シベリアの夜長を古代史に夢を馳せて〜その260〜 |  アンドロゴス生涯学習研究所

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ホツマツタヱ20アヤ、そのPart4の解説をします。

ここはソラミツヤマト(虚見の家間処)のはなしなのですが、やっとこさ、アスカの足取りがわかったのです。


●一行訳7

20-26 つくもより いつのみさきに ツクモヨリ イツノミサキニ 【ツク、次・モ、百・ヨリ、九十九里から】、【イ、伊・ツ、豆・ノ・ミ、水・サキ、崎・ニ、伊豆の岬に】
20-27 ほおあけて おきはしるメハ ホオアケテ オキハシルメハ 【ホ、帆・オ・アケ、揚・テ、帆を揚げて】、【オキ、沖・ハシル、走・メ〔眼〕・ハ、沖を帆走している(人々の)視線は】、
20-27 おほそらお はるかにかけり オホソラオ ハルカニカケリ 【オホ、大・ソラ、空・オ、大空を】、【ハルカ、遥・ニ・カケリ、駆、遥かに駆けていた】。
20-27 ミくまのゝ みやゐおかみて ミクマノノ ミヤヰオカミテ 【ミ〔三〕クマ、熊・ノ、野・ノ】、【ミヤ、宮・ヰ、居・オカミ、拝・テ、(遠く見えない)宮居を遥拝して】、
20-27 なみハより かもにていたる ナミハヨリ カモニテイタル 【ナミ、浪・ハ、速・ヨリ、浪速で(乗り換え)】、【カモ、鴨・ニ・テ・イタル、至、鴨船で至った】、
20-28 いかるかの みねよりとりの イカルカノ ミネヨリトリノ 【イ、斑・カル、鳩・カ、鵤・ノ、イカルガの里の】、【ミネ、峰・ヨリ・トリ、鳥・ノ、峰から鳥が】、
20-28 しらにハに アまのいわふね シラニハニ アマノイワフネ 【シラ、白・ニハ、庭・ニ、白庭の地に(舞い降りたように)】、【ア〔天〕マ・ノ・イワ、祝・フネ、船、アメの祝船が】、
20-28 おほそらお かけりめくりて オホソラオ カケリメクリテ 【オホ、大・ソラ、空・オ、大空を】、【カケリ、駆・メクリ、巡・テ、駆け巡るように(着いた)】、
20-28 このさとの なおもそらみつ コノサトノ ナオモソラミツ 【コ、此・ノ・サト、里・ノ、この里の】、【ナ、名・オ・モ・ソラ、虚・ミ、見・ツ、名を「虚見の】、
20-29 やまとくに みやつやなりて ヤマトクニ ミヤツヤナリテ 【ヤ、家・マ、間・ト、門・クニ、国、ヤマトの国」(と呼ぶようになったのは)】、【ミヤ、宮・ツ・ヤ、屋・ナリ、成り・テ、宮の建物が出来て】、
20-29 そふのかみ すがたがむすめ ソフノカミ スガタガムスメ 【ソ、曾・フ、布・ノ・カミ、上、浅い日から縁のある地元の御上】、【スガ、菅・タ、田・ガ・ムスメ、娘、菅田の娘を】、
20-29 みきさきに なしてうたよみ ミキサキニ ナシテウタヨミ 【ミ(寧)キサキ、后・ニ、御后に】、【ナシ、為・テ・ウタ、歌・ヨミ、詠、定めて・ウタを詠んで】、
20-29 かだかきの ことおたのしむ カダカキノ コトオタノシム 【カ、荷・ダ、抱・カキ、掻・ノ、カダを掻き鳴らし、】、【コト、琴・オ・タノシム、楽、琴歌を楽しむ(べきところだったのですが)】、
20-30 いかるがの みやにうつりて イカルガノ ミヤニウツリテ 【イ、斑・カル、鳩・ガ、鵤・ノ、イカルガ(濁音注意)の】、【ミヤ、宮・ニ・ウツリ、移・テ、ミヤに移って】、
20-30 そのあすか うてなによもお ソノアスカ ウテナニヨモオ 【ソ、其・ノ・アス、明・カ、日、その翌日の事】、【ウテナ、台・ニ・ヨ、世・モ、表・オ、高台から世表を】、
20-30 のぞむおり しらにハやまに ノゾムオリ シラニハヤマニ 【ノゾム、望・オリ、折、見ている時に】、【シラ、白・ニハ、庭・ヤマ、山・ニ、白庭山(のミヤ)に】
20-30 からすとふ くまのとおもひ カラストフ クマノトオモヒ 【カラス、烏・トフ、問、カラス衆が訪れました】。【クマ、熊・ノ、野・ト・オモヒ、思、(早くも)熊野一門の(横槍か)と思い】
20-31 みやうつし ときにこやねハ ミヤウツシ トキニコヤネハ 【ミヤ、宮・ウツシ、移、ミヤを移す宣言をしました】。【トキ、時・ニ・コ、子・ヤ、屋・ネ、根・ハ、その時コヤネは言います】、


