵・ヌシ、主・ガ、強将軍(ここではオモイカネ)が】、
7-39 しめなわに なかえりましそ シメナワニ ナカエリマシソ 【シメ、締・ナワ、綯・ニ、締めくくりに】、【ナ、無・カエ、帰・リ(分詞)・マ、坐・シ(分詞)・ソ(禁止)、お戻りにならないで下さい、と(乞いました)】。
7-40 しかるのち たかまにはかり シカルノチ タカマニハカリ 【シ、然・カ(分詞)・ル(完了)・ノチ、後、その後】、【タカ、高・マ、間・ニ・ハカ、諮・リ(分詞)、タカマに諮って】、
7-40 そさのヲの とがハちくらの ソサノヲノ トガハチクラノ 【ソ、曽・サ、南・ノ・ヲ〔雄〕ノ、ソサノヲの】、【トガ、咎・ハ・チ、道・クラ、暗・ノ、刑罰は先の見えない程の】、
7-40 ミきだがれ かみぬきヒとつ ミキダガレ カミヌキヒトツ 【ミ〔三〕・キ、岐・ダ、咫・ガレ、枯、三種の刑でシイを枯らします】。【カミ、髪・ヌ、抜・キ(分詞)・ヒ〔一〕ト(類)ツ、髪抜き(月代により貴人の誉を除く)】、
7-40 つめもぬき まだとゝかねバ ツメモヌキ マダトトカネバ 【ツメ、爪・モ・ヌ、抜・キ(分詞)、爪も抜き(身体の苦痛により人の尊厳を損傷し)】、【マダ、未・トトカ、届・ネ(否定)・バ、未だ(死罪に)届かないので】、
7-41 ころすとき むかつヒめより コロストキ ムカツヒメヨリ 【コロ、殺・ス(分詞)・トキ、時、殺そうという時】、【ムカ、向・ツ・ヒ〔人〕メ、媛・ヨリ、自、(カナサキの指導によって)ムカツヒメから】、
7-41 さおしかに うけものゐのり サオシカニ ウケモノヰノリ 【サ、小・オ(寧)シカ、然・ニ、幼いカムリが】【ウ、受・ケ(分詞)・モノ、物・ヰ、奏・ノリ、宣、受けた「物言い」を上奏しました】。
7-41 よみかえす はなごのヨモさ ヨミカエス ハナゴノヨモサ 【ヨ、黄・ミ、泉・カエ、還・ス(完了)、(ハナコが)意識を取り戻したので】、【ハナ、華・ゴ、子・ノ・ヨ〔四〕モ〔喪〕・サ、小、ハナコの分の死罪は】
7-41 つくのゑハ さがおアかせよ ツクノヱハ サガオアカセヨ 【ツクノ、補・ヱ(分詞)、償・ハ(逆接)、相殺されたので】、【サ、清・ガ、濁・オ・ア、明・カ(分詞)・セ(使役)・ヨ(強調)、裁定を明らかにして下さい】。
7-42 そさのヲが しわざハしむの ソサノヲガ シワザハシムノ 【ソ、曾・サ、南・ノ・ヲ〔雄〕・ガ(生格)、ソサノヲの】、【シ、為・ワザ、業・ハ・シム、染・ノ、したこと・は・短気による】、
7-42 むしなれど さがなくつゝが ムシナレド サガナクツツガ 【ムシ、虫・ナ、也・レ(分詞)・ド(順接)、「癇癪(かんしゃく)」であり】、【サ、清・ガ、濁・ナ、無・ク(条件)・ツ、咎・ツ・ガ、罰、裁定も無く処罰するのは】、
7-42 なからんやわや ナカランヤワヤ 【ナ、無・カ(分詞)・ラン(推定)・ヤワ(反語否定)・ヤ(反語疑問)、無いのでは・ない・でしょう・か(と、再詮議を要求しました)】。
7-42 ことのりお もろがはかりて コトノリオ モロガハカリテ 【コト、言・ノ、宣・リ・オ、(サヲシカの)言宣を】、【モロ、諸・ガ・ハカ、諮・リ・テ、諸守が諮って(助命でなく、法の定めに従い死罪の分を減じた)】、
7-43 アめもとる おもきもしむの アメモトル オモキモシムノ 【ア〔敬〕メ、雨・モ・ト、取・ル(分詞)、雨亜族の長であるキミも了解しました】。【オモ、重・キ(分詞)・モ(例)・シ、染・ム(分詞)・ノ、重罪ということで一族の仲間も】、
7-43 なかはへり ましわりさると ナカハヘリ マシワリサルト 【ナカ、中・ハ、端・ヘ、減・リ(分詞)、半減し】、【マシ、交・ワ(分詞)・リ(不完)・サ、去・ル(分詞)・ト、交わりを去り】、
7-43 すがさアを やゑはゐもとむ スガサアヲ ヤヱハヰモトム 【ス、簾・ガサ、笠・ア〔敬〕、家・ヲ〔敬〕、(簾一門のような)笠で家々を】、【ヤ、家・ヱ、会・ハ、這・ヰ(分詞)・モト、求・ム(分詞)(枕)、御家を求めて彷徨う】、
7-43 したゝみの さすらやらいき シタタミノ サスラヤライキ 【シタ、下・タミ、民・ノ、下民として(に小さな巻貝が這うとを掛ける)】、【サス、流・ラ(分詞)・ヤ、離・ラ(分詞)・イ(継)・キ(完了)、流離・やり・ました】。


