シベリアの夜長を古代史に夢を馳せて〜その384〜 |  アンドロゴス生涯学習研究所

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今回は、ホツマツタヱ6アヤの解説、Part3をやります。

まずは本文から。

●一行訳5

6-21 またおとご つはものぬしと マタオトゴ ツハモノヌシト 【マタ、又・オト、弟・ゴ、御、また、弟(ソサノヲ)に】、【ツハ、強・モノ、兵・ヌシ、主・ト、強将軍(ここではオモイカネ)と】、
6-21 こくみそえ つほねとゝめて コクミソエ ツホネトトメテ 【コ、去・ク、来・ミ、身・ソ、添・エ(分詞)、使い走りの下級官吏を添えました】。【(3人の)局はとどめて】
6-22 かゑらんと こそよりむかふ カヱラント コソヨリムカフ 【カヱ、帰・ラ(分詞)・ン(意思)・ト(態)、帰ろうと(しました)】。【コ、此・ソ、其・ヨリ、自・ムカ、迎・フ(分詞)、これより、(ミヤツに)連れて来ていた】、
6-22 そさのヲと あまのみちねと ソサノヲト アマノミチネト 【ソ、曽・サ、南・ノ・ヲ〔雄〕・ト、ソサノヲと】、【アマ、雨・ノ・ミチ、道・ネ、根・ト、(雨亜族本家の)アマノミチネ(イサナギ)と(共に)】、
6-22 かどでなす ねなとやよいの カドデナス ネナトヤヨイノ 【カド、門・デ、出・ナ、為・ス(分詞)、(アマテルはミカリの旅に)出発しました】。【 ネ・ナ・ト、弟・ヤヨイノ、ネナト(癸酉)弥生の】、
6-22 もちよりそ うつきのもちに モチヨリソ ウツキノモチニ 【モチ、望・ヨリ、自・ソ(強調)、(ミカリに出たのは)望(15日)からです】。【ウ、卯・ツキ、月・ノ・モチ、望・ニ、卯月の望(15日)に】、
6-23 かえります ヒのはやヒこに カエリマス ヒノハヤヒコニ 【カエ、帰・リ(分詞)・マ、坐・ス(分詞)、帰りました】。【ヒ〔人〕・ノ・ハヤ、速・ヒ〔人〕コ、彦・ニ、(アマテルは速川一門の貴人、)ヒノハヤヒコに】、
6-23 みことのり なんぢくにゑお ミコトノリ ナンヂクニヱオ 【ミ(寧)コト、言・ノ、宣・リ(分詞)、言いました】。【ナンヂ、汝・クニ、国・ヱ、絵・オ、汝は国の絵地図を】、
6-23 うつすべし やまとめくりて ウツスベシ ヤマトメクリテ 【ウツ、写・ス(分詞)・ベシ(指示)、作りなさい】。【ヤ、家・マ、間・ト、処・メク、巡・リテ、(ハヤヒコは)直轄地を巡って】、
6-23 みなゑがく きみハみやこお ミナヱガク キミハミヤコオ 【ミナ、皆・ヱガ、描・ク(分詞)、皆描きました】。【キミ、君・ハ・ミヤコ、都・オ、キミはミヤコを】、
6-24 うつさんと おもひかねして ウツサント オモイカネシテ 【ウツ、移・サ(分詞)・ン(意思)・ト(態)、移そうと思って】、【オモ、思・イ(分詞)カ、兼・ネ(分詞)・シ(使役)・テ(態)、オモイカネに】、
6-24 つくらしむ なりていさわに ツクラシム ナリテイサワニ 【ツク、造・ラ(分詞)・シ(使役)・ム(不完)、造らせます】。【ナ、成・リ(分詞)・テ(態)・イ、伊・サワ、雑・ニ、ミヤコが出来上がり・イサワに】、


