シベリアの夜長を古代史に夢を馳せて〜その379〜 |  アンドロゴス生涯学習研究所

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今回は、神話ホツマを政治利用するという試みに使うという観点から、神谷宗幣氏、いときょう両氏の展開した、「縄文ホツマツタヱの旅」というyoutube番組を俎上にあげ、今日はその10回目を批判的に見てみましょう。(このビデオは5年前のものです)
批判的に見る、といっても、私は神話も大好きなので、この両氏に敵対しているわけではないので、誤解のないように願いたいと思います。

神谷宗幣氏と、いときょう氏のトークショー
文字起こしではなく、要点をメモしただけですので、詳しく見たい方は下のリンクからどうぞ。

縄文ホツマツタヱの旅 第10回
https://www.youtube.com/watch?v=carTAVgYK6g
5アヤの、和歌の枕ことば

神谷;今日は第5章、第5アヤですね、ホツマでいうと、アヤという表現なので、今日はまた、和歌の話が出てくる、ということなんですね。
今日のタイトルは5アヤになりますが、ワカノマクラコトハノアヤ。
神谷;枕詞(まくらことば)ですね。
で、枕詞って、全然、意味が無い、と良く言われたりする、で、実はホツマでは、枕詞って何なのか、っていうことが書いてあるんですね。
神谷;へー、面白い。
で、その前にですね、熊野のお話を、今日はちょっと、したいんですけど、神谷さんも神社、ずっと巡ってらっしゃるので、花窟神社(はなのいわやじんじゃ)って行ったことあります?
神谷;花窟神社?いやー、無いと思います。
熊野にありまして、そこに、イザナミノミコトがお亡くなりになった場所があるんです。
神谷;イザナミ?
はいはい、イザナミのかた、いわゆる、カグツチにあの、火に焼かれて亡くなったかたです。
神谷。はい。
で、それは行くと、すごい場所でして、巨大な岩があって、その上にちょっと凹んだ祠があって、どうやら、そこでイザナミノミコトがお亡くなりになっている。
神谷;へーこれはまた、古事記とちがいますね。
で、えー、まあ、そういった場所で、その近く近くに産田神社(うぶたじんじゃ)っていうのがあります。
神谷;産田神社。
はい、ここでね、ソサノヲノミコトが生まれた場所、って言われている場所がある。
神谷;あれ、スサノオは、熊野、そうかそうか、熊野、だから、はいはい。
で、熊野で生まれたソサノヲって、どんな感じの人、イメージありますか?
神谷;えー、どうでしょう・・・熊野・・・古事記のイメージしか無いんですけど、熊野だからなんか、ねえ、森とか、木を育てていたのかな、って、そんな感じ。
で、あの、海にせまる山とか、ああいう深い山の、あれを見ると、スサノヲってのは、やっぱり、すごい元気で、ええ、子だったな、というイメージできるんですが、ホツマでは元気過ぎて、夜泣きがすごくて、周りの人々を困らせてたんですね。
神谷。なんかそれ、古事記と若干、似てます。
ああ、それ似てると思います。
神谷;古事記はお母さんに会いたい会いたいって泣いてたっていう、ね。
あまりにも、大声でお泣になって、またね、元気過ぎて、ちょっと大きくなると、田圃(たんぼ)を荒らしちゃうんですよ。
で、重播(しきまき)っていうんですけど、一回蒔いたところをまた種を播かざるをえなくなって、そういう行為をしてしまうんです。
イザナミ様は非常にね、困ってしまうんです。
で、人々のために、恩返しで、掛けを償おうとして実は、焼畑で、農業しようとしたんですね。
● どこから焼畑っていうのが出て来たのでしょうか?

で、周りの木を燃したわけで、その時に、カグツチの神、火の神でやった時に、ご自分が一緒に巻き込まれて亡くなっちゃうんです。
神谷;あらー
火に。
で、その火で焼かれた、遺体が、花窟神社の上に置かれたわけですね。
神谷;でー、なんかちょっと似てますね、古事記ともね、やっぱ、子供産んだときに火で、っていう話ですもんね。
で、その時にですね、イザナギさんは遺体のところまで行こうとするわけです。
その時、シラヤマヒメ様、ココリヒメ様がですね、
神谷;お姉さん。
お姉さんが、行っちゃいけません、て、言うわけですよ。
でも、行ってしまうんですね。
そしたらば、イザナミさんの霊は怒って、醜い女性をイザナギに送り込むわけです。
それで、いっしょけんめい逃げて、いろんなものをなげつけたりするんですけど、最終的に、桃の実を投げたら、追っかけてきた悪い、シコメという女性がいなくなるんです。
で、桃の実っていうのはシコメバライに効果があるんですね。
って書いてあるんですね。
後の遺跡で、奈良の都とか、そういうとこに、桃の実が、桃の種がたくんさん、出てくるのです。
神谷;桃の種が。
その意味っていうのは、イザナギさんの、そこの話に繋がってくるんです。
神谷;なるほどー。
● ホツマでも、桃の実(モモヒナミ)の寓意までは読めなかったようですが、そういう呪術的な効果を信じるところは考古学者に近いかも。