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●連続訳7
九十九里から、伊豆の岬に帆を揚げて、沖を帆走している(人々の)視線は、大空を、遥かに駆けていました。
三つの熊野の、遠くて見えない宮居を遥拝して、浪速で乗り換え、鴨船で至った、イカルガの里の、峰から鳥が、白庭の地に舞い降りたように、アメの祝船が、大空を駆け巡るようにして着いた、この里の名を「虚見のヤマトの国」と呼ぶようになったのは、宮の建物が出来て、浅い日から縁のある地元の御上、菅田の娘を、
御后に、定めて・ウタを詠んで、カダを掻き鳴らし、琴歌を楽しむべきところだったのですが、イカルガの、ミヤに移って、その翌日の事、高台から世表を、見ている時に、白庭山のミヤにカラス衆が訪れました。
キミは、早くも、熊野一門の横槍か、と思い、ミヤを移す宣言をしました。

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●解説7
ここでは「ツクモヨリ」と書いてあるのですが、何隻かに分乗して川を下ったと思いますので、利根川(この時代には未だ香取の海)のほうが便利な気はしますが、香取・鹿島の付近には、浅い日に国栖(くず)から移住してきた造船職能集団が住み着いていたようで(つまり、祝国栖船の本場)、縄文人と融和して、この地域は弥生時代の、造船基地を構成していた可能性があります。流域の堆積を調べることによって弥生時代の造船技術を示す遺跡の発見に至るのではないか、と考えています。
さて、海に出ると、風が良ければ帆を上げて伊豆の岬を目指すことになります。
ワニフネと異なり、カモ(鴨船)か、カメ(亀船、鴨より大きい)をベースにしたのがイワクスフネと考えられますが、帆を使えるので明るいうちになら、次の港まで行くことができるのです。
船団を組んだ場合には一番遅い船に合わせながら寄港しなくてはなりません。
ここで、伊豆の岬と言っているのですから寄港地は熱海、宿舎はヰツサキノカリヤに比定される伊豆山神社と思われます。

伊豆山神社
静岡県熱海市伊豆山上野地708-1
35.115538,139.082429

祭神
天忍穂耳尊
拷幡千千姫尊
瓊瓊杵尊

標高 168m
利用河川 無し(直接海を利用)
海岸から837段の石段を登る
洞窟から自噴する「走り湯温泉」有り

かつて、24アヤを「〜その73〜」でざっと紹介したときには経験不足で、まったく見えていなかったことばかりで、この階段は北条氏が築いたものだと思っていましたが、こりゃ、わかりませんね。
「カリヤ」も「狩屋」だろうと思ったのですが、定住しないミヤ、という意味で「仮屋」でよいのではないでしょうか。

一行は全員、屈強なモノベ衆、石段だろうが山道だろうが、もとより山住の血筋だったりもするし。

さて、海にもどって、海路を辿り、熊野のカラス衆を嫌って、新宮で上陸しないとなると、手前の伊雑(いさわ)でしょうか、ここはやはりアマテルのタマツミヤ(霊府宮)なので飛ばすことはできないでしょう。
こうして、紀伊半島をぐるりとまわり、次に上陸するのは、浅い日の神のタマツミヤであるトヨクンヌ(豊国主)を祀ったと思われる國懸神宮(くにかかすじんぐう)ではないでしょうか。
ここはモノベ衆の屯する軍事拠点でもありますので、はずせないところだと思います。
さて、そこを出るといよいよ、ナミハ(浪速)でカモフネにのりかえたのでしょう。
通常。ニシノミヤまで言ってカモフネに乗り換えてから大和川を遡行するのですが、現住之江区の付近はカナサキのプロパティなので軍船の乗り換えも出来るのです。
現在のように、埠頭が張り出していた訳ではないので、住之江付近で乗り換えてから大和川、木津川、淀川を自由に選べたということです。
さて、今回は大和川をたどることになります。
直線で24km程入ったところで富雄川が合流していますので、富雄川を選びます。