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●連続訳5
また、弟(ソサノヲ)に、強将軍(ここではオモイカネ)と、使い走りの下級官吏を添えました。
3人の局はとどめて、帰ろうとしました。
これより、ミヤツに連れて来ていた、ソサノヲと、雨亜族本家の、アマノミチネ(イサナギ)と共に、アマテルはミカリの旅に出発しました。
ネナト(癸酉)弥生の、望(15日)からです。
卯月の望(15日)に帰りました。
アマテルは速川一門の貴人、ヒノハヤヒコに、言われました。
汝は国の絵地図を、作りなさい、と。
ハヤヒコは直轄地を巡って、皆描きました。
キミはミヤコを、移そうと思って、オモイカネに、造らせます。

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●解説5
ここで、弟というので、一行前のカンサヒのことだろうと、思っていましたが、じっくり考えると、無理があり、これはアマテルの弟御、つまりソサノヲだということに気がつきました。
ところが、ここで、また、アマノミチネなどというもっともらしい名前が出ていたので、間違って別の人材を考えた人は多かったのではないでしょうか。
これはイサナギのことなのです。
イサナギは生存中の雨亜族の血筋で、一番の歳嵩(としかさ)なのですから、ミチネに違いありません。

となると、親戚筋ついでに、コクミもかしら、と思ったのですが、そう一度に全部解決しなくてもいいかな、とも思ったのです。
まあ、いずれにしても、若輩のアマテルの見狩りに同行して、ついでに、ソサノヲも行儀見習いで、一気に解決、と踏んだのかもしれません。
そこにタカミムスビのオモイカネも居るわけですから、概ね、完璧な人事なのです。

前回までは、此の部分で、モチコの御披露目をやったのじゃないか、と思っていたのですが、ツボネトドメテとの整合から、どうやら間違いで、ここはイサナギ親子の見狩りで統一したのですが、遥かに自然な読み方になりました。
なにしろ、のんびり行って5日で着くところを一ヶ月かけるのですから、若い指導層に見狩りの実習をさせるには最適だったことでしょう。
ルートからして、琵琶湖東岸を通れば、何の不安も無い地域なのですから。

次の、ヒノハヤヒコですが、これまで、モチコ、ハヤコに反目するエージェントだと思っていたのですが、モチコもハヤコも速川の一族なのですから、あるとしたら近親憎悪とかでしょうか、いずれにしても、ヒノハヤヒコはニュートラルな官吏だったのでしょう。

