シベリアの夜長を古代史に夢を馳せて〜その239〜 |  アンドロゴス生涯学習研究所

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前回の最後の部分の記事に貼り間違いがありました。


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●一行訳(抄)

16-42 をヲんかみ コソムつきます ヲヲンカミ コソムツキマス 【ヲ〔敬〕ヲ〔尊〕ンカミは】、【コ〔九〕ソ〔十〕ム〔六〕ツキ・マス、(親の家に)96ヶ月居ました】。
16-42 このこやね もゝつきませり コノコヤネ モモツキマセリ 【コ・ノ・コヤネ、此のコヤネは】【モモ、すべての・ツキ、家付き・マセリ、これまでずっと居ました】
16-43 たちからヲ ミソむつきます タチカラヲ ミソムツキマス 【タチカラヲ〔雄〕は】、【ミ〔三〕ソ〔十〕・ムツキ・マス、30年居ました】。
16-43 さるたヒこ そむとしおれど サルタヒコ ソムトシオレド 【サルタヒ〔人〕コは】、【ソム、染む・トシ、ずっと居りましたが】、
16-43 これハまれ ヲのこハとしに コレハマレ ヲノコハトシニ 【これは稀です】。【ヲ〔雄〕ノコ・は・年に(ずっと)】、
16-43 めハとつき いきすよけれバ メハトツキ イキスヨケレバ 【メ・ハ・トツキ、女は門継(まで)】、【イキス・ヨ・ケレ・バ、(自分が)生まれた家で・良ければ】
16-44 うむもやすきぞ ウムモヤスキゾ 【ウム・モ・ヤスキ・ゾ、(子は)産みやすいものなのです】。


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●連続訳(抄)
ヲヲンカミ(アマテル御上)は、親の家に96ヶ月居ました。
此のコヤネは、これまでずっと居ました。
タチカラヲは、30年居ました。
サルタヒコは、ずっと居りましたが、これは稀です。
男の子は、年に(ずっと)、女は門継(とつぎ)まで、自分が生まれた家で、良ければ、子は産みやすいものなのです。
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単純に読み間違いをして部分訂正をしようと想って消したあとに、修正したものを(元データで)貼り忘れていました。
さらに、連続訳は気づいてもいなかったし。

これだけでも、間違いが良く解る例だと思います。
なんのことは無い、妊娠期間だと思っていたのは、実は生まれてから、親の家に居た期間だったのです。

そもそも、「栖」という字は「鳥の巣」と同じ意味で、「息栖(いきす)」は「生家(せいか)」のことだったのです。
他のアヤでも96ヶ月と書いてあったのを、去年の末から今年の一月一日にかけて生まれた、とかいろいろ考えてしまったものです。

また、コノコヤネは「此の」としましたが、フツヌシ(カトリ御上)は甥をカバネの子としているので、「子の」ほうが適切かもしれません。
(って云うのも、誤解だったりして・・・)


これは常陸の息栖神社

息栖神社(いきすじんじゃ)
茨城県神栖市息栖2882
35.887851,140.625064

祭神
久那戸神 (くなどのかみ)
標高3m
利用河川 常陸利根川まで500m

この話の、前半ではイキスはバイタルのことで、後半では「実家」のことをさしているようです。
出てくる場所全部だと思ってしまうと、ダマされてしまいます。
ただ、血圧、呼吸、脈拍はどうやって数えたのでしょうか?そのタイムベースは?
精密な時計などはまだ無い時代でしたし、天智の漏刻まではまだまだ遠いのです。


前回の記事は恥をさらすためにそのままのこして置きます。
どなたでも、正しいと確信するなら、どの記事でも訂正の要求を建てていただきたいと思います。
なにしろ私は、尊敬すべき先達などではなく、単なるボケ老人なのですから。