いままで、飛鳥川にはいると思ってしまったので、どこへ行くか解らなくなっていたのです。
明日香ではなかったのです。
さて、富雄川を2kmほど遡って行くと、現代なら左手に法隆寺の五重塔が見えるあたりですが、今は弥生時代、まだ寺は無いので、その方角には斑鳩の山並みが見えるのです。



さらに9kmほど遡ると、なんと、そこは鳥見町ではありませんか。

でも、この地名は記紀の神話をもとにした「鳥を見たところ」でしょうか。

そこからさらに2.5km遡ったところが「あすか野」だったのです!


ここの、あすか野と白庭台が「虚見のヤマトの国(家間処国)」だったのですね。
拠点記号の位置は、天之忍穂耳神社(あめのおしほみみじんじゃ)今回の遠征のためにオシホミミがアスカに与えたミヤで、川の西側はすべてタミが耕作している場所なのです。
あすか野や白庭台のような、現代、ニュータウンのように見える地域は、拓かれた時には農地として使われ、やがて、タミの街区を形成していったと考察されますが、そのような地域にはキミのミヤは配置されることが少なく、そこを領地として見渡すことのできる場所がミヤの好適地だったのです。


●一行訳8

20-31 みやうつし ときにこやねハ ミヤウツシ トキニコヤネハ 【ミヤ、宮・ウツシ、移、ミヤを移す宣言をしました】。【トキ、時・ニ・コ、子・ヤ、屋・ネ、根・ハ、その時コヤネは言います】、
20-31 はやかれと おほものぬしも ハヤカレト オホモノヌシモ 【ハヤ、早・カレ(推量)・ト、早過ぎです・と】、【オホ、大・モノ、兵・ヌシ、主・モ、大将軍であるコヤネも】、
20-31 とゝめける ふとだまがいふ トトメケル フトダマガイフ 【トトメ、止・ケル、止めましたが】、【フト、太・ダマ、霊・ガ・イフ、言、(将軍の一人)フトダマのキミが言います】、
20-31 かゞなえて きみのおほすお カガナエテ キミノオホスオ 【カガナエ、考・テ、考えたうえで】、【キミ、君・ノ・オホス、言・オ、キミが言われるのを】
20-32 とゝめんや かぐやまもいふ トトメンヤ カグヤマモイフ 【トトメ、止・ン(意思)ヤ(疑問・批難)】?【カ、香・グ、具・ヤマ、山・モ・イフ、言、カグヤマのキミ(つまりアスカ)も言います】。
20-32 くまのなる あすかうつせハ クマノナル アスカウツセハ 【クマ、熊・ノ、野・ナル(伝聞・推量)、クマノが制していると思われる】、【アス、明・カ、日・ウツ、移・セ(条件)・ハ、一日で移すなら】、
20-32 よきためし すてにきわまる ヨキタメシ ステニキワマル 【ヨキタメシ、優れた前例に(なるだろう)】、【ステニキワマル、もう決まったことだ】。
20-32 ものぬしハ いかりていわく モノヌシハ イカリテイワク 【モノ、兵・ヌシ、主・ハ、(クシヒコ)将軍は】、【イカリ、怒・テ・イワク、言、はげしい怒りをフトタマにぶつけるように言いました】。
20-33 ふとだまハ きみのとのおぢ フトダマハ キミノトノオジ 【フト、太・ダマ、霊・ハ、フトタマは】、【キミ、君・ノ・ト、外・ノ・オジ、叔、キミ(アスカ)】
20-33 とみをきな きなふよろとし トミオキナ キナフヨロトシ 【トミ、臣・オキナ、翁、臣の長老(ではないか)】、【キ、昨・ナフ、日・ヨロ、万・トシ、歳、昨日・(引越しを)万歳で】
20-33 きみいわひ けふまたかわる キミイワヒ ケフマタカワル 【キミ、君・イワヒ、祝、キミが祝った(ばかりなのに)】、【ケ、今・フ、日・マタ、又・カワル、替】、