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●連続訳8
諸守は、祝戸の前に、畏しこんで陣取り、これこそが常世の、御家の幸せだ、と寿ぎました。
君は笑み・細く戸を開けて、覗えば、イワムロの戸を投げるように一気に開けました。
タチカラヲ(甥のタケミカツチ)は、キミの御手を取り、イワムロから導き出し奉りました。
強将軍、ここではオモイカネが、締めくくりに、お戻りにならないで下さい、と乞いました。
その後、タカマに諮って、ソサノヲの刑罰は先の見えない程の、三種の刑でシイを枯らします。
髪抜き、月代により貴人の誉を除く、爪も抜き、身体の苦痛により人の尊厳を損傷し、未だ死罪に届かないので、殺そうという時、カナサキの指導によってムカツヒメから、幼いカムリが、受けた「物言い」を上奏しました。
ハナコが意識を取り戻したので、ハナコの分の400クラの死罪は、相殺されたので、裁定を明らかにして下さい。
ソサノヲの、したことは短気による、「癇癪(かんしゃく)」であり、裁定も無く処罰するのは、無いのでは・ない・でしょう・かと、再詮議を要求しました。
サヲシカの言宣を、諸守が諮って、助命でなく、法の定めに従い死罪の分を減じた、雨亜族の長であるキミも了解しました。
重罪ということで一族の仲間も、半減し、交わりを去り、
簾一門のような笠で家々を、御家を求めて彷徨う、下民として、に小さな巻貝が這うとを掛ける、流離・遣り・ました。

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●解説8
キミは大事件で動転しており、自分の立場を忘れていたのですが、オモイカネの機転で、心のゆとりを取り戻したところで、まだ幼さの残るタチカラヲ(タケミカツチ)が、手をとって、「おじちゃん、行きましょう」と促したのです。
決して、タチカラヲが、力任せに引っ張り出したのではありません、だいいち、それでは不敬にあたります。

ここで、またまた、クシミカタマのワザが出て、「シカルノチ」の前と後では大きく時間が異なっているのですね。

最初の頃、「チクラノミキダガレ」というのは、千科だと思っていたのですが、チは数詞ではなく、道暗(ちくら)だとわかるまでは随分時間がかかってしまいました。

ここにきて、髪抜きは月代(さかやき)のことだろう、と思っていましたが、キミは前髪がありますが、トミは前髪が無いのではないか、と考えたのです。
髪を鬟(みずら)に結うときは、前髪も左右にわけて束ねていますので、トミは鬟にはしなかったのかもしれません。
つまり、ひと目でキミで無いことがわかるのです。
爪抜きはやだな、如何ともしがたいな、と思っていたところ、最近になって、ゲーム、アサシンクリードの中でエッツィオの妹のクラウディアに娼館の経営を任せていたのですが、話が進むと、クラウディアもアサシンとすることが決まり、そのイニシエーションの儀式で、焼いたヤットコで挟んで指を潰すというシーンがでてきました。
あー、なるほど、盟約のために指を一本使うのかぁ、と妙に納得したのです。
我等が物部氏も盟約のために、一本だけ爪を抜くのかぁ、と、ね。

こうして、ソサノヲは隠密行動を取ることになるのです。
とちゅうで、セオリツヒメが、ハナコが意識を取り戻した、というのまでは普通だな、と思いましたが、サヲシカに命じてソサノヲに400クラの減刑を奏上させようというのは、オモイカネの計画したことではないか、と考えました。
こういった密約は、丹波篠山の物部のツツガでやったのだろうと、かなり納得したところです。



春日神社(かすがじんじゃ)
兵庫県丹波篠山市黒岡75
35.078250,135.218833

祭神
武甕槌命
経津主命
天児屋命
姫大神

標高 212m
利用河川 黒岡川 藤岡川

これに対して、実際のツツガはというと、もっと奥まった所になります。


これは櫛岩窓神社、クシマド、イワマドという役人が篠山川で送られてきた囚人(あるいはソサノヲのように囚人のフリをしている関係者)を吟味して、単なる保護、隔離、生産要因、指導者、入牢と、振り分けるのです。
それゆえ、社伝で「門」と呼ばれているのです。
右上のところに1kmほど川を進んだところに、「中(なか)」という地名に注目してください。
江戸時代でも、吉原のような隔離された空間を「なか」と呼んでいました。

櫛石窓神社(くしいわまどじんじゃ)
兵庫県丹波篠山市福井1170
35.112208,135.329358

祭神
櫛石窓命(くしいわまどのみこと)
豊石窓命(とよいわまどのみこと)
大宮比売命(おおみやひめのみこと)

標高 244m
利用河川 篠山川


これは現代の櫛岩窓神社の拝殿です。

物部氏が「物部」と呼ばれるのは、ロジスティクスと総務を司っているからで、軍事「も」やっているだけなのです。

最後に、野洲の行事神社の近くに大岩山古墳群というのがあり、そこから多数の銅鐸が出土していますが、銅鐸は大きな戦で味方を鼓舞するのに持ちいると言われておりますが、ツハモノヌシがチェックしている不穏勢力のものか、あるいはオモイカネの軍勢のものか解っていないのです。


これはその付近にある銅鐸博物館の展示物です。
なんでも、さわって叩いて音を聞けるとか。

次回はまた、神谷宗幣、いときょう両氏のビデオの批判をやります。



さて、ホツマツタヱに関するご意見ご要望、いちゃもん、文句、NGのあるかたは掲示板のほうに書いていただければ、うちのヱが対応します。
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