まあ、気を取り直して、本文に行きましょう。

今日はホツマツタヱ16アヤの解説、Part3です。


●一行訳6

16-44 またのとい たみハこさわに マタノトイ タミハコサワニ 【(姫は)まta問います】、【タミ、民・ハ・コ、子・サワ、沢・ニ、タミには子が沢山生まれますが】、
16-44 かみとのゝ こなきハいかん カミトノノ コナキハイカン 【カミ・トノ・ノ、御上の殿の】、【コ・ナキ・ハ・イカン、子が無いのはどうでしょうか】?
16-44 こもりまた せおりつヒめの コモリマタ セオリツヒメノ 【コモリ・マタ、コモリはまた説きます】、【セオリツヒ〔人〕メ(慎み深い女性ではない)ハ】、
16-45 つゝしみに たみのなすわざ ツツシミニ タミノナスワザ 【ツツ、伝え・シミ、染み・に、伝え聞きますが】、【タミ・ノ・ナス・ワザ、タミの業務の遂行に】
16-45 みおくだき はたらくとても ミオクダキ ハタラクトテモ 【ミオクダキ、邁進し】、【働きましたが(穂虫の故事)】、
16-45 こゝろむく あぶらさかんに ココロムク アブラサカンニ 【ココロ・ムク、そこに心を向ける(キミは)】、【アブラ・サカンニ、脂気は盛んで】
16-45 こおうるぞ くにかみなどハ コオウルゾ クニカミナドハ 【子を生しています】。【クニ・カミ、御上・など(例示)、国守など・は】
16-46 たみのため こゝろつくして タミノタメ ココロツクシテ 【タミの為に】、【ココロ・ツクシ・テ、心を尽くしているので】、
16-46 あふらへり こたねまれなり アフラヘリ コタネマレナリ 【アフ、相う・ラ(例示)・ヘリ、相う・ことも・少なく】、【(子が出来にくく)子胤は貴重になります】。
16-46 たかきみハ しもがうらやみ タカキミハ シモガウラヤミ 【タカキ・ミ・ハ、貴い身は】、【下々が羨みますが】、
16-46 かなハねハ おきておうらみ カナハネハ オキテオウラミ 【それ(貴人の生き方をまねること)は叶わないことなので】【オキテ・オ・ウラ・ミ(理由)、掟を恨ん・で】
16-47 きみそしる これもあたなり キミソシル コレモアタナリ 【キミ・ソシル、キミを謗ることになります】。【コレ・モ・アダ・ナリ、これも徒で、無駄なことです】。
16-47 うちみやの あおめのいぶり ウチミヤノ アオメノイブリ 【内宮では、アオ・メ、若女房・の・いびりは】、
16-47 けおさます そばのことしろ ケオサマス ソバノコトシロ 【(キミの)ケオサマス、興醒めです】。【ソバ・ノ、側、側女の・コト・シロ、言・代、助言が】、
16-47 まめなれハ これおさむめが マメナレハ コレオサムメガ 【マメ・ナレ・バ、細やかであるほど】、【コレ・オ・サム・メガ、これを・冷ます・女官が】、
16-48 うらむなり きみがめぐみも ウラムナリ キミガメグミモ 【恨むでしょう】。【キミ・ガ・メグミ・モ、キミの慈愛さえも】、
16-48 ついわすれ うらみねたむの ツイワスレ ウラミネタムノ 【ツイ、終い・ワスレ、忘れ、ついには忘れてしまうのです】。【恨み妬むの】
16-48 にハさくら さかずハしれよ ニハサクラ サカズハシレヨ 【ニハ、柔い土・サクラ、桜、甘い心得の・作等、工作者達】【サカ・ズ・ハ・シレ・ヨ、咲かないなら気づきなさい(白子の桜の故事)】
16-48 ヨろたみの うらめんめどの ヨロタミノ ウラメンメドノ 【ヨロ・タミ・ノ、万人の】【ウラメ・ン(意思)・メ・ドノ、恨みたがった・女人・の(皇后モチコの故事)】、
16-49 ヨろさくら アめにうゑてそ ヨロサクラ アメニウヱテソ 【ヨロサ・クラ、喜ばさぬ・罪】【ア〔天〕メ、キミ・ニ・ウ、憂・ヱテ、得て・ソ、キミの不興を買ってしまった】、
16-49 おろかめが ねたむいそらの オロカメガ ネタムイソラノ 【オロカ・メ・ガ、愚か女が】【ネタム、妬む・イ、矮小な・ソラ、虚、僻みによる妄想・の】、
16-49 かなつゑに こたねうたれて カナツヱニ コタネウタレテ 【カナ・ツヱ・ニ、軍事的・処罰・で】【コタネ、子胤(ここではホヒの廃太子の故事)・ウタレ、無効化され・て】
16-49 ながれゆく あるハかたわと ナガレユク アルハカタワト 【ナガレ・ユク、流離・行く(に、名・枯れを掛ける)】。【アル・ハ、或る者・は・カタワ・ト、乞端、乞食・に】
16-50 なすいそら ねたむそのいき ナスイソラ ネタムソノイキ 【ナス・イ・ソラ、(悪く)実現してしまう・妄想だ】【ネタム・ソノ・イキ、妬む・その・息、妬む者の数は】
16-50 ヒヨろミチ むれてうろこの ヒヨロミチ ムレテウロコノ 【ヒ・ヨロ・ミチ、一万三千人】【ムレテ・ウロコ・ノ、群れて・古い大集団、縁者・の】
16-50 おろちなす たましまのひま オロチナス タマシマノヒマ 【オロ・チ・ナス、愚かな・道・ヤクザ者になった】。【タマ・シマ・ノ、珠・島・の、宮中の・ヒマ、空隙を】
16-50 うかゝひて こつぼにいりて ウカカヒテ コツボニイリテ 【ウカカヒ・テ【窺って】【コツボ・ニ・イリテ【キミのミヤで、子局に入り】
16-51 はらみこお かみくだくゆえ ハラミコオ カミクダクユエ 【ハラ・ミコ・オ、(タカマの)ハラの御子等を】、【カミ・クダク・ユエ、咬み・砕く・ので】
16-51 たねならす かたわうむなり タネナラス カタワウムナリ 【タネ・ナラス【胤・成らず、子がキミになることは無く】、【カタワ・ウム・ナリ、乞食、食えない集団を生むのです】。
16-51 まづしきハ およバぬとみお マヅシキハ オヨバヌトミオ 【マヅシキ・ハ、貧しいことに】、【オヨバヌ・ト・ミ・オ【勝てない・と・身を】
16-51 うらやみて うらみのあだに ウラヤミテ ウラミノアダニ 【ウラヤミ・テ、羨んで】【ウラミ・ノ・アダ・ニ、恨み・の・徒・に】
16-52 たねほろぶ ヒとおねためハ タネホロブ ヒトオネタメハ 【タネ・ホロブ、胤・滅ぶ、子孫が絶えるのです】。【ヒトオ、他人を・ネタメハ、妬めば】
16-52 ヒにミたび ホのほくらひて ヒニミタビ ホノホクラヒテ 【ヒ〔日〕・ニ・ミ〔三〕タビ、日に三度の】【ホ〔炎〕ノホ・クラヒ・テ、炎を喰らって、禄を失うことになり】、
16-52 みもやする ねたむねたまる ミモヤスル ネタムネタマル 【ミモヤスル、身も・痩せる(思いをすることになり)】【ネタム(モチコの故事)・ネタマル(ホノコの故事)、妬むのも・妬まれるのも】、
16-52 みなとがぞ たとえバはべる ミナトガソ タトエバハベル 【皆、咎なのです】。【たとえば(宮内に)侍る】


