劇場で見逃して、DVD発売と同時にレンタルして鑑賞。


正直、劇場で見ないと、CGのチープさが目立つ。


しかも日本では2Dのみ公開だったが、3Dで見ないときっと劇場でもチープだったであろう。




IMAX 3Dの文字がしっかりとある香港公開版ポスター



本当に中国では大ヒットしたのだろうか?


言わずとしれた西遊記映画。しかもその前日譚となるから、「孫悟空誕生」とタイトルにある。


孫悟空を演じるは宇宙最強のキャッチフレーズも定着したドニー・イェン。


しかし、ずっと猿メイクである。猿過ぎて、完璧な猿過ぎて、正直、「本当にドニーが演じているのか」と突っ込みたくなる。


見よ。このドニー(?)の猿メイク。



たしかに、目のあたりはドニーのマナコである。しかし、これだけ特殊メイクだと、目のあたりをドニーに似せてメイクしたら、きっと誰がやってもわかるまい。


アクションシーンも「さすがドニー」と言いたいところだが、正直、ドニーはほぼアップのシーンだけとって、あとはダブルの方が演じているように見える。

ええ、そうですとも。全作品を見てきて、ドニーアクションの神髄がわかっている(つもりの)私の目はごまかせませんよ~。


ただこの映画。武術指導はドニー・イェンとクレジットされているんですよ。

でも実際には、ドニーさんの右腕である「るろうに剣心」の武術指導者・谷垣健治さんがほとんどをふりつけているんじゃないかな。


そのあたり、谷垣さんのツイッターとか、映画雑誌「映画秘宝」のコラムなんか見てると、どうもはっきりとは書いてないけれど、そんな感じなんだなぁ。


でも、もはや谷垣さんもドニー以上の振り付けをしてくれるから、そんなことどうでもいいんですけどね。


往年のサモハン・スタント・チーム(洪家班)が、サモハン親分のもとで、ラム・チェンインだのユン・ワーだのがみんなで振り付けていたのと同じ。それで何作も高質なアクションを生み出してたんだから。


ただ、やはり、このとろこのドニーの多作ぶりは、やっぱり以前ほどのアクションへのこだわりは感じられない。


モンキーマジックと同じ時期に、大陸の3D作品「アイスマン(冰封俠 重生之門)」をとっているんだけれど、予告を見る限り、アクションは二の次のように見える(珍しく私は未見)。


まぁ、あれだけアクションにコミットするドニーが、これだけ多作になったら、力を抜かざるを得ないのだけれど、それにしても、今回のモンキーマジックはドニーがやる必要はまったくないくらい、ドニー色はなかった。


他のキャストはまぁ、顔が見えているからいいですよ。アクションシーンもそれほどないし。


例えばアーロンさん演じる牛魔王。



いまだかつてないくらいの美形・牛魔王だよね。


そして、チョウ・ユンファ演じる玉帝。



うーん、貫禄あるよね。賭神だからね。神様みたいな役はお手の物。


ストーリーは、もうほとんどドラゴンボールの影響を受けまくり。


孫悟空は、玉帝が栽培している元気の源・仙豆を食べて千倍の力を得るとか。これってドラゴンボールの設定そのまま。


孫悟空を育てて武道を授ける師匠の仙人様(名前は忘れた)は、もろ武天老師さまだよね。あんなスケベではないけれど。


ほんでもって、出てくる妖怪達は、パンダの妖怪だの、狐の妖怪(これはカワイイ)だの、ほとんど鳥山明的なコミカル妖怪。

竜宮城らしき海中にもぐって、孫悟空が罪なき東海王の城を、そのバカ力でメチャメチャにしちゃうくだりも、ドラゴンボールのこども悟空的なはた迷惑キャラ。


なんというか、セット(ほぼCG)もそうなんだけれど、世界観に統一感がありません。


チャウ・シンチーの西遊記と比較するほどのものではなかったなぁ。残念ながら。。。