何にしても、ヒノハヤヒコの成果物をタカミムスビのオモイカネが検討して、最適なミヤコとしてイサワを選んだということになります。


これは伊雑宮、オオヒノヤマトから移転した、アマテルのミヤコです。


●一行訳6

6-24 つくらしむ なりていさわに ツクラシム ナリテイサワニ 【ツク、造・ラ(分詞)・シ(使役)・ム(不完)、造らせます】。【ナ、成・リ(分詞)・テ(態)・イ、伊・サワ、雑・ニ、ミヤコが出来上がり・イサワに】、
6-24 みやうつし こゝにいませハ ミヤウツシ ココニイマセハ 【ミヤ、宮・ウツ、移・シ(分詞)、ミヤ移しをします】。【コ、此・コ、処・ニ・イ(継)・マ、坐・セ(分詞)・ハ、ここに定住した時】、
6-24 むかつヒめ ふぢおかアなの ムカツヒメ フヂオカアナノ 【ム、向・カ(分詞)・ツ・ヒ〔人〕メ、媛、ムカツヒメは】、【フヂ、藤・オカ、岡・ア〔敬〕ナ、名・ノ、藤岡家の】、
6-25 おしほゐに うぶやのみゝに オシホヰニ ウブヤノミミニ 【オシ、忍・ホ、穂・ヰ、井・ニ、オシホヰに於いて】、【ウ、産・ブ(分詞)・ヤ、屋・ノ・ミミ、耳・ニ、産屋の片隅で】、
6-25 アれませる おしほみのみこ アレマセル オシホミノミコ 【ア〔敬〕、在・レ(分詞)・マ、坐・セ(再帰)・ル(完了)、お生まれになったのは】、【オシ、忍・ホ、穂・ミ、身・ノ・ミ(寧)コ、子、オシホミの御子で】、
6-25 おしヒとゝ いみなおふれて オシヒトト イミナオフレテ 【オ、忍・シ(分詞)・ヒ〔人〕ト、仁・ト、オシヒトと】、【イ(継)ミ、身・ナ、名・オ・フ、触・レ(分詞)テ(態)、イミナを触れて】、
6-25 かみアりの もちゐたまゑハ カミアリノ モチヰタマヱハ 【カミ、上・ア〔敬〕、在・リ(分詞)・ノ、御上の生誕の(祝いの)】、【モチ、餅・ヰ、飯・タマ、給・ヱ(分詞)・ハ、餅米を給ったので】、
6-26 たみうたふ さきにもちこが タミウタフ サキニモチコガ 【タ、手・ミ、身・ウタ、歌・フ(分詞)、タミは喜びました】。【サキニモチコガ、この前にモチコが】、
6-26 うむみこハ ほヒのみことの ウムミコハ ホヒノミコトノ 【ウムミコハ、産んだ御子は】【ホ、穂・ヒ〔日〕・ノ・ミコト、尊・ノ(生格)、ホヒの尊の】、
6-26 たなヒとぞ はやこがミつご タナヒトゾ ハヤコガミツゴ 【タ、田・ナ、名・ヒ〔人〕ト、仁・ゾ(強調)、タナヒトでした】。【ハヤ、速・コ、子・ガ(属格)・ミ〔三〕・ツ・ゴ、子、ハヤコの三人の子は】、
6-26 ヒハたけこ おきつしまヒめ ヒハタケコ オキツシマヒメ 【ヒ〔一〕・ハ・タ、田・ケ、佳・コ、子、一番目は(アマテルの子)タケコ】、【オキ、沖・ツ・シマ、島・ヒ〔人〕メ、媛、オキツシマヒメ(琵琶湖沖島を継ぐ)で】、
6-27 フハたきこ ゑつのしまヒめ フハタキコ ヱツノシマヒメ 【フ〔二〕・ハ・タ、田・キ、木・コ、子、二番目はタキコ】、【ヱ、江・ツ、津・ノ・シマ、島・ヒ〔人〕メ、媛、江ノ島姫】
6-27 ミハたなこ いちきしまヒめ ミハタナコ イチキシマヒメ 【ミ〔三〕・ハ・タ、田・ナ、名・コ、子、三番目はタナコ】、【イチ、壱・キ、岐・シマ、ヒメ、(壱岐島つまりツキヨミの妻となった)イチキシマヒメです】。
6-27 しかるのち アきこがうめる シカルノチ アキコガウメル 【シカ、然・ル(分詞)・ノチ、後、その後】、【ア、安・キ、芸・コ、子・ガ(主格)・ウ、産・メ(分詞)・ル(完了)、アキコが産んだ】、
6-27 たゝきねハ アまつヒこねぞ タタキネハ アマツヒコネゾ 【タ、田・タ、手・キネ、杵・ハ、タタキネは】、【ア〔敬〕マ、雨・ツ・ヒ〔人〕コ、彦・ネ、根・ゾ、雨亜族の裔の長、アマツヒコネです】。
6-28 しかるのち みちこがうめる シカルノチ ミチコガウメル 【シカ、然・ル(分詞)・ノチ、後、その後】、【ミチ、道・コ、子・ガ(主格)・ウ、産・メ(分詞)・ル(完了)、ミチコが産んだ】、
6-28 ばらきねハ いきつヒこねぞ バラキネハ イキツヒコネゾ 【バ、場・ラ、母・キ、木・ネ、根・ハ、(地元の本家を継ぐ母の子)バラキネは】、【イ、壱・キ、岐・ツ・ヒ〔人〕コ、彦・ネ、根、イキツヒコネです】。