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●連続訳
姫はまた問います、タミには子が沢山生まれますが、御上の殿の、子が無いのはどうでしょうか?
コモリはまた説きます、セオリツヒメ(慎み深い女性ではない)ハ、伝え聞きますが、タミの業務の遂行に邁進して働きましたが(穂虫の故事)、そこに心を向けるキミは、脂気は盛んで子を生しています。
国守などはタミの為に、心を尽くしているので、相うことも少なく、子胤は貴重になります。
貴い身は、下々が羨みますが、貴人の生き方をまねることは、叶わないことなので、掟を恨んでキミを謗ることになります。
これも徒で、ムダなことです。
内宮では、若女房のいびりは、キミにとって、興醒めです。
側女の言代、助言が、細やかであるほど、これを冷ます女官が、恨むでしょう。
キミの慈愛さえも、終いには忘れてしまうのです。
恨み妬むの柔い土、桜、甘い心得の、作等、工作者達、咲かないなら気づきなさい(白子の桜の故事)。
万人の、恨みたがった女人の(皇后になれなかったモチコの故事)、喜ばさぬ罪、キミの不興を買ってしまった、愚か女が、妬む矮小な虚、僻みによる妄想の、軍事的処罰で、子胤(ここではホヒの廃太子の故事)を無効化されて、流離行く(に、名・枯れを掛ける)。
或る者は、乞端、乞食になり、それは、悪く実現してしまう妄想です。
妬むその息、妬む者の勢いは一万三千人、古くからの縁者の大集団が群れて、愚かな道、すなわちヤクザ者になりました。
珠島の、宮中の空隙を窺って、キミのミヤで、子局に入り、タカマの原の御子等を、咬み砕くので、子がキミになることは無く、乞食、食えない集団を生むのです。
残念なことに、勝てないと、身を羨んで、恨みの徒に、反逆者となって、子孫が絶えるのです。
他人を妬めば、日に三度の、炎を喰らって、禄を失うことになり、身も痩せる(思いをすることになり、妬むのも(モチコの故事)、妬まれるのも(ホノコの故事)、皆、咎なのです。