ところが、今の学者さんたちは、そこの事を知りませんから、中国からつたわった風習だ、とおっしゃるんですが。
神谷;いや、でも、古事記も一緒ですね、そこは、まあ、黄泉の国ですけど、そこはまあ、古事記と依拠している。
で、似てて、その後、反省したイザナギさんは、禊(みそぎ)をしながら、国を巡り始めるのです。
二人でいっしょけんめい水田を作っていた、あれをまた、もういっかい自分を気を新たにして、良く、チイオ、1500の水田とかいう言葉が出てくるんですが、それはそこから生まれるんですが、1500の民を私は生み出す、あ、あの、産んだ民をイザナミさんが怒って、皆殺してしまうよ、って言ったら、イザナギさんは、じゃ、私はそれ以上の民を産み出して、国を豊かにする、といって、国中巡りはじめたんですね。
神谷;ああ、なるほどなるほど、なるほど、あ、そうか古事記では、1000人殺すと、1500人産むと、逆にホツマのほうでは、田圃をね、水田とかを沢山つくることによって、国民を増やすんだ、と、より具体的なんですね。
方法が、ね。
● ここはちょっと、つたない、いときょう氏の、混乱したトークに、聞き役のはずの神谷氏が、楽屋落ちの修正をした形になっていて、見苦しいですね。

そうやって、巡って行った話が、出てまして、そして、ミチヒキノウタというのを歌うんですね。
実は、自分が妻をあの世に送ってしまって、私はあの世に行けないけども、行ってしまった、私は自分の恥を知ってしまった。
自分の欲で、見てはならないものを見に行ってしまった、それを晴らすために、葦を引きながら、国をつくるんだ、と。
ですから、足を引くというのは、悪いことをした事の葦を引く、ということと繋がるんです。
悪しの足と、葦の葦ですね。で、アシヒキノという言葉はヤマトと通じる言葉で、枕詞になるんです。
神谷;あー、なるほど。
そういうことがここに書いてあるんです。
神谷;じゃあつまり、アシビキノ、っていいうはそこが語源、というかそこがもととなって。
はい、葦を引いてという、ね。
神谷;あ、そういうふうに、ホツマのなかには、いろんな枕詞のルーツが書かれているんですね。
書かれてます。
神谷;というのが、今日のストーリーで、アシビキノという、言葉な、そこから生まれているんですよ、という。
そうです。
神谷;あ、私は勘違いしてました、ヤマト、あ、枕詞ってどういうことなんですか、ってことなんじゃなくて、枕詞の元になった言葉のストーリー、逸話が、たくさん出てくるっていうことですね。
ですから、枕詞をやると、次の新しい展開がうまれるので、大事なんですよ、枕詞は。
神谷;え、次の展開が生まれるというのはどういう意味ですか?
ですから、アシヒキノということばから、ヤマトっていう国が生まれるんです。
そのようにして、同じように、ですね、ほのぼのとか、アケとか、ヌバタマとかいろんな、枕詞が出るんですね、それも、やっぱり、その、新しい国とか、暗いものを明るくなるとか、そういうものに、繋がって行く言葉が、枕詞である、と。
神谷;じゃあ、私なんか、和歌、ちょっとだけ作るので、何か新しいこととか、始める時とか、生み出す時に、頭にアシビキノとか付けると、
また、違ってくる。
神谷;ちょっと風情が、変わるわけですね。
また、ぬばたまって言葉は夜を意味するのですが、真っ黒な実、ぬばたまってのは、ヒオウギっていいましてね、真っ黒な実を出すんですよ、それが割れた瞬間に、光、真っ赤な実が見えるんです、それが光なんです。
ぬばたまの、という言葉を付けると、次に、光を生む言葉に繋がってくると思いますね。
神谷;んー、そういう、こう、ストーリーがあって、枕詞が生まれているんですよ、ということも、書かれているんですね。
はい、書いてます。
神谷;すごい書物ですね、やっぱり。
はい、おもしろいでしょう。
神谷;面白いです、ふーん、古事記にはそういうことは無いですからね。
神谷;そういう意味では、古事記っていうのは、まさしく、日本の説明をしている、書物だというイメージがしますけど、ホツマっていうのは、なんかもっと、生活に根付いた、感覚が、今してますね、5話まで聞いてですけど。
さっき申し上げた、花窟神社ってのは日本で一番長い注連縄(しめなわ)の御神事があるんですがね。
神谷;あー、そうかそうか、それで名前聞いたことがあるんだ。
たぶん、あの、本居宣長さんもいらっしゃっていると思うんですが、それは、じつは、シラヤマヒメ様が、そこに、花と、稲穂を順番に吊り下げなさいと、それでイザナミ様の霊を弔いましょうと言っている記述がここにあるんです。
● そんな記述はありません、あるのは花の季節と穂の季節にお祭りをした、ということです。(読み間違い)

