シベリアの夜長を古代史に夢を馳せて〜その225〜 |  アンドロゴス生涯学習研究所

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だいぶ間が空きましたが、これから、ホツマツタエ13アヤの解説を始めたいと思います。

その前に、最近わかったこと等をお話したいと考えています。

ホツマ文字の異体文字に漢字一文字を付加してすると、文の意味が明瞭になることはこれまで言ってきたとおりですが、ホツマツタヱ成立以前にホツマ文字が考案された頃の大中華の文化が文字の使用法に与えた影響について考えねばならないのです。

つまり、クニトコタチが縄文人の言葉を収集し、分析したなら、かつて国語学者の提唱した説のように、「ハヒフヘホ」の音と「ファフィフゥフェフォ」を区別していたのではないか、ということです。
これまで、〔人〕と表してきたものが「ふぃ」の音を持っていたのではないか、ということです。
もしかすると、その逆なのかもしれません。


これは漢字成立以前の漢字(ぉぃぉぃ、真名だろ)ではなく、仮名だったのです。

極めて残念なことになってしまいますが、どちらがどちらに対応しているのか、特定することはできないのです。
かつて、一部の国語学者が「母」は「ふぁふぁ」と発音されていた、という発言をして大きな混乱を呼びましたが、民俗学からは定量的な差異をみつけるのが困難だったからです。
おおむね、こうだろう、くらいは言えるのですが、当時の録音が無いのですから「説」の域を出ず、どうにもなりません。

この証明はコロナウィルスのデルタ株が危険だ!という与太話と同様に判断されます。
最新の研究で、ウイルス移接者の鼻咽頭でデルタ株が増えていることを確認した!!!というようなものです。
じゃ、キミは、そんな危険な人体実験をしたのかね?と云われるのがオチです。
よく調べればinvitroで確認した、と白状するでしょう。

さて、ホツマツタエには淮南子(わいなんし)と同様、荘子の思想が感じられます。
淮南子が成立したのは徐福の一行が列島に来訪した後のようで、直接の接触は無かったと推察されます。
アメツチノ〜で始まる創生神話や陰陽五行の思想は老荘思想そのものです。


淮南子は道教成立とともに刊行されたものですから、直接日本列島には伝来していません。

それゆえ、これから解説する13アヤでは、陰陽五行に触れているのですが、そこはそれ、大天才クシミカタマの文学なので、陰陽五行に託して男女と家族の機微を描いていますので、退屈することはありません。
実は、私も、最初はなにがなんだかわからず、飛ばして読んでいたくらいなのです。

話は少し戻りますが、星(ほし)や戈(ほこ)にこの「ホ(ふぉかもしれません)」の字が使われているのですが、歳星(さいせい、木星のこと)や太白(たいはく、木星の対天体の概念)は直接現れてはいないのですが、その背景思想には相当な尊敬の念が感じられますので、上位概念(つまりイデオロギー)が解明されれば、星とか戈といった一文字概念だけでなく、説明ができるようになると考えています。
これが読み解けるようになると、長い周期(木星は黄道上を十二年で一周します)の暦の解読も進むかもしれません。

さらに解読を困難にしているのは、本文中にある仮染の親子関係なのです。
ただ、この部分は夫婦の話をしている時に、唐突に弟の子を義理の子として扱う話を混ぜてあるので気付くことができます。
わたしの示した系図でも、タカミムスビの部分で混乱を生じている原因が、この13アヤには明示されているのです。
ソサノヲの子であるタケコとオホナムチを添わせてしまうのも異母兄弟なわけですから、野蛮な関係だ!と思わずに、じっくりと考えると仮染の夫婦関係が見えてくるものです。
9-36に、キミクシギネオ モノヌシニ タケコオツマト ナシテウムという部分がありますが、主語が「キミ(アマテル)」だと思えるのですが、さあ、どうでしょうか。
それじゃ、親子ドンブリじゃん、と云われるでしょう。
でも、ハヤコとの関係は清算済みなので、それでもいいのかも。

クシミカタマだけではなく、アメ族は全体的に、まずい人間関係は、その前の代で正していこう、という姿勢が見えています。
つまり、ここである例のように、、父の名をだしたくない時にこの義理関係を使うのではないでしょうか。