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ホツマツタヱでは、「コタネ」と出てきた場合、「子種」と訳してしまう人が多いのですが、これは胚以前の状態ではなく、生まれた後の子供であることがほとんどなのですが、注意して呼めば理解できるでしょう。

6アヤを見ると、正確には、ホヒをタナヒト、オシホミの御子もオシヒトと呼んで、オシヒトの立太子の祝をしたと書いてあります。
実質はそうでも、廃太子ではないかもしれません。

ここで、かねてから言っていたウロコという言葉が出てきますね。
ウ(大きい)・ロ(集合)・コ(過去の)という意味なのです。
何度も出てきますが、龍は夏のトーテムなので、龍の一族は重要な意味をもっていたのです。


これは半銭銅貨、左は明治6年、右は明治19年のものです。

昔、いっとき、切手やコインの収集が流行った時期がありましたが、私も若干ですが集めていたことがありました。
龍のウロコが陽刻のものを角ウロコ、陰刻のものを波ウロコと呼んでいます。

私の生まれた昭和26年の10円硬貨の絵柄のニワトリ(ぉぃ)の尻尾は跳ねあがっており、「メス」と呼んでいました。
27年のものも若干はメスが混ざっていましたが、現在もそうですが、他の年のものはすべて尻尾の垂れた「オス」なのです。
なぜ、こんな手の混んだ細工をするのでしょうか?
昔はただ希少価値しか感じませんでしたが、日本政府はなぜ、こんなことをするのか、知りたいですね。
やはり、「呪術」なのでしょうか。
金型をいじるということはそうとうな費用のかかることなので、酔狂ではないことは間違いないのですが。


この、「日に三度の穂」は食事のことですから、後の表現である「飯の食い上げ」みたいなもんでしょうか。
英語で、「おまえはクビだ!」という意味の、”You are fired ! "みたいのが「炎」なのでしょうかね。
たしかに、失業すれば食えないので、そんなもんでしょうか。


●一行訳7

16-52 みなとがぞ たとえバはべる ミナトガソ タトエバハベル 【皆、咎なのです】。【たとえば(宮内に)侍る】
16-53 あおめたち ヰいろのはなぞ アオメタチ ヰイロノハナゾ 【アオ、青・メ、女・タチ、達、若い女官達は】、【五色の華です】。
16-53 そのきみの こゝろあおきハ ソノキミノ ココロアオキハ 【そのキミが、(アオメの)心が青い(純情)なら】、
16-53 あおにめで きなるハはなの アオニメデ キナルハハナノ 【アオ・ニ・メデ、その青さ故に愛し】、【黄色い華(快活な性格)なら】、
16-53 きおめでし あかきハはなの キオメデシ アカキハハナノ 【キ・オ・メデシ、その黄を愛しました】。【赤い華(情熱的な性格)なら】、
16-54 あかにめで しろきハはなの アカニメデ シロキハハナノ 【アカ・ニ・メデ、その赤さ故に愛し】、【白い華(純真な性格)なら】
16-54 しろにめで くろきハはなの シロニメデ クロキハハナノ 【シロ・ニ・メデ、その白さ故に愛し】、【黒い華(暗く捻じれた性格)なら】
16-54 くろおめず おなじこゝろに クロオメズ オナジココロニ 【クロ・オ・メズ、その黒さを愛することができません】。【同じ心に】
16-54 あいもとむ きみのこゝろと アイモトム キミノココロト 【アイ、相・モトム、求む、相求める】、【キミの心と】
16-55 わがはなと あふやあわぬや ワガハナト アフヤアワヌヤ 【ワガ・ハナ・ト、自分の持ち味が】、【アウ・ヤ・アワヌ・ヤ、合うか合わないかは】、
16-55 あえしらず てれハうらむな アエシラズ テレハウラムナ 【わかりませんが】、【それなら恨むのは駄目です】。
16-55 あげらるも ゑもべもよらず アゲラルモ ヱモベモヨラズ 【アゲラ・ル・モ【(上位に)挙げられるか】、【ヱ、上・モ・ベ、辺・モ・ヨラ、選ら・ズ、上も辺も選ぶことは出来ず】
16-55 もとむなり てればめすとも モトムナリ テレバメストモ 【(想いのままに)求めるのです】。【そうすれば、(キミが)召すとしても】
16-56 いくたビも おそれてのちハ イクタビモ オソレテノチハ 【イク、幾・タ(類)・ビ〔人〕・モ、何人といえども】【オソレ、畏れ・テ・ノチ、後・ハ、(キミを)畏れていれば】、
16-56 うらみなし つゝしみハこれ ウラミナシ ツツシミはコレ 【恨みは無いでしょう】。【(宮内で)慎む(べき)ことは・それですから】.