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●連続訳6
ミヤコが出来上がり、イサワに、ミヤ移しをします。
ここに定住した時、ムカツヒメは、藤岡家の、オシホヰに於いて、産屋の片隅で、お生まれになったのは、オシホミの御子で、オシヒトと、イミナを触れて、
御上の生誕の祝いの、餅米を給ったので、タミは喜びました。
この前にモチコが、産んだ御子は、ホヒの尊の、タナヒトでした。
ハヤコの三人の子は、一番目は(アマテルの子)タケコ、(琵琶湖沖島を継ぐ)オキツシマヒメで、二番目はタキコ、江ノ島姫、三番目はタナコ、(壱岐島つまりツキヨミの妻となった)イチキシマヒメです。
その後、アキコが産んだ、タタキネは、(「雨亜族の裔の長」)、アマツヒコネです。
その後、ミチコが産んだ、バラキネは、(「地元の本家を継ぐ母の子」)イキツヒコネです。

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●解説6

伊雑宮.png(いざわのみや)
三重県志摩市磯部町上之郷374
34.380278,136.808889

祭神
天照坐皇大御神御魂(あまてらしますすめおおみかみのみたま)

標高 9m
利用河川 野川、磯部川


これは現在の伊雑宮、白木造りでミニチュア的雰囲気ですね。
倭姫の宗教改革以降の造作とおもわれますが、弥生時代には大殿(おおとの)を局が取り囲んでいたと思われますので、規模は相当なものだったと考えられます。

ミヤウツシは、大きな慶事なわけですから、暫くは平和な時期がつづいたと思われます。

そして、ムカツヒメが皇子を産んだことで、不和の芽は延びてくるのです。
無論、モチコはただの妃(きさき)で、セオリツは后(きさき)なのですから、やむを得ない事態ですが、妬みが起こるのは宮中の日常、無事にはすまないのですが、トラブルを事前に対処するには宮内の目付けとしては、ミホツヒメの時代をまたなくてはならないのです。(それでも、ウツキネはバカやっちゃいましたが。)



さらに、この部分では出てこないのですが、11アヤに「イムナホノゴノ」と、イミナが濁音になっているので、不慮の死を遂げたと思っていました。

上御井神社(かみのみいのじんじゃ)
三重県伊勢市豊川町
34.487583,136.699833

祭神
上御井鎮守神

標高 9m

これは神社とは名ばかり、ただの井戸なのですね。


ただの井戸の覆屋(おおいや)のようですが、なにやらいわくがありそうです。
この井戸はずっと度会氏(わたらいうじ)の管理下にあるそうです。


これは上御井神社を閉ざすフェンス

実は、上御井神社では若水を汲む神職が、井戸に自分の姿を写すことを禁じているということなので、これは暗殺だな、と思いました。
しかも、その犯行は、この井戸の覆屋の中で行われた、ということなのです。

最近、アサシンクリードというゲームにハマっていましたが、その昔、あれは78年だったかな、ちょうどイタリアのピザに行ったとき、広場で人々が小グループに集まってなにやら議論していたのを覚えています。
恐れを知らない私は、近くにいた人に聞いたのです、コゼエ クエスト?(何か?)
かれは手に持った新聞を見せてくれ、エアサシナット アルドモーロと言いました。(アルドモーロが暗殺された、と)
これは、終生わすれることのできない出来事になりました。
まさか、そんな自分が、喜んで暗殺ゲームをやることになろうとは。
それでも、イベントをこなすたびに、リベラツィオネディロマ イニシアタ!というのが嬉しいのです。
それも、今日までで、明日はゼルダだー!

ここにはもうひとつ、不和のタネが、あり、ハヤコの三つ子というと、ソサノヲの子だと、思っている人も、思っていない人も、どちらも正しくないのです。
ツボネというのは、家元が間借りしているような処なので、女系の名家が4門あつまっているのですから、それは大変なことで、ハヤコの最初の子、タケコは順当にアマテルの子なのですが、次に生まれたのはソサノヲの子、タキコ、タナコの双子なのです。
つまり、ツボネというのはヒツギのキミが妃達に提供している殿にすぎず、妃たちが誰の子を産もうと、自由なのです。
私もこれに気付くまで、10年もかかっています。
女系の家というのはそれほど、強力なものなのです。

次回はまたビデオの話をします。



さて、ホツマツタヱに関するご意見ご要望、いちゃもん、文句、NGのあるかたは掲示板のほうに書いていただければ、うちのヱが対応します。
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