20-33 みやうつし ヨろチハとおし ミヤウツシ ヨロチハトオシ 【ミヤ、宮・ウツシ、移、ミヤの引越し】、【ヨ〔百〕ロ・チ〔千〕・ハ・トオシ、遠、百年・千年は永過ぎるが】、
20-34 ヒとゝせも へざるおせめハ ヒトトセモ ヘザルオセメハ 【ヒ〔一〕ト(類)・トセ、歳・モ、一年も】、【ヘ、経・ザ(否定)・ル(完了)・オ・セメ、責・ハ、経って居ないことを問題にするなら】、
20-34 よのはぢハ なんちのこゝろ ヨノハヂハ ナンチノココロ 【ヨ、代・ノ・ハヂ、恥・ハ、当代のキミの恥は】、【ナンチ、汝・ノ・ココロ、心、臣である汝の心の】、
20-34 けかれより きみあやからバ ケカレヨリ キミアヤカラバ 【ケカレ、穢・ヨリ、穢れからなのだ】、【キミ、・アヤカラ、肖・バ、(それに)キミが肖るなら】、
20-34 われおらす あかねホのほに ワレオラス アカネホノオニ 【ワレ、我・オラ、居・ス(否定)、私はもう(ここに)居ることはできない】、【アカネ、茜・ホ〔炎〕ノオ・ニ、茜に燃え盛る炎で】
20-35 つみすとも まろかねはめと ツミストモ マロカネハメト 【ツミ、罪・ス・ト・モ、焼かれる罰を受けても】、【マロ、丸・カネ、金・ハメ、喰・ト、猿轡を噛まされても】、
20-35 けかれゑず かくいゝかえる ケカレヱズ カクイイカエル 【ケカレ、穢・ヱ、得・ズ(否定)、(この)穢れを受け入れることはできない】。【カク、斯・イイ、言・カエル、そう言って・帰ってしまった】。
20-35 もろはかり ついにうつして モロハカリ ツイニウツシテ 【モロ、諸・ハカリ、諮、諸守は会議の末に】、【ツイ、終・ニ・ウツシ、移・テ、最後には、ミヤウツシを定め】、
20-35 あすかがわ くるワにほりて アスカガワ クルワニホリテ 【ア、明・ス、日・カ、香・ガワ、替、アスカ野の替わりに】【クル、曲・ワ〔地〕・ニ・ホリ堀・テ、曲地(環壕ではなく道がまわりこむように)に掘をつくって(最低限の防御をして)から】、
20-36 みそぎなすかな ミソギナスカナ 【ミ、身・ソギ、添・ナス、為・カナ、(周囲の豪族と)身添ぎ(和平交渉)をしました)】。


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●連続訳8
その時コヤネは言います、早過ぎです、と。
大将軍であるコヤネも、止めましたが、将軍の一人、フトダマのキミが言います。
考えたうえで、キミが言われるのを止めるというのですか?
カグヤマのキミ(つまりアスカ)も言います。
クマノが制していると思われる、ミヤを、一日で移すなら、優れた前例になるだろう、もう決まったことです。
クシヒコ将軍は、はげしい怒りをフトタマにぶつけるように言いました。
フトタマは、キミの義理の父で、臣の長老ではないか。
昨日、引越しを万歳で、キミが祝ったばかりなのに、今日又替わる。
ミヤの引越しに百年、千年は永過ぎるが、一年も経って居ないことを問題にするなら、当代のキミの恥は、臣である汝の心の穢れからなのです。
それにキミがあやかるなら、私はもう、ここに居ることはできません。
茜に燃え盛る炎で、焼かれる罰を受けても、猿轡を噛まされても、この穢れを受け入れることはできない、そう言って帰ってしまいました。
諸守は会議の末に、最後には、ミヤウツシを定め、アスカ野の替わりに、曲地、環壕ではなく道がまわりこむように掘をつくって、最低限の防御をしてから、周囲の豪族と身添ぎ(和平交渉)をしました。