これは普通の花ですが、ここでは局や女官を花に例えて、その性格などで分けたのでしょうか。

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●連続訳
たとえば(宮内に)侍る青女達、若い女官達は、五色の華です。
そのキミが、アオメの心が青い(純情)なら、その青さ故に愛し、黄色い華(快活な性格)なら、その黄を愛し、赤い華(情熱的な性格)なら、その赤さ故に愛し、白い華(純真な性格)なら、その白さ故に愛しますが、黒い華(暗く捻じれた性格)なら、その黒さを愛することができません。
同じ心に相求める、キミの心と自分の持ち味が、合うか合わないかは、わかりませんが、それなら恨むのはダメです。
上位に挙げられるか、上も辺も選ぶことは出来ず、想いのままに求めるのです。
そうすれば、キミが召すなら、何人といえども、キミを畏れていれば、恨みは無いでしょう。
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ここに挙げられた性格の華は、おそらく本文にある姫達のエピソードにつづられているものでしょう。
青い花は幼さの残る、イソヨリでしょうか。
黄色い華はウズメやアカメのあっけらかんとした海女の様子を現しているのかもしれません。
赤はロマンチストを思わせるワカヒメやハヤアキツかもしれません。

ここで、注意したいのは、前述のセオリツヒメですが、その性格がどうだったか、で判断が別れるところです。
アマテルが見初めて、キザハシを降りて相に行ったので、「ヒニムカツヒメ」のタタエナなんでしょうが、穂虫事件を解決した機転は褒むべきでしょう。
しかし、問題を起こしたモチコ・ハヤコの処遇で、「その場しのぎ」を言って、ダマされたぁ!という二人の怒りは、その族の行動に油を注いだのもまた事実なのです。
キミが怒り狂ってセオリツの工作など省みなかった、という事なら、ここに出てくる、「オソレテノチハウラミナシ」、というのは説明できてしまいますが、実際はどうだったのでしょうか、ね。
つまり、最初、白い華だったのが馬脚を現して黒い華だったのがバレた、というのも考えられます。
セオリツの力の及ばないところで進んだかもしれませんが、モチコ・ハヤコの怒りは、当然のようにセオリツに向かうしかないのです。
本来ならその子、ホヒは、時期アマツヒツギのはずだったのですから。
モチコのトミ・タミは「ゆるせねぇ!!」と思うのが普通ですね。