これはカバネの親子です。


では、本文の解説をはじめましょう。

■ワカヒコイセススカノアヤPart1


●一行訳1

13-1 わかヒこいせすゝかのあや  ワカヒコイセススカノアヤ 【ワカヒコ、イセ・ススカのアヤ】
13-1 たかのこフ つぼわかみやの タカノコフ ツボワカミヤノ 【タカノコフ〔府〕の】【ツボであるワカミヤで】、
13-1 あつきヒの ゑらみうかゞふ アツキヒノ ヱラミウカガフ 【(カスガワカヒコは)暑い日が】【エラ、つらい・ミ、み(理由)、辛かったので(御見舞に)伺いました】
13-1 わかヒこに みきたまわりて ワカヒコニ ミキタマワリテ 【(キミは)ワカヒ〔人〕コに】【ミキ・タマワリ・テ、御酒を賜って】、
13-2 みことのり かみハいもせの ミコトノリ カミハイモセノ 【言われました】。【カミ・ハ、上の代、昔のキミ(ここではモモヒナギのこと)は、イモ・セ、夫婦の】
13-2 みちひらく われハかすがに ミチヒラク ワレハカスガニ 【道の教えを開いたが、私はカスガに】
13-2 これうけん かすがハおなし コレウケン カスガハオナシ 【教えを受けたいと思う】。【カスガは、ハ〔衣〕オ・ナシ、衣を正し】
13-2 ヒたにます みぎハヒたかみ ヒタニマス ミギハヒタカミ 【ヒ〔人〕タニ・マス、キミの正面に座りました】【ミギ、御父・ハ・ヒ〔日〕・タカ・ミ、日高見の】
13-3 うおきみと かるきみをきな ウオキミト カルキミヲキナ 【ウオキミ(タカミムスビ)と】【カルキミ(オオナムチ)の翁】
13-3 つぎかとり かんきみおよび ツギカトリ カンキミオヨビ 【次に控えるのはカトリの】【御守のキミ及び】、
13-3 かしまきみ つくばしほかま カシマキミ スクバシホカマ 【カシマのキミ】、【ツクバのシホカマ】
13-3 もろもます ときにみとひハ モロモマス トキニミトヒハ 【その他大勢が座りました】。【その時に・キミが問うたのは】
13-4 さきにみづ あびせんつるお サキニミヅ アビセンツルオ 【以前、ミヅ、水を】【アビ・セン・ツル・オ、浴びせようとする(新郎新婦に水をかける習慣)のを】、
13-4 うおきみが とめてまねなす ウオキミガ トメテマネナス 【ウオキミが】【止めて真似だけしたのは】
13-4 これいかん かすがこたゑて コレイカン カスガコタヱテ 【何故ですか】?【カスガが答えて】
13-4 のこるのり むかしうびちに ノコルノリ ムカシウビチニ 【ノコル・ノリ、残る・則、ならわし】【(にあるように)昔、ウビチニは】
13-5 ヒながたけ もゝにとつきて ヒナガタケ モモニトツキテ 【ヒ〔人〕ナガタケで】【モモニ、桃の日に・ト・ツキ・テ、門継・て、夫になって】
13-5 はつみかに さむかわあびる ハツミカニ サムカワアビル 【ハツミカニ、初・御日に、最初の日に】、【サム・カワ、冷たい川の水を・アビル、浴びました】。
13-5 そさのヲハ ヒかわにあびる ソサノヲハ ヒカワニアビル 【ソサノヲ〔雄〕は】、【ヒ〔人〕・カワ・ニ、人(ソサノヲが名の因む川)、須佐川で身添ぎをしました〕。
13-5 これつよし きみハやさしく コレツヨシ キミハヤサシク 【この御上達は気の強い方だったのです】。【キミは優しく】
13-6 やわらかに ませハかゞえて ヤワラカニ マセハカガエテ 【おだやな方で】【いらっしゃったので考えて】、
13-6 とゞむものかな トドムモノカナ 【(水を掛けるのを)お止めしたのです】。



今回はカバネの親子を貼ったのでシーン解説図は省略します。

ヱ 手抜きだー!!
ト 手抜きだー!!

根 そのとおりです(きっぱり)

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ワカヒコ、イセ・ススカのアヤ
タカノコフ〔府〕のツボであるワカミヤで、カスガワカヒコは、暑い日が辛かったので、御見舞に伺いました。
キミは、ワカヒコに御酒を賜って、言われました。
昔のキミであるモモヒナギは、夫婦の道の教えを開いたのですが、私はカスガに教えを受けたいと思います。
カスガは、衣を正し、キミの正面に座りました。
それぞれの御義父は、日高見のウオキミ(タカミムスビ)とカルキミ(オオナムチ)の翁です。
次に控えるのはカトリ御守のキミ、そしてカシマのキミ、ツクバのシホカマ、その他大勢が座りました。
その時に・キミが問うたのは、以前、新郎新婦に水をかける習慣を、ウオキミが止めて真似だけしたのは何故ですか?
カスガが答えて、記録にありますのは昔、ウビチニはヒナガタケで、桃の日に門継いで、夫になって最初の日に、冷たい川の水を、浴びました。
ソサノヲは、ソサノヲが名の因む川、須佐川で身添ぎをしました。
この御上達は気の強い方だったのです。
キミは優しく、穏やかな方でいらっしゃったのを考えて、習わしになっていた水を掛ける儀式を、形だけにしたのです。
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ここで登場するカスガワカヒコというのは、アマノコヤネのことですので、これはニニキネの時代の出来事でしょうか。
タカノコフ〔府〕が府であることからも裏付けられるでしょう。
不思議なことに、辞書には明確に書いていないのに、「府」は現代に於いて、「かつてミヤコであった所」という認識があるようです。
別解として、「蔵のあつまるところ」という意味もあるようです。

いずれにしても、この話は、チチヒメ入内から、相当に時間が経っていることになります。
まあ、本格的な話は次にまわしましょう。

ヱ 手抜きだー!!
ト 手抜きだー!!

根 そのとおりかも(自信は無いかも)


さて、ホツマツタヱに関するご意見ご要望、いちゃもん、文句、NGのあるかたは掲示板のほうに書いていただければ、うちのヱが対応します。
http://hot-uma.bbs.fc2.com/