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●解説8
この部分はフトタマとクシヒコ、それにアスカしか話していないのです。

さて、コヤネは言います、「早すぎです」、と。

すると、フトタマは考えた末にキミが言われたことに何故さからうのですか?と抵抗を示します。
ここで、アスカは自説を再度示して、良い政策だと思う、というのです。

こうなると、読者は混乱しますね。
挙句、敬称も無いし、カグヤマというのは別の臣で、アスカのミヤの城代家老みたいなもんじゃないか、とか。

私は最近、次のように訳の表現を統一することにしています。

モノヌシ・・・・・「将軍」
ツハモノヌシ・・・「剛将軍」
オオモノヌシ・・・「大将軍」

大将軍って云うと、なんか、チャールトンヘストンみたいで、カッコイイよね。
私は、権力者による英雄的な政策は大嫌いですが、お話としての英雄譚(えいゆうたん)は大好きです。

結局クシヒコは、ワシは帰る!と啖呵を切って去って行くのです。

フトタマについては、このアヤではここまでしかお話できません。
次の21アヤではフトダマについてほんの少しだけ、残りは24アヤまでお預けですね。

結局モノベ衆は割れたまま、諸守は、カミハカリの後に、ミヤウツシをします。

では、続きを辿ってみましょう。
まず、大和川・富雄川の合流点まで富雄川を下って話をしましょう。

ここから大和川本流を3km遡ったところが大和川と佐保川の合流点です。



さらに2km遡ると、そこに菅田神社があります。


これこそがアスカの行った、最低限の防衛だったのです。
「アスカガワ クルワニホリテ ミソギナスカナ」 のすべてがここにこめられていました。
鳥居も無いミヤ(トリが詰めて居ないから、そのシンボルである鳥居も無い)に隠れるように住んで、モノベ衆が統合されるのを待っていたのですね。


陸側から見ても、鬱蒼とした林があるだけで、まさか前のアマツヒツギのミヤだとは気が付かないでしょう。
現代では地元の人も、その存在の意味も知らずに、神社への崇敬の思いだけがあるのです。
https://jun-yu-roku.com/yamato-heguri-hachijo-sugata/

一夜松の伝説、2000年の時を超えて、今、そのコンテンツが蘇って来るのです。

では、あすか野のタミたちは、その後どうしたか、というと、普通に過ごしていたのでしょうね。
もともと家族だった自作農の集団なので、キミは息災で居るだけでもじゅうぶんなのです。
もちろん、そのタミはかつてオシホミミの家族だったタミなのですから、同じトライブ、つまりその時にはアスカの家老に相当する、トミヲキナ(つまりフトタマ)の家族でもあったわけです。
しかし、イカツチ衆とはナギの時代に、既にやらかしていたわけですから、仮想的にしたのが間違いなだけで、ありふれた諍いなのだと思います。

アスカが最低限の防衛と書いたのは、この付近、特に大和郡山市には重武装を思わせる完全な環濠を有するものばかりだからなのです。
この時代、若干不安定な状態だったようで、大和路では環壕をめぐらして武装したトライブ(いわゆる地方豪族)の遺跡が随所に見られるのです。


これは有名な稗田環濠集落(ひえだかんごうしゅうらく)、集落っていうと、もっとプリミティブなものを想像しますね。
また、「賣太神社(めたじんじゃ)が集落の端にある」なんて表現されてたりしますが、本末転倒ですね。

祭神も
稗田阿礼(ひえだのあれ)
猿田彦命(さるたひこのみこと)
天鈿女命(あめのうずめのみこと)
となっており、主祭神が稗田阿礼では、サルタやウスメとは時代が数百年違うのです。

〜その256〜」で、二十五鈴のアスカの治世下、モノベ衆が5つに割れていたことを書きましたが、その遣り繰りがついたのは、二十六鈴、ニニキネの代になってからだったのです。
次回は21アヤの話をしたいと思いますが、ニニキネがニハリノミヤを開いたのは今回のアスカの話の少し前だったようです。


さて、ホツマツタヱに関するご意見ご要望、いちゃもん、文句、NGのあるかたは掲示板のほうに書いていただければ、うちのヱが対応します。
http://hot-uma.bbs.fc2.com/