●一行訳8

16-56 うらみなし つゝしみハこれ ウラミナシ ツツシミはコレ 【恨みは無いでしょう】。【(宮内で)慎む(べき)ことは・それですから】、
16-56 もろヒめら まさにしるへし モロヒメラ マサニシルヘシ 【モロヒ〔人〕メラ、諸姫達は】、【まさに知るべきなのです】。
16-56 いろのはな ヒとたびめでゝ イロノハナ ヒトタビメデテ 【心の華の色香は】。【ヒ〔一〕ト・タビ・メデ・テ、(たとえ)一度愛されたといっても】、
16-57 はやちれハ ちるとすてられ ハヤチレハ チルトステラレ 【ハヤ・チレ・ハ、もはや・散った・なら】【チル・ト・ステラ・レ、過去のものとして・放置され】、
16-57 よそのはな めすときハその ヨソノハナ メストキハソノ 【他所の花(他の女)を】【召す時には・その】
16-57 はなさかり つらつらおもえ ハナサカリ ツラツラオモエ 【花は盛りで(対抗することはできない)】。【良く考えて見ると】
16-57 みのはなも ヒともうつれバ ミノハナモ ヒトモウツレバ 【身の華、自分の長所・も】【ヒ〔人〕ト・モ・ウツレ・バ、人の場合でも・花のように移ろえば】
16-58 ちるはなぞ たれさしうらむ チルハナゾ タレサシウラム 【散ってしまった華にすぎません】【誰を指して恨む】
16-58 ヒともなし もしあやまれハ ヒトモナシ モシアヤマレハ 【ヒ〔人〕ト・モ・ナシ(形動、否定当然?)、有ってはならない】。【もし、(企てて)失敗し】、
16-58 たねたちて みとがめあれど タネタチテ ミトガメアレド 【タネ、胤・タチ、絶ち・テ、継子を殺すほど】、【身(ここでは対象の女)を咎める人が有るかもしれません】。
16-58 そのヒとハ まだたちもたず ソノヒトハ マダタチモタズ 【ソノヒ〔人〕トハ、その人は】、【未だ太刀を持っておらず】
16-59 つゑうたず ヒとうちころす ツエウタズ ヒトウチコロス 【杖で打つこともなく】、【ヒ〔人〕ト・ウチ・コロス、人を討ち・殺す】
16-59 ゆえもなし めハヒとみちに ユエモナシ メハヒトミチニ 【故も有りません】。【メハヒ〔一〕トミチニ、女は・一途に】
16-59 おもえとも ねたみわつらふ オモエトモ ネタミワツラフ 【想いを寄せても】【ネタミ、妬み・ワツラフ、患う】
16-59 むねのホが おろちとなりて ムネノホガ オロチトナリテ 【ムネノホ〔炎〕ガ、胸の炎が】【オロ・チ・ト・ナリ・テ、愚道、ヤクザ者となって】
16-60 こたねかむ さわりのぞかん コタネカム サワリノゾカン 【コ、子・タネ、胤、次世代・カム、咬む、(恨みの対象の)子胤を害する】【サワリ・ノゾカ・ン、障害を排除するという】
16-60 よつきふみ つゝしむあやの ヨツキフミ ツツシムアヤノ 【「世継文」の】【ツツ・シム・アヤ、伝え・染む・綾・の(伝える)】、
16-60 はなとはな うてバちるなり ハナトハナ ウテバチルナリ 【ハナトハナ、花と花でも互いに争って】【討てば(どちらも)散ってしまいます】。
16-60 もろともに つねにつゝしみ モロトモニ ツネニツツシミ 【モロトモニ、皆】、【常に慎みを】、
16-61 なわすれそこれ ナワスレソコレ 【忘れてはいけません】。


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●連続訳
宮内で慎むべきことは・それですから、諸姫達は、まさに知るべきなのです】。
心の華の色香は、たとえ一度愛されたといっても、もはや散ったなら、過去のものとして放置されます。
他所の花(他の女)をキミが召す時には、その花は盛りで、対抗することはできません。
良く考えて見ると、身の華、すなわち、自分の長所も花と同様です。
人の場合でも、花のように移ろえば、散ってしまった華にすぎません。
誰を指して恨む人も有ってはならないのです。
もしかして、企てて失敗し、継子を殺すほど、身(ここでは対象の女)を咎める人が有るかもしれません。
その人は、未だ太刀を持っておらず杖で打つこともなく、人を討ち、殺す故も有りません。
女は、一途に想いを寄せても、妬み患う胸の炎が、愚道、ヤクザ者となって子胤、次世代を咬む、恨みの対象の子胤を害する、障害を排除するという「世継文」の「伝え染む綾」の伝えるように、花と花でも、互いに争って討てば、どちらも散ってしまいます。
皆、常に慎みを忘れてはいけません。
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つまり、黒い華というのは、モチコであり、セオリツでもあったのです。
あぁ、なるほど、花と花かぁと思われた方は正解ですね。

16アヤはこのままいけばあと一回で終わりますね。

ト フラグだー!

ヱ ry


さて、ホツマツタヱに関するご意見ご要望、いちゃもん、文句、NGのあるかたは掲示板のほうに書いていただければ、うちのヱが対応します。
http://hot-uma.bbs.fc2.com/