その御神事が今だに残っている。
神谷;なるほど、あ、それはイザナミの霊を弔うための神事。
神谷;こないだ、伊勢行ったときに、吉野、熊野、それから伊勢の、このセットでまわると、また日本の見え方変わります、ということをアドバイス頂いたので、今度、熊野行く時に是非、私、足を運んでみたいと思います。
はい、そうですね。
神谷;ていうことで、今日は和歌の枕詞、こういうふうな、逸話で生まれましたよ、ということでしたが。次回はアマテラスオオカミのお妃の話、ということで、これも、古事記では、タブーっていうか、女性に御妃っていうのは何だ、という話ですけど、ホツマに於いては、アマテラスは男性なので、御妃がいても、全然おかしくないということで、次回その話をお聴きしたいと、思います、ほんとに古事記とのコントラストで見ていくと、話が広がって面白いですね、次回をたのしみにしています。

メモはここまでで、この後は私の普通の記事になります。

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この話をしているのは、政治家にまちがった歴史観をレクチャーするのは不届きじゃないか、という仮定のもとで、始めたのですが、今回の部分でその行き方が完全にまちがっていた、ということがわかりました。
つまり、企画は神谷宗幣氏が始めたもので、いときょう氏は専門家として話をしているだけだったのです。

ソエジーなどは、彼の重たい掲示板で、「参政党(さんせいとう) の代表の神谷崇幣(かみやそうへい)というのは、おかしいを通り越して、こいつは、幸福実現党から、一気に、改名して、集団で、党名を変えて、全国で、170万人ぐらいの選挙票(各県で、きっちりと 5千票ずつ。かける46県で170万 )をもっている政党 の党首 だ。
凶悪な男だ。 こいつらは、統一教会(とういつきょうかい。Moonies ムーニー)の別動隊だ。私たちは気を付けなければいけない。」

などと言っていますが、これはどうでしょうか、本人が宗教家なら政治をやってはいけない、という法はありません。
政治家はトークをすることが仕事ですし、この程度の腹芸を使うのは普通です。
どちらかといえば、ソエジーの方が問題は多いでしょう。
311のときは私も東京で被害をうけていますが、その時も、原発の放射能は問題にならないといって簡単に変節し、多くの人々を誤誘導した事実はまだ風化してはいません。(私のうけた被害については過去記事を参照してください)

さて、では、いときょう氏と、事実を争うことにしましょう。
これは神話ホツマ全体に言えることですが、事実誤認が多い、ということです。

多くを上げつらう必要は無いでしょう、ヒオウギ(日扇)の件だけで充分です。


これはヒオウギの葉です。
やがて、花が咲きます。


これはヒオウギの花、確かに、燃え盛る炎のようなイメージです。
やがて、花が終わると実ができます。


これはヒオウギの実、まだ熟していないので、緑色です。
やがて熟して黒くなります。


これは熟したヒオウギの実、一名「ぬばたま」です。
真っ黒で夜の枕になりそうですね。

以上、ヒオウギの姿を時系列で示しました。
しかし、いときょう氏の話とは一致しません。
それは、神話を好む人は時系列を考慮しない、あるいはできない、という特性があるのです。
弥生時代の人は、自然を観察し、そのすがたを模倣しようとしたのです。

これに対して、いときょう氏は単なる心象風景、それも先輩から教えられただけのものを映像化して、他人に伝えて行くのです。
そして、政治家がそれをすれば、「歴史修正主義者」と言われることになるのです。
ぬばたまの実は、けっして、はじけて、燃える炎のような花にはならないのです。

次回は本文にもどって、6アヤの解説に入りたいとおもいます。



さて、ホツマツタヱに関するご意見ご要望、いちゃもん、文句、NGのあるかたは掲示板のほうに書いていただければ、うちのヱが対応します。
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